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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 そのバグの怒りが齎した結果を彼らは知りたくなかった
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そのヒーロールックの偽人を僕は知りたくなかった

「つ、付いて来てくれてますか透明人間さん?」


 恐る恐る、胃を押さえながら通路を歩くリエラ。

 ただいまリエラと二人で英雄迷宮探索中でございます。

 リエラがピンチに陥ったらどうなるか? この迷宮に出て来る魔物は偽人オンリーであり、戦隊ヒーローみたいな容姿の魔物であり、彼らは不殺を心がけているのだ。

 意味不明だよね。僕もよくわからない。

 偽人にも矜持というモノがあるらしいってカインが言ってた。


 気絶した冒険者を見掛けると律義に入口まで送ってくれるのだとか。

 だから初心者用迷宮として長年愛用されているらしい。

 階層は10層で他の迷宮からしても一番短い洞窟になる。

 床は石畳。青い炎の付いた燭台が一定間隔で壁に設置されている。


 ひんやりと心地よい空気が漂う洞窟内を、リエラと二人きりで冒険です。

 いいな、こういうのいいな。冒険してるって感じがして、しかもデートっぽくてファンタジー万歳!

 ま、まぁ、リエラはそんな余裕はなく、周囲を忙しなく探りつつ、胃を押さえつつ、震える手でミスリルソードの柄を握ったり放したりしつつ……もはや挙動不審です。


「へあ!」


「ひゃぁ!?」


 唐突に、曲がり角から飛び出した緑色の生物。

 戦隊スーツに身を包んだ迷宮戦隊、レインボーセブンだったっけ? その一人、マイナーグリーンが現れたのだ。

 なんだよマイナーグリーンって。余り知られてないとかメインメンバーじゃないってことか?

 いや、違うな。メインメンバーだけど目立つことのない日蔭者って奴か。


「へあっ!」


 わざわざポーズを取ってからの蹴り。

 慌てて下がったリエラは足をもつれさせてすっ転ぶ。

 あわわわわ。と焦る彼女向け、マイナーグリーンは拳を振り上げ……の前に左腕を盾のように眼前に向け、右拳を溜めるポーズを行う。

 どうやらいちいちポーズを付けてからじゃないと攻撃できない偽人らしい。


 次に何が来るかわかりやすいし、溜め時間が勿体無い。

 余程リエラみたいに呆然と恐怖してなければ楽に倒せそうだ。

 僕は彼の背後に周り、ひざかっくん。


 拳を打ち込もうとしたマイナーグリーンは突然の衝撃で背後に崩れ折れた。

「へ?」と驚くリエラ。彼女を立ち上がらせると、ミスリルソードを引き抜き、持たせる。

 丁度マイナーグリーンも立ち上がったようだ。


「と、透明人間さん……そ、そうですよね。あなたがいてくれるなら……っ」


 ギュッとミスリルソードを握り込むリエラ。

 ようやく戦闘態勢に入ったらしい。

 空気が変わったと気付いたのだろう。マイナーグリーンも動きを一度止め。静かに構える。


 行くぞ! チャキリとミスリルソードが鳴った。

 刹那、マイナーグリーンが走りだす。

 ダッシュからのモーション入れての飛び蹴り。

 そんな空を飛ぶ偽人を、リエラは刹那の判断で真下から掬いあげる。


「ライジング・アッパー!」


 ミスリルソードは付加魔法を付けやすい。

 なのでリエラでも充分に雷剣へと変化させられる。剣の腹を相手に向けて、思い切り叩き上げる。

 しまった。といった様子のマイナーグリーンが遥か上空へと跳ね上げられた。


「行きます! 不沈撃!」


 落下して来たマイナーグリーンをさらにカチ上げる。

 おお、ついにあの偽リエラの完全再現を可能にしたんだねリエラ!

 すごいすごいすごいすご……あの。リエラさん?


「み、見てください透明人間さん、私、私繋いでます。不沈撃でこんなに続いたの初めてでっ!」


 嬉しげに不沈撃を連発するリエラさん。

 既に60Hitは達成してる。

 あの、いつまでやるの? というか、許してあげてっ、マイナーグリーンはここまでされる程酷いことしてないでしょ!? 許してやってくれっ、永遠地上に戻れない彼を許してやってくれ!!

 これではまるで無双武将に跳ね上げられ続ける部隊長のようではないかっ。1000連撃とか止めてあげてぇっ!!?


 結果285Hitでリエラが疲れたらしく打ち止めとなった。ストライクバスターで地面に激突したマイナーグリーンは、地面に投げ飛ばされた瞬間、なんとなく幸せそうな顔をしていた。

 成仏……しろよ?


「ふぅ。よし。なんかさっきまでの震えが無くなりました。頑張りましょう透明人間さん」


 頑張るのは良いけど、僕は殆ど手を出さないよ?

 上機嫌で歩きだすリエラにそんな事を告げるが、当然ながら僕の言葉は聞こえなかった。

 お、次に魔物が来たぞ?


「こ、今度は二体……ですか」


 クールブルーとおいろけピンク。青い正義の味方は確かにクールぶっているようだ。腕組みしてリエラを値踏みするように見ている。

 おいろけピンクはうっふん。とばかりにセクシーポーズを披露しているが、スーツを着ているので僕はなんというか、萌えない。


 二人とも徒手空拳らしく、リエラがミスリルソードを両手で構えると動き出した。

 同時に行われるモーションからのパンチ。

 モーションはグリーンと同じだ。若干モーション速度が速い気がするけど、これなら何とかなりそうな気がする。

 マイナーグリーン

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・へあっと言いながら現れる迷宮戦隊の隅っこの方の人。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は最鈍。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(緑)、セスタス、ヒーローお面、心に宿る風戦ぐ森林


 クールブルー

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊の知的クール担当。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は普通。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(青)、スマッシュグローブ、ヒーローお面、心に宿る静寂なる深海


 おいろけピンク

  種族:偽人 クラス:迷宮戦隊

 ・迷宮戦隊のおいろけ担当。入浴シーンもあり。

  攻撃にモーションを付けるのでどの攻撃を行うかが事前に分かりやすい。モーション速度は最鈍。

 ドロップアイテム・レインボーバッチ|(桃)、プリンセスローズ、ヒーローお面、心に宿る神聖なる性欲

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