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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 そのバグの怒りが齎した結果を彼らは知りたくなかった
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その少女の修行が熾烈を極めるのを彼女は知らなかった

 結局、冒険者学校の教師陣の見ている前で契約と宣誓を行い、アメリスのためにリエラが闘うという謎の状況に陥った。

 あの後洞窟から出たんだけど、魔物組は遅れてやってきた。

 保護者役として付いて行ったレックスは連れ回されてボロボロになり、涙目で帰って行ったのが印象的だった。

 頑張れレックス。


 本日から一週間後に闘いが始まる。

 場所は冒険者学校にある闘技場。

 対戦相手については向こうが発表しなかったので良く分からないけど、おそらくオーギュストだろう。あいつが一番強そうだし。


 あと、ネッテとカインの報告によりオーギュストの魅了の魔眼は封印指定を受けて封印されることになった。ざまぁ。である。

 で、本日、とある郊外の一角で僕らはリエラの強化合宿を行っていた。


 対戦相手を勤めるのは本日哀れな犠牲者、チュー華まんさんです。

 フィールドで時々出て来る魔物らしいのだけど、全体的に丸い容姿の鼠型魔物であり、中身が中華まんという謎な魔物でした。


 逃げまどうチュー華まんを追いまわすリエラ。

 もはや闘いというより追いかけっこだ。

 猫まっしぐらといった感じでまってぇ~と追いまわすさまは微笑ましくさえ思える。


「そ、それでカインさん、リエラはなんとかなりそうですか?」


 恐る恐るといった感じで聞いたのはアメリス。身から出た錆とも言えるが、リエラに自分と彼女の貞操を背負わせてしまったので申し訳なく思っているようだ。

 勢いで了承してしまったのが痛い。


 リエラからは僕も一緒に闘ってほしいと懇願されていたから、まぁ、僕も全力サポートするけどさ。あの王子、ほんといい加減にしろって話だ。透明人間さんも我慢の限界ですよ。

 闇討ちするのもいいかなぁ、と本気で思い始めてる今日この頃。リエラが負けたら多分僕はあいつらを闇討ちすると思う。

 夜道には気を付けな。夜道じゃなくても気を付けな。ふっふっふ。


「そうだな……とりあえず、俺と打ち合って強制的に剣技の質を上げるか。後は……アレンとかに頼むのがいいかもな。ゴードンのおっさんとか普通に頼めば了承してくれそうだし、今日からはリエラの強化合宿だな。一気にレベルアップさせてやろう。あのオーギュストを圧倒出来るくらいにはな」


 カインが珍しく黒い笑みを浮かべている。


「つーわけでルグス、お前にも協力して貰うぞ」


「我にか?」


 と、視線をアルセに向けるルグス。アルセの笑顔を見て仕方ないな。といった顔で了承する。

 あ、その背後でチュー華まんがレーニャに捕まった。

 口に加えてルクルのもとへと連れ去っている。


 ぐったりとしたチュー華まんを地面に降ろしてほめて? みたいに尻尾ふるレーニャにルクルは若干引いていた。あいつ女の子してるなぁ。鼠は嫌いか?

 チュー華まん美味しそうではあるんだけど。


「よぉ。遅くなったなカイン」


 既に連絡は付けていたらしい。

 アレンとゴードン、ついでにモーネットがやってくる。

 モーネットはアカネと一度だけ視線を合わせると、後は彼女に意識すら向けずカインに視線を向けた。


「本日はお呼びいただきありがとうございます。リエラさんの強化と聞きましたが」


「ああ。アメリス嬢がちょいと無茶な決闘受けてな。リエラが代表として闘うことになった。負ければアメリスとリエラが酷いことになる。絶対に負けられない闘いだ」


「一週間しかないの。私達の居る所までパワーレベリングしたいのだけど、皆さんに指導していただくのは、よいでしょうか?」


 ネッテが引き継ぐと、アレンもゴードンもモーネットもコクリと頷いた。


「女性の敵を倒すのならば、私は協力を惜しみません!」


「俺も全力で相手してやるぜ。嬢ちゃんには借りもあるしな」


「乗りかかった船だ。報酬も貰ったし俺も手伝うぜ」


 Aクラスハンターの代表者三人。+カインから剣術指導を受けることとなったリエラ。

 本人は追っていた魔物をレーニャに奪われ涙目になっていた。

 これから起こる地獄の特訓を、彼女はまだ知らないようだった。


「んじゃあ、これからよろしく頼む。依頼は一週間。自分たちの持つ技術、その全てをリエラに叩き込む」


 カインの言葉に、四人のリーダーたちは円陣を組み。前方に右手を差し出し、重ね合わせてコクリと頷く。

 なんか、チーム一丸となって取り組みますみたいな雰囲気ですが、過剰戦力な気がしないでもない。


「回復魔弾の量は十分過ぎる程ある。死にさえしなければ問題無い。全力で頼む」


「ええ。人を殺さず男を殺す四十八手を全て手解き致します」


「剣速は俺に任せな。俺の剣が躱せるなら他の剣撃なんざ止まって見えるぜ」


「ならば俺からは剛の剣だな。小手先の技など必要無い気合いの一撃を叩き込んでやる」


 全員、やる気満々でした。

 そして、そのテンションは徹夜明けの様相でした。

 結果どうなるか。もはや分かり切ったものだった。

 チュー華まん

  種族:魔鼠 クラス:チューチュー

 ・身体が饅頭のように丸い鼠。

  ほかほかの肉まんの内臓を持っているので見つけたら食料として確保される。

 ドロップアイテム・肉まん

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