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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 そのダンジョンで起きた悲劇を僕は知らない
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その失態を皆は知らなかった

 ボス部屋、では他の冒険者の邪魔になる。ということで、僕らはボス部屋を少し過ぎた場所。

 転移陣の部屋でオーギュストたちを囲っていた。

 さすがにこの人数を相手に何かしようとは思わなかったらしいリアッティは素直に投降。

 今は裸にマントという出で立ちで、目隠しされたオーギュストの横に正座させられている。


 オーギュストの奴、聞けば魅了の魔眼とかいう羨ま……けしからん能力持ちだったのだとか。

 皆に掛けられても困るので目隠しをさせて貰ったのである。

 ついでにジーンとアンディはチグサとケトルが回収して来た。

 にっちゃんが寝てたのには驚いたけど、にっくんすげぇわ。人間倒してやがりました。


「さて、いろいろ聞きたい事はあるけれど、素直に答えてくれるかしら? オーギュスト君?」


 ネッテがふぅと息を吐きながら告げる。


「分かってると思うけど、魅了の魔眼などを犯罪者や命を狙われた以外で使用した場合は例え王族であれ犯罪人となる。世界国王会議で全ての国の共通法律として決まったはずよね。確かトルーミング王国も参加していたと思うけど?」


「チッ」


 舌打ちするだけで答えようとしないオーギュスト。往生際は悪いようです。


「じゃあ、リアッティさん。なぜこんな事をしたの?」


「私は王子の護衛よ。彼の行動を止める権限はないわ」


「だからって悪事に手を染めるのはどうかと思うわよ?」


 ネッテの言葉にふてくされたようにそっぽ向くリアッティ。

 胸がこぼれそうにマントの隙間から見えるのが……役得です。

 心のカメラは既にフル稼働。ついでにカインもフル稼働で画像保存中です。ちょっと待て、そこのリア充。


 というか、ルクルとマリナがアルセと会話してる気がするのだけど、気のせいだよね。時折僕の事ちらっちらと見つめて来るのだけど、聞こえない。僕は何も聞こえないよ。

 なんか聞いてしまったら怖いから。


「おい、アメリス!」


 気がついたらしいジーンがアメリスに声を掛ける。

 眠っているにっちゃんを抱えていたアメリスは冷めた視線でジーンに振り向いた。


「何かしら?」


「お前に決闘を申し込む。学園規則にあるアレだ。互いに気に入らない結果をなんとか穏便にするための闘い。知ってるだろ」


 捕まってるというのに横柄な態度でジーン君が告げる。


「ええ。知っておりますわ。自分、あるいは冒険者学校の学生に代理で闘いをして貰い、負けた方が勝った方の言い分に従う。だったかしら?」


「俺が負けたら煮るなり焼くなり好きにしろ。だが、俺が勝ったらお前は大人しく俺の妻に成れ」


「どの口がいいますか兄さん……」


 さすがに呆れた口調のケトル。自分の兄の空気を読まない言葉に落胆の色を滲ませる。


「いいのか? 俺達は後がねぇんだ。これで負けたら悪事の暴露だろうが奴隷堕ちだろうが好きにすればいいさ! だがな。この決闘を受けねェってなら、国同士の決戦だ。ネッテ王女、わかるよな? あんたらは今、トルーミングとフィグナートの王族を拘束してんだぜ?」


 痛いところを突かれる。

 例え犯罪人とはいえ、今は王族。しかも他国の王族なのだ。

 相手国次第では確かに戦争に成りかねない。

 そして、その相手国は戦争をふっかけかねない危険な国だったりもする。


 ネッテは少し緊迫した顔で考え込む。

 しかし、クラスメイトとなると、少々危険がある。

 相手はおそらくオーギュストになるだろう。

 葛餅を場外に叩きだす実力を持っている存在だ。

 対抗できるのはきっと……チグサだけだ。


 けれど、一つ問題がある。それが、チグサがフィグナートの英雄であるという事実。

 英雄がフィグナートの王子と敵対したというのは、例え決闘といえども醜聞が広まるだろう。

 実に面倒臭い闘いだ。


「いいぜぇ、それなら俺からも条件付けるぜ。俺らが負けたら俺らも素直に罪を認める。学生全員の前で大声で罪の告白してやるよ。代わりに、そっちが負けるようならリエラは俺が貰う」


「なっ!?」


「ついでに、この決戦はお前らの対戦者はリエラにして貰うぞ」


「ふざけんなよテメェ」


 カインがオーギュストの服を掴みあげるが、オーギュストは不敵に笑うだけだ。


「だからよぉ、お前ら。俺にこれ以上傷入れて見ろ。トルーミング王国はすぐさまマイネフランを攻め滅ぼすぜ?」


「テメェ……」


 苛ついた顔だったが、カインはそのままオーギュストを放す。


「リエラ。目にモノ見せてあげましょう」


「……え? あ、アメリスさん?」


「こいつらに目にモノ見せてあげましょう! わたくしも正直、初めてですわ。ここまで怒りが込み上げてきたのは! にっちゃんをよくもっ」


 ええ、そっち!?


「こうなれば、決闘で勝ち、フィラデルフィラル家の全力を持って王族から蹴落として御覧に入れますわ。お父様が」


 あの親父さんなら普通にしそうですね。

 しかし、皆は気付いていなかった。ジーンの顔が喜悦に歪んでいることに……

 っていうか、リエラで本当に大丈夫なんですか皆さん?

 そこ、普通に大問題でしょう!?

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