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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 そのダンジョンで起きた悲劇を僕は知らない
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その船乗りの長の必殺を僕は知りたくなかった

14日です。

……ええ。それだけですよ。他意はないです。

お母さまから頂きました。ええ、それだけの日ですよ。orz

「ったく、なんて最悪な場所だ。カレー塗れにされるとか」


「オーギュスト様、結構いい塩梅で穢れてます感がでてましたよ。私はそういうプレイもありだと思います」


「黙れ変態」


 フォローのつもりだろうか? なんか変なことをくっちゃべってるリアッティさんを一言で押し黙らせ、オーギュストは溜息を吐いた。

 気合いを入れ直すように頬を叩いて顔を上げる。


「そろそろだったな。全員準備は良いな?」


「当たり前だ」


 オーギュストとジーンは互いに頷き、それぞれのターゲットへと向かって行く。

 オーギュストはリエラに、ジーンはアメリスへと話しかける。

 苦手意識もあり困ったような顔で受け答えるリエラ。

 アメリスも若干不機嫌そうだ。


 そんな彼らのもとへまたも魔物が現れる。

 天真爛漫な顔立ちをした金髪ショートカットの少女。

 セーラー服を着て笑顔で走り寄って来ると、ジーンに突如飛び蹴りを放った。


 完全に攻撃が来ると思っていなかった彼は無防備に受け入れる。

 ごっふと王族に似合わない声を吐きだしていた。

 ナイス少女!

 僕とネフティアは思わずグッドマークを作っていた。


「来たわねマリナーマリナ! それに……マズイ。艦長が居るわ!」


 ネッテの言葉にそちらを見ると、マリナーマリナが駆けて来た方から帽子のツバを深々と被った髭面の男がゆっくりと歩いて来る。

 まさに艦長。といった容姿。

 彼はリアッティへと走りだす。


「アンディ、守りなさい!」


「へいっ」


 魔法詠唱を始めるリアッティ。

 アンディの一撃が艦長を捉える、その刹那。

 アンディの攻撃を軽々躱すと、ギキュっと身体を反転させてアンディの背後に回る。

 深くしゃがみ込み、両手をがしりと合わせた。


 人差し指と中指だけを残して握り合い、まるで印を組んでお経でも唱えるのかと思える手つき。それを思い切り振り被り、真下から掬いあげるようにアンディの尻に……押し込んだ。


「ひぎっ!?」


 想像外の攻撃。まさかのカンチョーに一瞬、そこにいた全ての生物が動きを止めていた。

 って、そうか、こいつ、艦長。

 マリナーマリナ、クルー・ク・ルー。デッキでっ木。つまり、そういう事らしい。

 こいつの名がわかった。浣腸艦長だ!!


 まるで銃口の硝煙を吹き消すようにふっと息を吹きかけ。両手を解放する浣腸艦長。

 アンディは白目を向いて泡を吹いている。

 可哀想に……


 次の獲物はリアッティらしい。

 さすがに危機を感じたリアッティが魔法を唱えるが、浣腸艦長は気にせず避けると接近していく。

 そして懐から何かを取り出し……イチヂク型の浣腸じゃないか!?

 サァっと血の気が引いたリアッティ。

 そこにフォローしに入るにっくん。


 世話が焼けるな。とばかりに現れた最弱の魔物に、浣腸艦長も困った顔をしている。

 だが、にっくんが魔法を使った瞬間、浣腸艦長は彼を敵と認めた。

 無数の弾丸を喰らいながら接敵と同時ににっくんの背後に回り込み、尻にカンチョーを……

 そして彼は愕然とした。


 尻が……ない!?

 カンチョー体勢のまま立ち止まる浣腸艦長。

 自分のアイデンティティともいえるカンチョー攻撃が出来ない。

 これはあり得ない。

 しかし、スキルが発動しない。なぜならにっくんに排泄器官が無いからである。


 呆然とする浣腸艦長をにっくんがハメ攻撃。

 ただただ呆然としたまま浣腸艦長はラ・ギの雨に沈んで行った。

 うん、にっくんやにっちゃん、あと葛餅が闘えばこの浣腸艦長は楽に倒せそうだ。


 唯一の被害者になむ~しつつ、僕はマリナーマリナを見る。

 普通の女の子にしか見えない彼女は、武器も何も持たずの肉弾戦でケトルと闘っていた。

 離れた場所からドロップキック。

 中距離の蹴り技に、跳躍してからの空中蹴り。

 攻撃にバリエーションは無い物の、素早い動きで皆を翻弄しつつ攻撃を加えている。


「カインさん」


「どうしたレックス?」


「俺、この洞窟じゃ闘えそうにないです。マリナーマリナとかクルー・ク・ルー相手に切り結べる自信が無いです」


「だろうな。俺もだ。女性体は女性に任せようぜ」


「はい。じゃあ、僕らはアレを」


 二人の向いた先には、戦闘音を聞き付け現れた空飛ぶ魚の群れ。

 イワシかな? 小さいし弱そうだが数が多い。

 数千匹いるんじゃないかと思う程の多さだ。


 まぁ、カインたちは真空波斬などの遠距離攻撃で近づいてくる前に軒並み削っており、接敵するときには既に五十匹程になっていた。

 アルセが楽しげにネギソード持って魚を追いかけまわしているが、それ以外は落ち付けたようだ。

 うん。やっぱり人数過多だと思います。暇持て余してる魔物どもが遊んでますよ。

 のじゃ姫とか、ガルーの筋トレをぼぉっと眺めていらっしゃった。

  マリナーマリナ

 ・金髪ショートの元気娘。セーラー服を風になびかせドロップキックで相手に襲い掛かる。

  足癖が悪く、初見の相手には必ずドロップキックをお見舞いする少女型の偽人。

 種族:偽人 クラス:海兵マリナー

  偽人:人と似ているが魔物として存在している意思疎通不可能な魔物たち。ただし、ニンゲンたちが知らないだけで彼らにも意思はあるらしい。

  海兵:海上戦において通常よりもステータス強化がされるクラス。

 装備:スパイクシューズ、海兵服

 スキル:

  ドロップキック:両足揃えての飛び蹴りを繰り出す。

  ハイスピードセーラースパイラルシェイクキック:水中専用ドロップキック。水中でのみ威力が数倍に跳ね上がる。

 常時スキル:

  初顔合わせのドロップキック:初めて見つけた相手にドロップキックを行いたくなります。

  愛するあなたにドロップキック:見染めた相手にドロップキックを行いたくてたまらなくなります。

  肉体強化Lv32

  体術Lv10

  加速Lv21

  愛情一筋

 種族スキル:

  水中弾丸:水中で泳ぐ姿は弾丸のよう。

  海強化:海での闘いに+補正。水属性の戦場でも有効。

 ドロップアイテム・ドロップキック指南書、スパイクシューズ、海兵服、浮き輪


 浣腸艦長

  種族:偽人 クラス:海兵マリナー

 ・白い帽子に船長服。煙管を吹かすダンディーなおじさんの姿をした偽人。

  なぜか執拗に尻を狙って浣腸を行って来る。

 ドロップアイテム・浣腸液、艦長服、煙管

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