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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その山頂に輝く悪夢の木を僕は知りたくなかった
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その猿が死んだ理由を彼女は知らない

  カイン・クライエン

 種族:ニンゲンG クラス:勇者

  ニンゲンG:ニンゲン族万能成長型

 二つ名:ネッテの勇者

  ネッテの勇者:勇者補正のハーレムパーティー、女性加入イベント成功補正が使用不能になるかわりにネッテに関してのみラッキーイベント、イベント率増加、勇者補正超強化。

 装備:鋼の剣、ロングソード、白銀の胸当て、シルバーグリープ、アルセソード改、魔銃、回復魔弾×198、状態異常回復魔弾×100、折れたアルセソード

 スキル:

  真空波斬:剣閃に真空波を発生させる技。

  ステータスブースト:ステータスを一時的に増強させる。

  音速突破:音速を突破する速度で移動できる。

  千進突牙斬:千の連撃を叩き込む勇者専用技。

  烈空破斬:剣閃に空気を切り裂く真空波を発生させる技。

  貴女のための英雄譚:ネッテのネッテによるネッテのためだけの勇者専用技。

 常時スキル:

  肉体強化Lv9

  剣術Lv10

  毒耐性・中

  魅了無効

  麻痺耐性・小

  恐怖耐性・小

 種族スキル:

  クリティカル発生率・小

  英雄の背中:背後に守る者がいた場合、不退転になる代わりに全能力に+補正。またくいしばりが連続発動する。

  勇者の心得:勇者としての心構えを習得した証。クラスが勇者になる。

  出待ちの心得:仲間の危機に颯爽と現れる心得。味方の危機に現れることで能力に+補正が掛かる。ネッテの危機に対してのみ全能力超強化。

  勝利の女神:ネッテを守る闘いにおいてどのような絶望であれ、ネッテの生存中は必ず勝利するまで死ぬ事が無くなる。


 ……あっれぇ? なんちゃって勇者がなくなっただけでなんでこうなる?

 ネッテに対してのみ能力増加って。ネッテ専用勇者ですか!?

 ネッテのネッテによるネッテのためだけの勇者専用技ってなんだよ!? カインの名前一つも入ってないし意味がわからんしっ!

 カインがバグった! なんか致命的なバグり方したっ。


 ぼ、僕のせいじゃないよね? 違うよね?

 ね、ねェ誰か、僕のせいじゃないって言ってよ。なんか気が重いよ。誰かこの重圧一緒に背負ってくれない。ねぇ、誰か僕に気付いてくださいっ。

 ……当然、誰も気付いちゃくれなかった。


 それからしばらく。

 ようやく移動を始めたのは、空が黄昏に染まりだした時だった。

 思いのほか長く居てしまったらしい。


 五人の熊に手を振って。僕らは頂上を後にする。

 ネッテは何とか振り払おうとしていたが、結局左腕にルルリカを巻き付けた状態での下山となりました。

 カインが苦笑しているのだけど、その背後でもう一人、ちょっと思いつめた顔をしだした人がいます。

 そう、カインに彼女ができることを良しとしていないもう一人の女。メリエさんです。

 ついに修羅場が始まってしまうのか。今から戦々恐々です。しかも三角関係じゃなく四角関係?


 アンギャートビスの縄張りまではスカイベアーが護衛に付いて来てくれたので行きよりも楽に戻ることが出来た。

 中腹までに出て来た魔物も鹿か山羊だけだったので問題は無い。

 またマウンテンゴリオさんが出て来てたけど、何処からともなく現れたティディスベアに群がられてたし。


 スカイベアーに見送られ、中腹に差しかかると、さっそくやってくる猿軍団。

 皆再びこいつらか。と思いつつも行きよりはやり方を覚えたので楽そうだ。

 僕とアルセもゆっくり見学できるくらいには余裕がある。


 ……?

 あれ? なんだあの猿?

 ミーザル。イーワザル。キカザールとはまた違った猿が叢からカインたちを覗いております。


 ねぇ、アルセ、見て見て、あそこに猿がいるぞ?

 アルセの首を動かし視線を向けさせてみると、アルセが「おー?」と声をあげた。

 何だあの猿? みたいな声だろうか?


 その猿はアルセの声に気付いてこちらを見る。

 アルセと目があったその瞬間、「ウキャーーーーっ!?」と叫んで叢を揺らした。

 逃げた? と思いつつもアルセと近づいてみると、そいつはまだその場に居た。


 いや違う。

 なぜか股間を隠して絶望した顔で気絶して……あ、あらいやだ。……死んでる。

 え? あれ? なんで?

 魔物図鑑で見てみると、シ・ザルという名前の猿でした。

 クラスがトリオモンキーじゃなくてシークレットモンキーになってる。

 ついでに、即死攻撃を持ったアサシンタイプの魔物らしい。

 発見されるとあまりの羞恥で股間を隠して恥死するそうだ。


 ……何その猿。良く今まで生存出来てたな。

 僕はドロップアイテムのデスナイフと運命のサイコロというよくわからないアイテムを入手。

 恥ずかしい秘密♪ とかいう謎のアイテムもあったけど、これはとりあえず触らない方向で。


「アルセー、何してるの? そろそろ行くわよー」


「おーっ」


 アルセが元気よく答えて僕の裾を引っ掴む。

 はいはい。一緒に行こうねアルセ。そんなに引っ張らなくても行くってば。

 アルセと二人手を繋ぎ。僕らは北の山を後にするのだった。

 シ・ザル

  種族:魔猿 クラス:シークレットモンキー

 ・トリオモンキーのいる場所に人知れず存在する隠密ザル。

  即死系攻撃を持っているがあまりにも臆病なため滅多に戦場に向う事は無く、近くの森や遮蔽物に身を隠し戦場を見守る。

  発見されるとあまりの羞恥で股間を隠して恥死する。

 ドロップアイテム・デスナイフ、運命のサイコロ、恥ずかしい秘密♪

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