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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その山頂に輝く悪夢の木を僕は知りたくなかった
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その山頂のボスを、僕らは知りたくなかった

「お、ようやく山頂か。あそこに見える木が頂上の証らしいぞ」


「ここまで登ったのは初めてね。ジェーンさんはどう?」


「いえ、さすがにスカイベアーからこちらは初めてですわ。あなたたち本当、ベテラン冒険者以上ですわね。普通はあの闘いで危険を察して下山するものですわよ。ボス的キャラクターといってもこの山の守護者ではないのですから」


「へ? スカイベアーがボスじゃないんですか!?」


 アカネの言葉に反応したのはリエラだ。

 パルティたちも驚いていることからして、殆どが知らないらしい。

 僕も驚いていいですか。あのスカイベアーで終わりじゃないの?


「スカイベアーはここのボスキャラクターの一角よ。全部で、確か五体いたかしら? スカイベアーとティディスダディとフレイムベアー、アクアリウスベアーと……あとなんだったかしら?」


 うん、あんな化け物級のボスがまだ四体もいると。

 僕ら、生きて戻れるんですかアルセさん?

 既に軒並み大ダメージ受けてますよ。とくにネフティア。


「お、おい、来たぞ冒険者!」


 ランス王子が背負ったルルリカをかばうようにカインたちに告げる。

 彼らの目の前に現れたのは……水です。水で出来た透き通った熊のぬいぐるみみたいなのが近づいて来ている。


「アレがアクアリウスベアーか」


「身体が水で出来てるのかしら? だったら物理攻撃よりは氷結魔法の出番ね」


 と、詠唱を始めるネッテだけど、アクアリウスベア―は背を向けるとさっさと来い。といったジェスチャーをして去って行った。

 肩透かしを喰らったような面々は、互いに顔を見合わせ歩きだす。


 どうやらさっきのスカイベアーが何かしらの話をつけたようだ。

 アルセは一体何を告げたのやら。

 たぶん、ニュアンスからしてあなたたちに危害を加えるつもりはないとかだと思うんだけど。


 皆が歩きだすと、周囲からわらわらと何かが湧いて来た。

 なんだ!? と警戒する彼らのもとへ近づいてくるのは、ティディスベアという名前の小型のぬいぐるみグマ。二足歩行で血染めの包丁を持ってます。

 一部お腹部分が裂かれてハラワタの代わりに綿がでてるんだけど、これはぬいぐるみでいいのだろうか?


 ランス王子がそちらに警戒の視線を向けると、ニタァっと笑みを向けるティディスベアの群れ。

 どうも護衛役らしい。

 近づいて来たゴリオさんをティディスベアの群れが飛びかかって撃退していた。


 いや、もう、凄いんだ。赤ちゃんくらいの大きさの熊のぬいぐるみが巨大なゴリラに集って行く様はもう、軽くホラーです。

 ほら、カインたちも凄く青い顔しだしたじゃん。のじゃ姫だけは何か思いついたらしく期待に満ちた顔しだしてるけど。まさか、殿中でござるたちで同じことさせたりしないよね?


 しばらく進むと、切り立った崖の様な広場へとやってきた。

 目の前には物凄く目立つ木が一本。

 周辺には無数の雑草が生えそろい、五体の熊のぬいぐるみみたいのが木の根元に待っていた。


「なんか、凄いことになってるな。ボス全員集合か」


 スカイベアーに全身が燃えている熊が真っ黒に炭化したようなフレイムベアー。アクアリウスベアーに巨大なティディスベアことティディスダディ。両手に持ってるのは……肉切り包丁かな? デカイ包丁が一対です。


「ああ、そうだわ。思い出した。最後のベアー。ゴールデンベア―よ。こいつを守るために他のベアーたちが死力を尽くして守っているのよ」


 中央に存在するのが眩いほどに輝く金色のベア。ゴールデンベアーだそうです。

 全身が純金でできているので売ればまさに億万長者。

 滅多に存在しない魔物なのでレア度も高く、生きた状態ならまさに金のなる木なのであります。


 スカイベアーが僕らを倒しに来たのはおそらくゴールデンベアーを守るためのようだ。

 そこに気付いたアルセが僕らの狙いが別なのだと告げたのだろう。

 やぁ、ようこそ。といった具合にスカイベアーが代表して両手を広げてみせる。


 うん、その、ベアーたちについては問題無いんだ。

 僕も、そしておそらく他の人たちも、ただただ呆然と一点を見つめて呆然としていた。

 ベアーたちの頭上に存在する一本の大木。

 そこに生い茂る葉っぱたち。いや……人間の手の群れ。


 は、ハンドツリーがこんな所に!!?

 キモッ。図鑑で見たよりずっとキモッ!?

 そして迷いなくマーブルアイヴィを発動して葉っぱのところまでのび上がるアルセさん。

 まさか、ダメだアルセ、それはダメ。食べちゃらめぇぇぇぇっ!!?


 僕の制止は遅すぎた。アルセが無数の手と思われる葉っぱを一枚千切り、口にする。

 あああああああああっ、またアルセが変な変化してしまうっ。

 アルセかむばぁっくっ!!


 そしてアルセが光に包まれた。

  アクアリウスベアー

・水で出来た熊のぬいぐるみ。みたいな生物。

 流れるように気まぐれでゆったりとする事が好きな冷静熊。

 とりあえず、できるなら何もしたくない思想の持ち主。

 種族:魔熊 クラス:水王・水熊

  魔熊:魔物化した熊。

  水王:水魔法をマスターした者が就ける職業。

  水熊:水と一体化することで水棲を得た魔熊たち。

 二つ名:ハステルラ山の五熊王、逆落とし土石流

  ハステルラ山の五熊王:ハステルラ山を縄張りにしたボスキャラクター。

  逆落とし土石流:時折麓まで蜂蜜取りに出かける姿を冒険者が名付けた二つ名。

 装備:フレアタリスマン

  フレアタリスマン:火属性に対して耐性を得る。

 スキル:

  集中:精神を統一して命中率などを増加させる。会心の一撃がでやすくなる。

  王の咆哮:気合いを入れる事で相手の威嚇を跳ね退ける。攻撃力増大。

  ベアストレート:全身全霊の右ストレートを放ちます。

  ベアフック:全身全霊のフックを放ちます。

  ベアアッパー:アッパーカットでダメージを与えます。

  水魔法:水魔法の殆どを扱う事が出来ます。

 常時スキル:

  状態異常無効

  命中率補正・中

  肉体強化Lv4

  体術Lv8

  七大罪・怠惰:???

 種族スキル:

  冬眠:食料を蓄え凍結します。

  魚類特効:魚系生物への攻撃に+補正。

  蜂類耐性:蜂系生物からの攻撃を50%低下させる。

  液状化

  火炎脆弱:火属性に脆弱になる。

  物理攻撃無効:水でできているので物理攻撃が効きません。


  フレイムベアー

・炎に包まれた出来た熊のぬいぐるみ。みたいな生物。

 熱血的で気性が荒いがゴールデンベアーには一番の忠誠を持つ。

 積極的に敵は滅ぼすタイプ。

 種族:魔熊 クラス:炎王・炎熊

  魔熊:魔物化した熊。

  炎王:火魔法をマスターした者が就ける職業。

  炎熊:炎と一体化することで炭化した魔熊たち。

 二つ名:ハステルラ山の五熊王、熊型インフェルノ

  ハステルラ山の五熊王:ハステルラ山を縄張りにしたボスキャラクター。

  熊型インフェルノ:冒険者が名付けた二つ名。インフェルノっぽい熊だから、らしい。

 装備:ウォータータリスマン

  ウォータータリスマン:水属性に対して耐性を得る。

 スキル:

  集中:精神を統一して命中率などを増加させる。会心の一撃がでやすくなる。

  王の咆哮:気合いを入れる事で相手の威嚇を跳ね退ける。攻撃力増大。

  ベアストレート:全身全霊の右ストレートを放ちます。

  ベアフック:全身全霊のフックを放ちます。

  ベアアッパー:アッパーカットでダメージを与えます。

  火魔法:火魔法の殆どを扱う事が出来ます。

 常時スキル:

  状態異常無効

  命中率補正・中

  肉体強化Lv8

  体術Lv11

  フレイムボディ:常に燃え盛る身体なので触れた相手に火傷の熱傷ダメージを付加します。

 種族スキル:

  夏眠:食料を蓄え灼熱します(笑)。

  魚類特効:魚系生物への攻撃に+補正。

  蜂類耐性:蜂系生物からの攻撃を50%低下させる。

  発火装置:燃焼剤が近くに有ると一気に燃えます。

  水空脆弱:水、空気属性に脆弱になる。

  打撃反射:拳による攻撃には火炎の反射ダメージを与えます。


 ティディスダディ

・巨大な熊のぬいぐるみ。みたいな生物。

 ティディスベアたちを指揮する固体であり、彼の統率するティディスベアは魔王すら狩るという噂がある。

 種族:魔熊 クラス:熊王、リビングぬいぐるみ

  魔熊:魔物化した熊。

  熊王:熊を統べし王。彼の命令により全てのティディスベアが喜んで動き出す。

 二つ名:ハステルラ山の五熊王、魔王殺しキングスレイヤー

  ハステルラ山の五熊王:ハステルラ山を縄張りにしたボスキャラクター。

  魔王殺しキングスレイヤー:魔王を倒した者が手に入れる二つ名。魔王特攻属性が付与される。

 装備:肉切り包丁、肉切り包丁

 スキル:

  集中:精神を統一して命中率などを増加させる。会心の一撃がでやすくなる。

  王の咆哮:気合いを入れる事で相手の威嚇を跳ね退ける。攻撃力増大。

  急所突き:相手の急所を的確に突きます。

  解体:動けない相手を三枚に降ろします。

  肉叩き:包丁の裏で連続叩きを行う事で相手の肉を軟らかくします。

  千切り:相手を細く切り刻みます。

  みじん切り:相手を細かく切り刻みます。

 常時スキル:

  状態異常無効

  肉体強化Lv9

  体術Lv4

  料理Lv20

 種族スキル:

  魚類特効:魚系生物への攻撃に+補正。

  蜂類耐性:蜂系生物からの攻撃を50%低下させる。

  食材取得率Up:解体することで相手から食材を得やすくなります。

  指揮Lv53

 ドロップアイテム・肉切り包丁、綿、茶色い布


 ティディスベア

  種族:魔熊 クラス:リビングぬいぐるみ

 ・普通のぬいぐるみと違い、手には血塗れの鉈。腹は真ん中がぱっくり開き綿がはみ出ている個体も居る。

  群れる魔物だが、周囲に必ずティディスダディが存在し統率していると言われている。

  群れる事で強敵すらも狩る魔物。出会えば死亡は必至だと冒険者たちからも恐れられる集団。

 ドロップアイテム・血塗れの鉈、綿、茶色い布


  ゴールデンベア―

・純金で出来た熊のぬいぐるみ。みたいな生物。

 無数の種族から狙われる薄幸の姫熊。

 金属なのでかなりの重量。

 種族:魔熊 クラス:金王・純金熊

  魔熊:魔物化した熊。

  金王:金の熊姫。姫じゃなく王なのは他の四王に認められたから。

  純金熊:金で出来た魔熊たち。

 二つ名:ハステルラ山の五熊王、生きた財宝

  ハステルラ山の五熊王:ハステルラ山を縄張りにしたボスキャラクター。

  生きた財宝:冒険者が名付けた二つ名。その身を売る金額だけでも一生遊んで暮らせます。

 装備:姫の冠

 スキル:

  集中:精神を統一して命中率などを増加させる。会心の一撃がでやすくなる。

  王の咆哮:気合いを入れる事で相手の威嚇を跳ね退ける。攻撃力増大。

  ベアストレート:全身全霊の右ストレートを放ちます。

  ベアフック:全身全霊のフックを放ちます。

  ベアアッパー:アッパーカットでダメージを与えます。

  グラビトンプレス:重量を駆使した致死の一撃。

 常時スキル:

  状態異常無効

  肉体強化Lv4

  体術Lv1

  超重量:あまりに重いため速度にマイナス補正が付きます。

 種族スキル:

  冬眠:食料を蓄え冬眠します。

  魚類特効:魚系生物への攻撃に+補正。

  蜂類耐性:蜂系生物からの攻撃を50%低下させる。

  純金製:換金アイテム。売ると巨額の富を手に入れられます。

  超硬質:物理攻撃に耐性を得ます。

  金糞:排泄物も全てお金に変える価値があります。

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