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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その山頂に輝く悪夢の木を僕は知りたくなかった
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そのカレー臭の原因を、僕は知りたくなかった

 翌朝、僕は学園の校門前に居た。

 アルセ達も全員集合です。

 そんな僕らのもとへ、今、寮の方から三人の男がやってくる。


 一人はレックスだ。寮住まいだからそっちから来たのだろう。

 他の二人は寮仲間かな?

 なんかそのうちの一人がネフティアに気付いて隊長、お勤め御苦労さまです。とかふかぶかと礼をしていた。

 ネフティアが無言でグッドマークを作ると感激したように再び礼。ありがとうございますっ。って何に対してのお礼?


「じゃーな、D・レックス」


「俺らは友達に誘われてっから、これからサファリ洞窟に行くんだ」


「俺、このダンジョンクリアしたらライカに告白するんだ」


「おい、止めろランドリック、お前またフラグとかいうの建てただろ!?」


「はっ!? な、何のことだD・レックス!?」


「お前変な言葉吐く時顔がドヤァッって顔になるんだよ! 一人で言って一人で優越感浸ってますって顔だ」


 あー。分かる気がします。名言吐くとちょっと嬉しくなるんだよね。あの名言を今、僕が言っているっていうなんか優越感があるんだ。

 というか、ランドリック君や、今の名言だけど死亡フラグだからね。


「おー。お前らサファリ洞窟行くのかよ。だったら絶対にボナーがでたら武器しまえ、攻撃はするな」


「え? でも魔物相手に武器しまったら殺されません?」


「先輩冒険者の言う事だ。疑問に思っても実践しておいて損はないと思うぞランドリック」


 カインが見かねたのか彼らに寄って行って内緒話。

 見る見るうちに顔を青くするランドリック君ともう一人。

 「と、いうわけでボナー見かけても絶対に手を出すな」というカインの言葉に激しく同意していらっしゃった。

 そこまで危険なの? その相手。


「あ~。皆さん早いですね~」


 少し遅れてルルリカとランス王子のおなぁり。

 相変わらず人目憚らずいちゃついてます。

 くっそ、あんな悪女でもすぐ隣で腕組めるとか、くっそ。リア充ェ……


 ルルリカたちが来たので、ランドリック君たちが去って行く。

 どうでもいいけどレックス君や、Dというあだ名は何の略?

 ちょっとカッコイイよねD・レックス。まるで肉食竜みたいだ。


 一番最後に実家の都合でちょっと遅れたパルティが息を切らせてやってきた。

 御免なさい、待った? 膝に手を付いて息を整えるその姿、激らぶりーです。

 いいなぁ、彼女とのデート待ち合わせとか、凄い萌えそうです。

 全然待ってないよとか、一時間くらい待って言いたいです。


 「遅かったなパルティエディアさん」とか、不躾なD・レックスみたいなことは言いたくない。

 とにかく、これで全員揃ったかな?

 カイン、ネッテ、メリエ、リエラ、アルセ、ネフティア、のじゃ姫、にっちゃう、葛餅、ルグス、アカネ、アメリス、にっちゃん、レックス、パルティ、ルルリカ、ランス。

 うん、凄い大人数です。


 ……あれ? そういえばもう二人来てないぞ?

 と、思った瞬間、来ました。

 全力疾走だけどパルティみたいに息を切らせてないチグサとケトルだ。


「済みません、王子が珍しく行きたい行きたいと駄々を捏ねて来たもので、妖しかったので素巻きにして撒いて来ました」


 ジーン君……

 というか、チグサさん、王子素巻きにして大丈夫なの? ああ、勇者だから出来るのか。勇気あるなぁ。

 まぁ、今回彼らの妨害は無さそう。と見ていいのかな? それだけは救いだろうか?

 いや、目に見えなくなった分リエラに注視すべきだろうか?


「アメリスさん、なにやら兄が画策しているご様子、存分に注意してください」


「大丈夫ですわ。にっちゃんが守ってくださいますもの。ねぇ、にっちゃん」


 だが残念、既ににっちゃんはアメリスに拘束されており身動き取れません。

 押された肉がなんともいえない状況になってます。

 ただ、触り心地は良さそうだ。


 にっちゃんは不服な顔すらできてない。

 アメリスの細腕に拘束され、顔が膨らんでいるので表情が作れないのだ。

 というか、にっちゃんの顔が破裂しそうな膨らみようなんですけど、これ大丈夫?


 とにかく、皆が揃った。ということで、僕らは北の山の麓へとやってきた。

 一応ここにも担当者みたいなのがいるらしく、学生は証を見せてから向うようだ。

 アルセが笑顔で許可証見せて、案内役の人が顔を綻ばせてるのがほんわかしててよかった。


 麓は木が生い茂っている。

 道が出来てるから森という程ではないので、林かな?

 皆で歩いているので魔物も警戒したのか全く出て来る気配がない。

 しばらく歩いて行くと、なんだろう。凄く香ばしいというか……カレー?

 なんかカレーの臭いが漂ってくるよ?


「にゃー」


 何かが聞こえた。

 林の木々の間に、それはいた。


「れーにゃー」


 一本の細い木の幹から、こちらを覗いている茶色い物体。二足歩行の猫みたいな何かがそこに居た。

 鳴き声こんな感じにしてみました。

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