表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その山頂に輝く悪夢の木を僕は知りたくなかった
354/1818

そのダンジョンの話を、僕は知りたくなかった

「行けるのは……サファリ洞窟とカイヘイ洞窟、英雄迷宮と時代劇の逆塔もか。私の時代だと三つだったのに、サファリ洞窟も増えたのね。いいのかしら、あそこトラウマ製造機なのに」


「女、トラウマ製造機とは、どういうことだ?」


「ええ、それは……って、あなた誰?」


「おー」


 怪訝に顔を歪めたネッテにアルセが笑顔でご紹介。

 多分意味は通じていません。


「これは失礼、つい先ほど、我が主アルセ様の従僕となりし不死者王ノーライフ・キングルグス・タバツキカと言う」


「ルグス……まさか千年以上前に伝わる狂人ルグス!?」


「おー?」


 アルセが驚くネッテとルグスを見比べている。ルグスに怒りマークが見えるのは僕だけかな? まぁ、いきなり狂人呼ばわりは酷いか。

 なになにどうしたの? って感じで両親の間に立つ子供みたいです。

 夫婦喧嘩は起こさないでねネッテさん。


「ほぅ、狂人とはまた面白い二つ名だな。何故その名が付けられたか聞いても?」


「え、ええ。確か、アネッタという少女に熱を上げて彼女の死後彼女を生き返そうと己の人生を捧げた狂人と書かれていたわ。確か、水晶勇者に討伐されたとか……」


「ふふ、フハハハハハハッ。なるほど、狂人か。あの程度で狂人呼ばわりならば水晶勇者は大虐殺人であろうに」


 一頻ひとしきり笑うと、一人納得したらしく、ネッテに向き直る。


「女よ、続きを話すがいい。ダンジョンについて、詳しいのだろう?」


「詳しいって程じゃないけど、カインと二人でよく潜ったしね」


 とりあえず、とネッテは地図上に指先を這わす。


「ここ、初めに潜るならこのカイヘイ洞窟ね。慣れてきたら英雄、時代劇。けど、サファリ洞窟には行かない方がいいわね。あと最初は一階層だけにしとくのをおススメするわ」


「先程からサファリ洞窟だけ何やらキナ臭いな」


「この洞窟、本来は冒険者になってから行くべき危険地帯なのよね。最初の方は確かに雑魚敵が多いわ、でも……ボノーだけは別よ。アレがいるからこの洞窟は危険なの」


「ああ、ボノーがいるのか。それは危険だな」


 何かを納得する二人。ボノーってどんな魔物?


「ボス戦を数回迎えたら後半の迷宮に入ってね、そこからはボノーはいないけどニコポナデポがいるから、魅了無効でも持ってないと攻略は無理ね」


 でたニコポナデポ。コリータさんが言ってた謎の生物だ。


「成る程、冒険者見習いではそこのダンジョンは危険か」


「多分、思いあがった見習いたちを矯正させるためのトラップダンジョンなのでしょうね。ボノー相手なら死ぬ事はないし……いろいろ危険はあるけど」


「うむ。サファリ洞窟に向うのならば常に迎撃態勢を行うのは阻止せねばならんな。威嚇行動だけでも反応して来るのだろう?」


 ルグスの言葉に頷くネッテ。その指先が別のダンジョンへと向う。


「こっちが英雄迷宮。出て来るのは迷宮戦隊レインボーセブンよ」


 何その戦隊ヒーロー。ああ、英雄迷宮だから出て来る魔物がヒーローなのか。

 バイクとか、乗ってる奴いるのかな? 辰真辺りが喜びそうだ。

 そんな僕の妄想を知らず、ネッテはさらに別のダンジョンを指差す。


「こちらは時代劇の逆塔」


 塔を逆にしたような小型迷宮だけど奥が深いのよね。

 地下に降りていくタイプで長期滞在の準備してかなきゃ攻略は無理。

 大体ダンジョンに慣れた冒険者見習い三年目が多いわね。

 とネッテが説明していく。


 僕もルグスも話を聞くだけだ。

 ……ん? アルセどうした? おお、それはまさか、ルグスが踊っていたあの踊りかいアルセ!?

 あ、なんか盆踊りに似てないかコレ?


「出て来る敵は上層部はうっかり御用だとか鍋奉行とかかしら。クロガネ金次は硬いから魔法使える仲間がいるでしょうね。あと、数階降りた先にいる一つ目小娘という階層ボスには気を付けて、泣きだした後の一撃はカインでも喰らえば一溜まりもないのよ」


 ネッテさん、たとえで使用する人物が間違ってます。

 カインが太刀打ちできないと言われてもはいそうですか? としか思えません。

 そこは敢えて辰真とかクーフを用いるべきです。


「それで、最後の洞窟が、おススメだったな?」


「カイヘイ洞窟。水系の魔物が出るんだけど、特に注目なのは偽人のマリナーマリナとクルー・ク・ルーね。下の階層に向う程偽人が多くなってくるわ。上部では空に浮かぶ魚とかが襲ってくるから気を付けて。下層部に降りたら周囲の壁が水になってるから、下手に突っ込むと溺れ死ぬし、そこからの急襲に常に気を張らないといけないけど、上層部だけならアルセの友達とでも十分攻略できると思うわ」


 有力情報ゲットです。でも、アルセ、本当にダンジョン行くの?

 が、アルセが踊りを止めて指差すのは、北の山。

 って、アルセさん、あなたが行きたいダンジョンってまさか……


「北の山? 確かに山もダンジョンだけど……」


 戸惑い浮かべるネッテに、アルセは満面の笑みを浮かべるのだった。

 あの話、本当に行く気だったんですねアルセさん……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ