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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その山頂に輝く悪夢の木を僕は知りたくなかった
351/1818

その敗北を、彼は知りたくなかった

 新年あけましておめでとうございます(>_<)ノ

 本年度もよろしくお願いします。

 あ~~~~け~~~~~お~~~~~め~~~~~((o(^-^o)(o^-^)o))♪


 零時より、救急車のサイレン聞こえ始める。

 一瞬の停電あり。

 そして地震w

 今年……大丈夫かorz

「恭順だと!? この我が貴様の元へ喜んで下ると思うのか!」


「私に? それはとんだ間違いです。あなたを撃退した者が誰か、あなたの目の前に居らっしゃるでしょうに」


 教頭先生がもはや不死王を見下した顔で威圧している。

 すげぇや。この人弱者には強気すぎる。

 しかもインテリクソ野郎な、感じでネチネチと不死王の不利をアピールしてさぁ、どうしますか? と分かりきった質問をして相手が頷くのを見下した笑みで見つめているのです。


 強者には卑屈に弱者には超強気に、もう、潔い程に分かりやすい性格です。

 あなたは既に詰んでいる。

 アルセ姫の不興を買うより、早々諦めて彼女と契約を結ぶべきでしょう。

 同等の契約? 今のあなたがそれを実行できると思っておいでで?

 敗者の契約は下僕でしょうに。


 アルセ姫の従者、ええ、あなたはペットです。畜生です。

 アルセ姫の従僕として彼女が足を舐めろと言えば舐め、死ねと言えば喜んで死ぬ。それがこれからのあなたの人生なのですよ。

 すばらしいですね不死王。まさに新しい人生の扉が開かれたではありませんか。


 退屈していたのでしょう。不死となりずっと虚空を漂っていたのでしょう。

 退屈のいらない新しい人生ですよ。ほら、迷う事などありません。あなたの様な強者では一生体験できないような最下層の生活です。

 喜んで受け入れるべきでしょう。


 それとも、私の様な男に討伐されたいですか?

 いえいえ、あなたを倒すのなら、全く無名の冒険者見習いの一人にさせますよ。

 パイォル君、ご指名だ、やっちゃってあげなさい。


 凄いノリノリで教頭先生が熱弁を振るう。

 ある意味悪役でヤラレ役な光景なんだけど、これ、放置しといていいんだろうか?

 さて、件のパイォル君なのですが、なんと八年目に突入しながらも何度も留年し未だに一年をやり直している気の弱そうな男であった。


 震える手で腰元のナイフを取り出し不死王へと歩きだす。

 嫌過ぎる。

 こんな小動物みたいな人に倒されるとか、不死王として不本意過ぎる末路だ。

 それはまさに人間がにっちゃうに敗北するということを意味している。


 何の武器も持たず搾取されるだけのにっちゃうに負ける。

 そんな不名誉な肩書を一生背負うのか、それともアルセと契約を結ぶのか、ルグスの逡巡はいくらもなかった。


「結ぶ、貴様と主従契約を結んでやるぞ緑の姫よ!」


 ヤケクソ気味に叫ぶとそのまま二人が光りを発してしまう。

 何が起こったのかと皆眩しさに目を細める。

 そしてしばらく、光が収まった先には、地面に降ろされたアルセと、それに傅く不死王が存在していた。


 うん、とりあえず図鑑で確認したけどアルセの従者になってる。アルセイデスの忠誠不死王スキルが追加されてます。

 アルセの方にも忠誠不死王の姫というスキルが追加されてます。

 僕がソレを確認すると、アルセが不死王に歩み寄って、その頭を撫で始めた。


 うわぁ、事情を知らない人が見たら恐れ多くて戦慄しそうな光景だ。

 ルグスも恥ずかしいのだろう。何か小刻みに震えている。

 恥辱に耐える不死の王。ふっ。安心してください、きっとすぐにアルセ好きになりますよ。


「ふぅぅ、し、死ぬかと思った……」


 教頭は覚醒モード? が解除され、元の冴えないサラリーマンっぽい雰囲気になると、その場にへなへなと座り込んだ。

 ソレを見た生徒達も同じようにへたり込む。

 皆生きた心地はしなかっただろう。

 何せ目の前で教頭が死に掛け、無礼でおじゃるが一人逝ったのだから。


「のぉじゃあああああああ!!!」


 そして、彼らを放置してマイペースに召喚を続けていたのじゃ姫。

 召喚されたらしい殿中でござるや無礼でおじゃるが彼女の背後に八体くらい居るのだが、あれは全部召喚失敗か?


「!? の、のじゃ!!」


 光が収まる。魔法陣から姿を露わしたのは……おお、ござるでもおじゃるでもないぞ。

 黒装束に鎖帷子、黒い布で顔を隠した黒尽くめの男が傅いた状態で現れると、感動するのじゃ姫に顔を向けた。


「にんっ」


 そして一瞬後、バッと跳んだと思った途端に姿を消した。

 どうやらどこかに去ったようだ。


「のじゃ!?」


 待つのじゃ! とのじゃ姫が慌てるが、謎の偽人はそのまま帰ってくる事はなかった。


「ふむ……そこの魔物よ。召喚を行っているようだが、それでは特定偽人しかでてこんぞ?」


「のじゃ?」


 アルセから解放された不死王が、泣き崩れるのじゃ姫に気付いて浮遊しながら移動する。

 そして何らかの説明を行うルグス。

 言われるままにのじゃ姫が意識を集中し、「のじゃぁ!」と召喚。

 そして……おお、今度こそ普通の召喚が!


「がるぅー」


「おや、ガルーの召喚に成功しましたか。上出来ですね。雑魚ではありますが」


 教頭も不死王から敵意が消えたおかげか近寄って来た。

 この人、本当に弱者には強気だよね。 

  影からニンニン

・全身黒尽くめの忍び装束を着た偽人。

 どこからともなく現れ主を守る。敵を見付けると「にんっ!」と叫びながら襲いかかって行く。

 敗北を悟ると周囲を巻き込み自爆する。

 種族:偽人 クラス:丁髷族

 種族スキル:

  影からニンニン:自分の影から影からニンニンを多数呼び出す。

  分身でござる:分身の術を行う。

  こちらでござる:変わり身の術で攻撃を回避する。

  五行術でござる:火遁、土遁など五行の術を使う事が出来る。

  しのぶでござる:攻撃を受ければ受ける程攻撃力に+補正。

  ムササビでござる:高所から落下する際、布を使って飛行する。

  さらばでにんにん:戦況が不利になると爆炎石を使用して爆死する。

 ドロップアイテム・忍刀各種・忍び装束・爆炎石・マキビシ・クナイ


  ガルー

・コルッカ周辺の平原やダンジョンに出没する下級魔獣。

 あまりに弱いため、にっちゃうと同列に扱われるが、攻撃力はあるためにっちゃうと闘うと勝利するくらいの実力は持っている。

 でも新人用の魔物退治練習に使われる程に弱い。

 種族:ガルー クラス:ガルー

 スキル:

  飛び跳ねる:ただ飛び跳ねたいあなたのためのスキル。追加効果なし。

  体当たり:自身自らを使い敵にダメージを与える技。スキル後硬直あり。

  蹴り:足技スキル最下級の技。

  ぱんち:手技スキル最下級の技。

 常時スキル:

  なし

 種族スキル:

  有袋類:お腹に袋を持つ生物。異次元には繋がってません。

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