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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第五部 第一話 その貴族の悪意を奴は知らない
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そのバグの強さを、僕は知りたくなかった

「ええい、自壊せよ!」


 ボナンザ先生が土塊ゴーレムを自壊させようと魔法を唱える。

 しかしゴーレムが壊れることはなかった。


「魔力パスが切れとる!? 誰かに乗っ取られたか!?」


 すいませんすいませんすいません。本当に出来心やったんです。


「ラ・グ!」


 パルティが雷撃を放つ。

 直撃したゴーレムは、しかし傷を負った様子もなく前進を始める。

 ソレを見たパルティは小型ボウガンを取りだし矢を放つ。


「一気に行くぞ!」


 レックスも矢に当らないように走り出す。

 その横を並走するネフティア。


「おじゃるでござるのじゃー!」


 天高く両腕を突き上げのじゃ姫が召喚。

 殿中でござるが一気にゴーレムに殺到する。

 無礼でおじゃるが蹴鞠を使い遠距離攻撃。


 が、殿中でござるが宙を舞った。

 ゴーレムが振りまわした両腕により吹っ飛ばされたのだ。

 ゴシャッと地面に落下し、そのまま息絶える。


 無礼でおじゃるの毬を受け止め、彼に向って投げ返す。

 無礼でおじゃるが一人消えた。

 ソレを見たにっちゃんがアメリスから離れ、地面を跳ねる。


「っ!? 全員離れて!」


 気付いたパルティが慌てて叫ぶ。

 それに反応したのはネフティア。

 遅れてレックスが飛び退いた次の瞬間、たわんだにっちゃんが爆音轟かせて一撃必殺。


 片はついた。

 皆がそう思った。

 だが、にっちゃんは、ゴーレムの目の前で止まっていた。

 否、奴に突撃したのだが、ゴーレムに触れた刹那、そこで威力を失くしたように止まっていたのである。


「う、嘘だろ?」


 それはレックスの言葉だったのか、それとも僕の言葉か。とにかく男の声だった。

 にっちゃう・つう゛ぁいの一撃は、あのドラゴンですら倒す一撃だ。

 それを、受け止めた?


 物理法則を完全無視したバグキャラ。

 そう、奴は完全なバグになったんだ。

 たぶん物理攻撃無効。みたいな特性付いてんだぜ。

 あ、そうか、図鑑を見れば!


  レ2f完ぽ

 種族:ゴーレム クラス:あpぺ7s

 スキル:

  萌えもEキュン

 常時スキル:

  おぽSan

 種族スキル:

  物理無効:物理攻撃によるダメージを全てゼロにする。

  魔法反転:魔法効果を反転させる。

  回復激脆:回復系スキルに激しく脆い。


 ぎゃあああああ!?

 物理無効だけじゃなかった魔法反転!?

 そりゃ攻撃魔法も効かんわ。むしろ回復するっぽい。


 まさに無敵のバグキャラ変化。

 だが待ってほしい。よかった、バグり過ぎてなかった。

 回復魔法使えば勝てそうだ!


 僕はポシェットに入れていたアルセ用の魔銃を取り出しアルセに装備、さらに回復魔弾を装填しておいた。

 アルセの背中から手を回し、ゴーレム向けて銃口を持ち上げる。

 アルセもなんとなく察したようだ。

 僕に抵抗することなく銃を持ち上げると、ゴーレム向けて銃弾を撃ち放つ。


 バチュンと音を立ててゴーレムに突き刺さる回復魔弾。

 彼の身体を回復する。

 その刹那、


「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」


 苦悶の表情を浮かべて身を捻りだすゴーレム。

 八当りとばかりに殺到する殿中でござるを殴り飛ばして行く。


「これは、今の攻撃が効いたのかい!? そこの魔物は何したんだい!?」


「今のは……もしかして!」


 一番に気付いたのはパルティだった。


「ヒール!」


 クナイを構えて突撃し、ゴーレムに接した瞬間パルティが唱える回復魔法。

 それがゴーレムに当った瞬間、ゴーレムは仰け反る様に悲鳴を上げた。

 そして、パルティは確信する。


「皆、攻撃は止めて! こいつ回復するとダメージを受けるわ!」


「回復で!?」


「なんじゃと!? どうやったらただのゴーレムがそんなことに!?」


 一人焦っているのはボナンザ先生。下手すりゃこれは責任問題になりかねないもんね。そりゃ必死になるよ。

 ネフティアとのじゃ姫がそれならとばかりに銃を取り出し回復魔弾を打ち出す。

 三人娘からの回復攻撃で悲鳴を迸らせるゴーレム。

 合間合間にパルティがヒールを加え、そして……


 数分後、ようやくゴーレムは動かなくなった。

 いや、焦った。本当に焦った。

 あそこまで強化されるとかねもう、僕は魔法使わない方がいいらしい。

 あたったら相手バグりそうだし。


 間違っても仲間には使えない魔法である。

 そもそも僕自身がバグなんだから、僕の中にわだかまってるのはさらに濃ゆいバグに決まってるじゃん僕。そりゃそんなモノ打ち込んだらバグるよ。


 もう二度と魔法は使わない。

 そんな誓いと共にちょっとだけ大人になった僕でした。

 ちなみに、今回の功労者は軒並みレベルアップしたようで、パルティがその経験値に驚きを露わにしていたが、僕はその時アルセの笑顔に癒されていたので詳細は知らない。

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