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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第五部 第一話 その貴族の悪意を奴は知らない
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その卵が孵るのかどうかを、僕は知らない

「あ、俺レックスってんだ。苗字はねぇ、もともと村人だったしな」


 レックス君は農村の出らしい。

 人間世界では町人になら苗字もあるらしく、王族なら三つのネームが与えられる訳だけど、農村部などには苗字すらないらしい。

 つまり、何処そこの村に住む誰と誰の息子のレックスです。という自己紹介になる訳だ。


「一応剣士志望なんだ。よろしくな!」


 と、遠慮なしにアメリスの肩を掴むレックス。

 大丈夫かコイツ、どう見ても不敬罪だぞ。


「レックス君、アメリスさん貴族。それ不敬罪」


「え? マジで!?」


 全く意図していなかったレックス君は驚いた顔してアメリスの肩から手を離す。

 快活そうな子供である。

 まぁ既に冒険できる年齢なので15歳前後だろうけど。


 この背丈で12歳とか言われたら僕は泣く。

 背丈一緒くらいだし。しかもコイツ無駄に顔は良いし。

 なんでこう、仲間になる奴はイケメン系が多いんだ?


 失敗面だってこのクラスには何人かいたのに。ネクラ君っぽいのも数人いたのに、明朗快活な何も考えていなさそうなレックス君は馬鹿ながらもイケメンの部類に入る。

 多分、一筋馬鹿という奴だ。こうと決めたら突っ走る奴。主人公体質である。

 どれどれ?


  レックス

 種族:ニンゲンE クラス:村人

 装備:学生服、タウンソード、アームガード、レザーバトルアーマー、ポーション×3、毒消し草、約束の腕輪、ヒールスクロール

 スキル:スラッシュ:横一文字に切り裂く剣技。

  十字斬:十文字に切り裂く剣技。

  二連撃:二回連続で切り裂く剣技。

  薙ぎ払い:周囲に一閃を叩き込む剣技。スタン効果あり。

  気合い溜め:気合いを入れて次回攻撃力を二倍にする。

  ラ・ギ

 常時スキル:

  肉体強化Lv1

  剣術Lv2

  種族スキル:

  精霊視

  精霊の友達:精霊と契約した者に付くスキル。精霊の助けが得られやすい。

  英雄の卵:未だ目覚めぬ可能性の卵


 ……すげぇの見つけた!?

 英雄の卵って。コイツ将来有望ですよ。

 イケメン死すべしッ! じゃなかった。ただの馬鹿じゃなかったんだね。

 気になるのは英雄の卵だけど。精霊視や精霊の友達というスキルも気にはなる。

 どうやら彼はこのスキルを人間で覚えていたから一芸で高得点を貰ったんだろう。


「ああそうなんだよ。俺馬鹿だからさ、試験も実技と一芸だけで受かったようなもんでさ」


 丁度その事を自分から暴露していたレックス君。呆れた顔のもう一人の女性は、アメリスにふかぶかお辞儀をする。一応冒険者学校内では貴賎無しが基本なのだが、やはり平民は貴族相手には様付けたりそれなりの節度は保っているらしい。一部なれなれしい平民も居るらしいけどね。


 この子はレックスとは対象的に冷めた印象を受ける。

 短めのショートボブというのだろうか? それに加えて揉みあげというか側頭部の髪を編み込んで三つ編みにしている。


 短い三つ編み、どうやって作ってるんだろう。凄い気になる。

 髪色が鮮やかな赤紫というのもまた印象深い。

 うん。僕のドストレートタイプです。惜しむらくは胸でしょう。ちっぱ……ひぃっ!?

 い、今、今物凄い殺気が!?


「あら? どうしましたの? そちらには誰も居ませんわよ?」


「いえ、なにやら不埒な気配がした気がして。何かを制裁しなければと……」


  パルティエディア・フリューグリス

 種族:ニンゲンG クラス:村人

 装備:ショートソード、マインゴーシュ、寸鉄、鎖鎌、スピードタリスマン、マジックバングル、クナイ×10、手造り小型ボウガン、木矢×30、チンクエディア

 スキル:

  ラ・グ

  レイ・ル

  ヒール

  キュア

 常時スキル:

  肉体強化Lv1

  詠唱速度Lv1

  体術Lv2

  槍術Lv1

  剣術Lv1

  斧術Lv1

  弓術Lv1

  棒術Lv1

  暗器術Lv1

  投擲術Lv1

  毒耐性・小

  混乱耐性・小

  麻痺耐性・小

  魅了耐性・小

 種族スキル:

  クリティカル発生率・小

  多武器術Lv1

  鍵開けLv1

  罠回避トラップサーチLv1

  索敵エネミーサーチLv1


「私はパルティエディア・フリューグリス。多武器芸者マルチウエポンを目指しているの」


 色々な武器に手を出しているらしい。

 アイテムサーチが無いので冒険者にはなってないようだけど、もうちょっとでクラスが変わると思われます。

 というか、村人のままなのは何でだろうね?

 某嫉妬エルフ並みに変化しないのかな職業。


 学園ギルドに辿りついた僕たちは自己紹介しながら薬草採取の特別授業を受けることにする。

 オルステイン・ワグナートの似顔絵を描いた紙をアルセがギルド員に見せると、直ぐに理解したらしい。

 薬草採取の依頼を受理して証明用の学生証を発行してくれた。

 なるほど、このギルドで依頼を受ける形でギルド証の代わりに学生証を手渡すらしい。

 この授業が一番最初になっている理由がこれなのだろう。

 いきなりさぼる様な奴は学生証明書すら手に入らない、入学試験の延長による振い落しである。

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