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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第五部 第一話 その貴族の悪意を奴は知らない
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プロローグ・その魔物が学生になったことを、彼らは知りたくなかった

プロローグのため短いです。

「え?」


 その日、始業式が行われるということで、冒険者学校に向う生徒たちが正門をくぐっていた。

 そんな彼らは、その衝撃的な事実に、思わず二度見しているのである。

 彼らの目の前を行進しているのは、まさかの魔物の一団であった。


 先頭を歩くのは緑の少女。

 満面の笑顔で肩掛けカバンを引っ提げ、真っ白なワンピースを来ている。

 その頭上では謎の植物が踊り狂っている。


 その背後にはデスマスクを被ってチェーンソウを持ったいかにも危険な生物。

 ゴシックロリータの服装からして女性だとは思われるが、その姿はあまりに危険だ。

 さらにその上を浮遊する妖精。


 デスマスク少女の背後からは着物を着た少女。

 その姿は愛らしい。だが、その少女の背後に居るタキシードの男が周囲を睨みつけているのでほっこりなどしていられない。

 射殺すような視線を受けて、慌てて視線を逸らす生徒たち。


 そんな少女たちの背後には、にっちゃうが跳んでいる。

 にっちゃうの頭の上には空色のスライム様が鎮座しており、にっちゃうが跳ぶごとに左右に揺れるスライムが少し可愛い。

 凄いバランス感覚だ。にっちゃうがどれだけ飛んでも奴の頭から葛餅が離れない。


 女性たちがちょっとウズウズした様子を見せる中、この一団の最後を飾る様に、諦めた表情でとぼとぼ歩く亜麻色の髪の少女と、金髪のドリルヘア少女が校門からやってきた。


 諦めた顔の少女に目を向けようとしていた皆は思わず金髪少女を二度見した。

 彼女に抱きしめられたぬいぐるみのような黄色い毛玉。

 円らな瞳が前を向き、握り込んだ餅のようにぐにゅっと変化している独特な容姿。


 見間違えるはずはない。思い違うはずもない。

 紛れもないその生物の容姿。そこから連想される名前は……


「に、にっちゃう・つう゛ぁいだあぁぁぁぁ!!?」


 そして、阿鼻叫喚の地獄絵図が始まった。

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