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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 そのお嬢様に護衛が必要なのかを彼らは知らない
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その少女の心労を、彼らは知らない

 巨悪は潰えた。

 アルセを抱きかかえて出て来た僕らを無数の殿中でござる達が歓声と共に出向える。

 といってもござるーっという喜びの声だったけど。


 役目を終えた戦士たちが消えて行く。

 のじゃ姫は友人を救う手助けを行ってくれた殿中でござるたち一人一人にのじゃのじゃと声を掛けていた。

 彼女がご機嫌なのはアルセが無事に助かったからだろう。


 しかし、凄い数だな殿中でござる。

 まぁ、のじゃ姫が狂ったように殿中でござる召喚した上に、その殿中でござるが仲間を呼んで、無礼でおじゃるも殿中でござるを召喚していって……際限なく増えたもんな。


 これのせいで周辺の貴族たちも野次馬してたからこの貴族はもう立ち直れまい。

 そして他の貴族も自重してくれると助かるね。

 まさに見せしめとして潰えた悪でした。


 さらにネフティアの行動力も凄まじく、幼女の危機を知ったロリコーン紳士も全能力が強化され、一気に敵本陣に乗り込んでたしな。

 衛兵たちは彼の侵入に気付きさえしなかった。

 何か黒いの通り過ぎなかったか? 程度である。


 そんな衛兵たちは突如発生したアンブロシアツリーに絡め取られ、あるいは殿中でござるに峰打ちされて無力化されていた。

 目的がアルセ救出だけだったし、邪魔者を無力化するだけの余裕があったのはよかった。

 もしもアルセが穢されていたりすれば、このメンツはおそらく屋敷に居た者全てを……あ。


 全員が脱出し、アンブロシアツリーが脱出しようとしたその刹那、西洋風の立派な屋敷が音を立てて崩壊した。

 無礼でおじゃるの毬攻撃とネフティアが内部から斬りまくっていた大黒柱のせいだろう。

 これでこの伯爵家は文字通り御取り潰しである。


 お、アンブロシア転がってる。もーらい。

 アンブロシア六つゲット!

 こんなに早くアンブロシアツリーが生まれるとは思わなかったな。予想外の結果だが、むしろ上手く行って良かった。


「み、皆、何したのっ!?」


 ふいに、誰かの驚きの声が聞こえた。

 僕がそちらを振り向くと、なぜかリエラがそこに居る。


「あれ? リエラどうしてここにいるの?」


 僕の代わりに疑問を口にしたのはアニアだ。

 彼女は自らを発光させるという能力、輝く私フラッシュ・エインセルを使って伯爵さんを僕とともに恐怖させた張本人である。ちなみに僕は本棚揺らして倒してました。

 あの悪戯はちょっと溜飲下がったよ。


「あ、うん。丁度母さんと買い出しに来てて……というか、なんか凄いことに……」


「アルセがちょっと拉致られてね。今救出したとこ」


「それ、ちょっとじゃないよね!?」


「それよりリエラ。メリエのことなんだけど……」


 そしてアニアは秘密を暴露した。

 知らされたリエラが驚く中、彼女はこれ秘密だから。と悪どい顔で告げる。

 やめろ馬鹿、リエラは既に重圧が弱点になってるんだぞ!

 他人の秘密を握らせて秘密にさせるとか、拷問過ぎる! お前はリエラを殺す気か!?


 更なるストレスを負ったらしいリエラが青い顔をし始める。

 すまないリエラ。僕は君の力になれなかったらしい。

「じゃ、じゃあ、私はこれで」と、今日は実家に泊ることを告げたリエラが駆け去っていく。

 合流した女性はリエラの母親だろうか。なかなか似た感じの母親だ。

 リエラをさらに二十年くらい熟成させた容姿だね。


 何があったの? とか聞かれたのだろう。

 リエラは何でもないよ母さんといった様子で律義に秘密を守る。

 その分プレッシャーの掛かりが半端ない。頑張れリエラ。

 君の心労はきっと誰も知らないけど、僕だけは応援しているよ。負けるなリエラ!


「にしても、後はモーネットさんに任せるとして、どうするの?」


 と、アニアが聞いたのはアルセである。

 このメンバー魔物だけなはずなのに、アルセがリーダーなんだ。

 あ、アニアは魔族だっけ?


 といっても、僕らはもう行くとこないし、そろそろ帰る?

 帰ろっか? とアルセに言ってみるが、彼女には聞こえていない。

 まぁ当然だよね。僕の声聞こえないし。


 取り合えず、僕はアルセを抱えたまま噴水広場へと戻ることにした。

 丁度王城の前を通った時だ。

 門から出て来たネッテと鉢合わせた。


「あら? アルセ達外に居たの?」


「あー、ネッテじゃない。聞いて聞いて!」


 アニアはあなたにだけの秘密の話とかいいながらネッテにまでメリエのことを言いふらしていた。

 おい、そこの妖精。リエラの心労を返しやがれ!


「そう。メリエさんが……でも、確かにその兆候は幾つも表われてるわね」


 困ったな。とネッテが思案顔になる。何かあったんだろうか?


「実は、学園都市の方で私の婚約者にちょっと問題が起こってるみたいなのよ。それで、向こうの国からも私に彼を引き留めておいてほしいとか言われて。これから学園都市に向わなきゃいけなくなったみたい」


 ということは、まさかのネッテともお別れですか!?


「あ、それなら私達も一緒に向えばいいんじゃない?」


「それはいいんだけど。この付近の魔物であるアルセたちを余所に連れて行って大丈夫かしら?」


 それに、カインたちの予定もあるし、リエラが親元離れてというのもどうなのかとネッテが悩みだしている。これは、本格的にパーティー崩壊の危機ですか!?

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