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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その番長に狙われていることを彼は知りたくなかった
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そのエアリーの意味を、僕は知らない

「エアリークラウドよ! 気を付けて!」


 ネッテの言葉に空を見ると、なんか小型の雲みたいなのがふよふよと近づいて来ていた。

 なんだあれ?

 クーフが柩を振るう。

 風圧で消し飛ぶエアリークラウド。


 ……え? 終わり?

 ネッテも呆れた顔でクーフを見る。

 私の言葉意味なかったわねと嘆息した。


 何かすまんと謝るクーフ。

 その隙を見付けて襲い掛かる無数の狼モドキ。

 あ、ツッパリ発見。狩りだろうか、狼モドキに集られながら拳で闘ってる。

 三人程いるけど全員が別々の場所に居るのは、団体行動をしないからだろうか?


「あれ? 辰真だっけ、一杯居る!?」


 確かお礼参り以外では単独行動してるんだっけ。

 アニアがなんか変なこと言ってるけど……ああ、ツッパリ見るの初めてだっけ。


「アレはツッパリ。辰真はツッパリたちの元リーダーなのよ」


「え? そうなんだ!? よく仲間になったね。アレって魔物なんでしょ?」


「らしいわよ。ホント、アルセが関わるとよくわからないことになるから驚きよね」


「本当に、胃に悪いことばっかりで困りますよあはは……」


 リエラ、本当に大丈夫?

 気を使い過ぎる彼女にはあとで胃薬っぽいの送っておこう。

 多分この世界にもあるでしょ。重圧弱点とかあるわけだし。


「む? おい、アニア、アレはお前の知り合いか?」


「え? 誰誰……って、なんじゃいありゃあっ!!?」


 何か今アニアが凄いだみ声出した気がする。

 それというのも、半透明の妖精さんが三匹程こちらに向って来ていたのを見たからだ。

 不思議な姿の妖精は、トンボのような翅を震わせてこちらに向って来る。

 赤い瞳に悪そうな笑みを零し、烈風魔法を唱えて来た。


「アレはエアリーピクシーだわ。妖精の一種だけど知能はないはず、遠慮なく迎撃しちゃって!」


「くずもち!」


 ネッテの言葉に反応したリエラが告げると、仕方ないなと葛餅が身体を伸ばす。

 アルセソード改で一体を切りつけた。が、効果が見られない。


「そんなっ!?」


「完全な魔法生物か。やっかいだな。魔法をつかえネッテ!」


「ラ・グ、ラ・ギ!」


 雷撃と炎熱による攻撃。当ったエアリーピクシーが悲鳴をあげて消え去った。


「シェ・ズ、コ・ル!」


 最後に一匹に二つの魔法が当る。

 風魔法は残念ながら効果が無いらしい。

 しかし、氷結魔法は普通にダメージになった。

 凍りはしなかったが悲鳴をあげて消滅する。


「うーん、ドロップアイテムは魔石ですね」


「魔法生物は大体これよ。どんな姿を取っていても魔力の塊だから、その核が残るだけみたい」


「ふむ。厄介なだけで実りの少ない魔物か。数が少ないのが幸いといったところか」


「でも、前に来た時は遭遇しませんでしたよね? なぜ今回だけ?」


「さぁ。もしかしたら何らかの要因で別の場所に生息していた魔物たちが居場所を追われたのかも」


 となると、一番の要因は追い出されたスマッシュクラッシャーかな?

 そいつらのせいで別の場所に追いやられた何かがまた別の魔物を追いだし。という感じでエアリークラウドやらスマッシュビーやらがゴボル平原に出現しだしたと。

 ところで、エアリーってなんだっけ?


「ツッパリたちも助けた方がいいかしら?」


「そこまで苦戦はしていないようだが?」


「じゃあ放置してさっさと森に向いましょ」


 ふと、気付いた。

 そういえばバルスたちが一言も喋ってなかったね。

 どうしたバルス、ユイア?


 僕が彼らを見て見ると、呆然とした顔で歩いている。

 本当にどうした二人とも?

 アルセが笑顔で手を振ってみるが、二人に反応はない。


「あれ? 二人ともどうしたの?」


 気付いたリエラが聞いてみる。すると、ようやく再起動した。


「あ、いや、ちょっと会わない間になんか凄いことになってますね」


「あんな数の狼モドキに囲まれてよく無事だったな自分たち。って驚いてたの」


 そういえば、ゴボル平原でクーフ無双見たのは二人は初めてか。

 そりゃああの連続攻撃で無数の狼モドキが乱れ飛ぶのを見るのは壮観だよね。

 まさに有名武将の千人斬りを見てるようだったよ。


「いつもこんな感じですよ。狼モドキ相手はユイアさんたちに出会う前からこうでしたし」


「そ、そうだったの」


 感心したような呆れたような声を洩らすユイア。

 そんな彼女が驚きから立ち直る前に、僕らはコーカサスの森へと辿りついた。

 そこに思いもよらぬ遭遇があることなど、この時の僕らは予想だにしていなかった。


 セルヴァティア王国跡までもう少し、そんな時、僕らは奴と出会ってしまった。

 そう、その時僕の脳裏に飛来したのは一つの言葉。

 セレディからは、逃げられない。


 そう、もう、会う事はないだろうと思われた奴は再び僕らの前に姿を現すのだ。

 僕らの試練は、まだ、始まったばかりだった……

 エアリークラウド

  種族:幽鬼 クラス:スモッグ

 ・小型の雲型の魔物。吹けば消し飛ぶ脆弱さだが、人間の頭目掛けて飛んでくる。

  この雲に纏わりつかれると窒息死させられるらしい。

  倒した時に落とす見えない魔石は見えないので放置されることが多い。

 ドロップアイテム・見えない魔石


 エアリーピクシー

  種族:妖精 クラス:ピクシー

 ・小さな妖精。通常の妖精と違い意思は殆ど無い。

  ただ悪戯心だけは芽生えているらしく、人間を見かけると無邪気な悪戯をしかけて来る。

  ただし、知識はないので度の越える悪戯が相手を死に追いやることが多い。

 ドロップアイテム・魔石

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