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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 そのすれ違う者たちを豚は知らない
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その出会いが喜ばれていないことを、彼女は知らない

「ブヒッ」


「お久しぶりです皆さん、バズは御迷惑おかけしていませんか? だって」


「え、ええ。お久しぶり、迷惑は……大丈夫よ?」


 ネッテが嘘吐きました。

 あの夫婦かなりな人に大迷惑掛けやがったぞ? エルフニアの親御さんとか心にでっかい傷出来てたし。あのまま、リカードさんが幼児退行したままだったらどうしよう。


「ところで、何があったの?」


「ぶひ」


「皆には関係ない。これは自分たちのパーティーのことだからだって」


 すかさずアニアが訳してくれる。一応悪戯はせずにちゃんと訳してくれてるようだ。

 君の悪戯には目を光らせておくよ。このオークに関しては下手な行動は死亡フラグだからな。バズとエンリカの。……いや、この国の。


「いやいや、そういう訳にもいかねぇだろ。何があったんだ?」


「そうです。カイン様の言うとおりです。あなた確か四人程のパーティーで森に向っていたでしょう」


「ぶひ……ブヒブヒ」


「それは……バーゲストに遭遇して……え? 全滅したの!?」


 アニアが驚きの声を出す。

 大したことではなく大問題だった。


「バーゲストって、あの森にいたかしら?」


「多分賞金首ですネッテさん。私、アルセちゃんたちと見てましたから。そこにポチ・バーゲストとかいうネームドモンスターがいたはずですよ」


「そっか……カイン」


「ったく、しゃぁねぇな。いいぜネッテ。折角だしセレディのお仲間さん探しに行ってみるか」


「ぶひっ!?」


「ふむ。今回は我も同行するぞ。そのバーゲストとやら柩の錆にしてやろう」


 柩、錆ませんよねクーフさん。

 皆さんやる気十分ですね。

 そして、しばらくの会話が続いた結果、どうやらセレディと一緒に遭遇した場所に向う事になったようだ。


 ただ、気を利かせたネッテは連戦で疲れてるでしょ。とカインとメリエをここに残す事にした。

 珍しいな。今度はカインたちが休戦ですか。

 ただ、外に出た際物凄い小声でカインにバズたちを早めに逃がすように伝えていたので、ああ、成る程。っと納得してしまった。

 セレディがまだ教会内でアニアと会話してたから聞こえなくて良かった。

 たぶん、聞こえてないよね?


 僕らはセレディに知られないように部隊を二つに分けることになった。

 カイン率いるバズさん達をコーカサスの森に連れて行く部隊。そしてネッテ率いるセレディのパーティーメンバー救出部隊だ。


 カインたちに同行するのはカイン、メリエ、ネフティア、辰真、のじゃ姫。

 ネッテと共に行くのがネッテ、リエラ、葛餅、アルセ、ロリコーン紳士、アニア、セレディ、クーフ、ユイア、バルス。

 バルスとユイアは折角故郷から帰って来たばかりで休みたいだろうに、当然の如く森に同行する事にされていた。


 話の成り行き上、休むことすらできなかったらしく、困った顔をしながら同行を了解していた。

 セレディに対してちょっと恨みのこもった眼をしていたのは見なかったことにしておこうと思う。

 というか、出会ってから殆ど会話らしきものを聞いてないんだけど、偽物じゃないよねバルス君?


 というわけで、二手に分かれた僕ら。僕は当然、アルセのいるネッテ達と一緒です。

 こちらの人数が多いのは、バーゲストがいるからだ。

 指令塔はネッテ。アタッカーはクーフ、セレディ、バルス。多分ロリコーン紳士も。

 遊撃がリエラと葛餅。後衛がユイアとアニアとアルセ。

 アニアは人数多いし向こうに行こうかと言っていたが、セレディとの意思疎通が出来るのが彼女だけだったので、こっちに組み込まれた。


 リエラもカインの方に行こうとしたが、カインが今回の闘いで腕磨いてこいとこちらに送り返してきたのだ。なのでこのメンツになりました。

 ちなみに、リエラはにっちゃうを抱えたままだけど、彼は戦力には数えてはいけない。

 だって攻撃方法飛び跳ねると体当たりだけだぞ! 僕でも素手で勝てる相手を戦力に見れる訳がない。




 再び森にやってまいりました。

 セレディが周囲を探りながら残りの二人のパーティーを探して行く。

 凄いな女版バズ。警戒力がバズ並みに凄い。

 さすがオークというべきか。まぁバズ程の警戒力が無いのはバズがオークの中でも優秀だったからだろう。


 敵が姿を現す前から警告してくれるセレディは、パーティーからすれば重宝する斥候役だ。

 確かに流れの冒険者として幾つものパーティーに入るには優秀すぎる能力だろう。

 ただ、バズたちがいる僕らとしては今回限りで手を切りたい相手である。


 皆もそう思っているのだろう。ネッテとクーフの表情は硬い。

 セレディ自身はパーティー仲間を助ける事だけを優先してるので気付いてないが、少しだけ、彼女とはパーティーを組みづらい雰囲気が流れている。


 ソレを払拭してくれたのは、魔物だった。

 ウッドウルフとウッドウルフリーダーの集団だ。

 さっそくの敵にクーフがいの一番に柩を振るい、バルスとセレディが遅れて参加する。


「ひえぇ。さっそく闘いに巻き込まれたし。でも、このくらいなら!」


「ブヒ!」


惑わしの草地ストレイ・ソッド


 相手が狼だからかガリートラップは使わず相手に幻を見せて迷わせるアニア。

 御蔭で戸惑い足を止めるウッドウルフをかちあげるリエラ。

 出るか浮沈撃……あ、失敗してる。

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