表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四部 第一話 その自称神との遭遇を僕以外は知らない
240/1818

そのこうなった理由を、僕は知らない

 僕はアルセを抱え上げた。

 さぁ、行くよアルセ。大丈夫、あいつを信じよう。

 アルセ大好きなあいつの際限ない実力を発揮して貰うために!


 アルセを抱えたまま僕はのじゃ姫向けて突進を始める。

 それに気付いた殿中でござる達が邪魔するように立ちはだかる。

 丁髷砲を発射しようとする殿中でござるが数体。

 ソレを認識した瞬間、その男の真の姿が露わとなった。


 Yシャツを脱ぎ捨て上半身裸となったロリコーン紳士が風のような速度で殿中でござる達の合間を駆け抜ける。

 アルセにターゲッティングする全ての敵にステッキを打ち込み沈黙させていくロリコーン紳士。

 その力には、幼女の観測者スキルが掛かり、アルセがターゲッティングされるごとにその実力を高めていく。


「ふおおおおおおおおおおおおおっ!!」


 興奮しだしたロリコーン紳士が吼える。

 キショイ。

 無礼でおじゃるの喉を穿ち、殿中でござるの顔面に風穴を空ける。

 余りの早業に誰も彼も彼を止められない。


 またたく間に数を減らす無礼でおじゃると殿中でござる。

 しかし、一定の人数が消えると、決まってのじゃ姫が召喚を始めてしまう。

 そして団子を食べて高みの見物。


 あいつだ。のじゃ姫をまず何とかしないと千日手で押し負ける。

 だから、あいつをどうにかしないといけないんだ。

 護衛のロリコーン紳士を引き連れて、僕らは一気にワンバーカイザーのもとまで辿りつく。

 すると、ロリコーン紳士に振り向きアルセが「おー」と何かを声掛ける。


 ロリコーン紳士は凄い微笑み浮かべてスラックスらしきものに手を入れると、飴を取り出す。

 オイ、待て、お前どこからソレ出した?

 というか、何処に隠してた?


 受け取ったアルセは気付いてないようだが、どう見ても彼が手を入れた場所はパンツの中のような……

 アルセは一つの飴では満足出来なかったようでさらに「おー」と鳴いて二つ目の飴を貰っていた。

 二つの飴を貰うと、マーブルアイヴィを発動させて僕の腕から離れていく。って、しまった。普通に見送ったけど何する気アルセさん!?


 マーブルアイヴィにより自身をワンバーカイザーの上空に連れて行ったアルセは、そのままワンバーカイザーの頭上に降りると、一人のじゃ姫と対峙する。

 まさかの一騎打ちです。ちょっとアルセさん!?


「の、のじゃ!」


 威嚇を始めるのじゃ姫。

 懐刀を取り出し油断なく構える。

 対するアルセは無防備に笑みを湛えて近づいて行く。

 ヤバい。物凄くヤバいぞこれは!?


 のじゃ姫相手だからロリコーン紳士も手が出せずにこまねいている。

 アルセの危機に駆け付けたいが、相手も幼女のためどちらにもつけないらしい。

 懊悩する変態は近づいてくる殿中でござるの撃破はするものの、アルセのフォローは出来そうになかった。


 アルセが作りだした蔦を上ってとにかく僕だけでもアルセを助けに行くことにする。

 ようやくワンバーカイザーより高くに登った時だった。

 のじゃ姫が先に動いた。

 懐刀で袈裟掛け。

 アルセはこれを不折れの白ネギで受け止める。


 すげぇ!? アルセなんかすげぇ!

 そして剣とネギで拮抗したのじゃ姫がむぅっと唸っていると、アルセの左手が伸びる。

 その手に置かれていたのは……イチゴ味の飴。


「のじゃ?」


 何だこれは? といった様子ののじゃ姫。

 アルセはその飴を自分の口に放り込み食べる。

 そしてにぱっと笑みを見せながらもう一つの飴を彼女に差し出した。


 恐る恐る受け取るのじゃ姫。

 アルセと飴を何度か見比べ、口に入れてみる。

 途端、口に広がるイチゴ味。


「のじゃ!?」


 まるで美味い。とでもいうような驚きがあった。


「おー!」


 そしてアルセは左手でのじゃ姫の裾を指す。

 のじゃ姫が刀を引くと、アルセも白ネギを消した。

 そして、のじゃ姫が裾から団子を取り出す。

 恐る恐るアルセに渡すと、アルセは嬉々としてソレを食べ出した。

 どうやら物々交換で団子を食べてみたかったらしい。

 いや、こんな場所でアルセさん、なんて暢気な……


「おー!」


 美味しいといった様子のアルセ。

 楽しくなったのかのじゃ姫の両手を手に取り輪のように回りだす。

 戸惑うのじゃ姫巻き込んで踊り出した。


 それに気付いたネフティアがチェーンソウを投げ捨てワンバーカイザーをよじ登る。

 そして踊る小娘が三人になった。カシャッ

 CG激写は今日も正常です。

 ロリコーン紳士がまるで感動映画のエンディングでも見ているように涙ながらに頷いてる。


「あ、あれ?」


 リエラの戸惑った声が聞こえて眼下を見れば、あれ程いた殿中でござると無礼でおじゃるが消え始めていた。

 どうやら、そういうことらしい。

 何がそういう事って? うん、だからさ……


 のじゃ姫が仲間になった!


 たぶん、そういう事なんだと思います。

 アルセさん、ボス仲間にするってどうなんだ?

 某5期目から魔物を仲間に出来るようになったゲームですら倒した後の特殊合体でしか仲間にはできませんよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ