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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四部 第一話 その自称神との遭遇を僕以外は知らない
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その下層の魔物を、僕は知りたくなかった

 はい、実況の透明人間です。

 現在私はオリーの森深淵にある戦艦っぽい遺跡にやって来ております。

 ただいま第三階層。階層ボスの間におります。


 敵として出現したのはワンバーガーの上位個体、魔物図鑑から名を告げるのならば、ワンバーキングだそうです。

 ハンバーガーに犬耳犬足四つは確定、尻尾も生えておりますが、デカい。

 その姿はクーフ以上にでかく、おそらく東京ドーム4分の1個分くらいはあろうかと思われます。


 東京ドームの大きさは知りませんが、多分それくらいであります。

 そして頭の中央部に小さな王冠。身体に見合っておりません。

 そんなワンバーキングは今、プリカというエルフ娘により食われております。

 それはもう完膚なきまでに圧倒的捕食者と被食者に分かれております。


 哀れ、哀れワンバーキング。

 ドロップアイテムテリタマバーガーだからかプリカさんの食い付きっぷりが半端ありません。

 折角の上位個体としての実力も、全く発揮できないまま食料として今、ついにその命を終えてしまいました。

 ああ、なんという事でしょう。プリカの圧勝です。


 さて、この階層ボスの間にはもう三体、敵として出現していた者たちが居ます。

 まずは二人の衛兵、シューストリングナイトたち。

 一人はリエラが相手取っています。

 今までもカインと葛餅の監視のもとシューストリングナイトと戦っていたため、彼女一人でもなんとか闘える状態のようです。


 もう片方にはカイン。

 自慢の剣技でシューストリングナイトを圧していて落ち付いた戦術を駆使しています。

 安心して見ていられますね。

 彼としても少し物足りないのか、折角の新作アルセソード改を使わず鋼の剣で対応しています。


 そして中央の本命、ポテリンの上位個体、その名もポテリーヌ。

 女性っぽい名前だけど普通に歩く巨大フライドポテトであります。

 ドロップアイテムはLサイズポテト。ところでポテリンシリーズの箱部分に記載されたVは何の略ですかね?


 ポテリーヌと戦うのは我らが剣持ちの颯太こと、クーフ。そして我らがアタッカー辰真。

 このツートップはまさにアルセ姫護衛騎士団の要とも呼べる存在ですね。

 クーフの一撃でよろけた相手に辰真が拳を蹴りと叩き込み体勢を崩す。そこへクーフの追撃と、まさに怒涛の連続攻撃。

 これにネッテの攻撃魔法やアニアの阻害系魔法が加われば、まさに鬼に金棒。

 ネフティアが参戦すらできず、ポテリーヌは倒れ去ってしまったのでした。


 いやー、強さ全くわかりませんでしたわ。以上実況の透明人間でした。

 ポテリーヌが倒される頃にはシューストリングナイトたちも倒され、僕らはかなり消化不良気味の闘いを終えたのだった。

 ロウ・タリアン戦が死闘も死闘だったので、この程度の敵だとむしろストレスになるようだ。


 そっか、戦闘狂ってこうやって作られていくのかぁ。と納得した僕だった。

 ちなみに、アルセはそんな彼らを踊りながら見ていたのでした。アルセはこんな時でもマイペースです。

 合間に、一緒にワンバーガーのドロップアイテム食べながらほっこりする僕とアルセ。カシャっと一回音が鳴ったけどどうでもよかった。


「結構楽だったな」


「そりゃあこれだけメンツ揃ってれば早々負けないわよ」


「でもよ、ロウ・タリアン相手には苦戦しただろ?」


「例外はあるわよ。それだけあいつが強かったってことでしょ?」


「まぁいいや。とりあえず少し休憩したら下の階降りようぜ」


「そうね。さっさと新たな能力とやらを発露させてみたいわ」


「直るといいねーエルフさん」


「そうですねぇ。直ったら真っ先に妖精を昆虫標本みたいに胸に突き刺してやりたいです」


 アニアの危機だ。プリカおやめになって!

 余裕があったからか雑談しながら休憩。

 少しの間休息したおかげか、皆が冷静に療養に専念できたようだ。


「っしゃ、これで次の階層か。何が出るんだ?」


 上の階はワンバーガーだったし、下の階層はニャーバーガーとかかな。

 なんて思った僕はあり得ない言葉を聞いた気がした。

 空耳? と思いつつ周囲を見る。


 まだ誰も気付いていない。

 でも、確かに聞こえた。人の声だ。

 ほらまた!


「ん? 人? 俺ら以外にここに来てた人が……?」


 歩くカインたちの前に、三人程の人影が見えた。

 徐々に明らかになって行く人影の姿。

 うん、人だ。まごうことなき人である。


 紋付き袴に丁髷ルック。佩刀してるのはどう見ても日本刀。

 まさに武士といえる存在が三人、通路を歩いていらっしゃった。

 そいつらは、カインたちに気付いて戦闘態勢。


 腰元からすらりと刀を引き抜き、堂に入った所作で走り出す。

 当然僕は即座に魔物図鑑で鑑定を始めた。

 こんな所に人間が居て襲いかかってくるものか。こんな奴ら、偽人以外の何者でもないはずだ。


「ござる!」


「ござるござる!」


「殿中でござるッ!!」


 刀を片手に走り寄ってくる三体の魔物。

 口から意味不明の言葉を吐き付け、僕らに向けて襲いかかって来たのだった。

 って、名前。名前が【殿中でござる】って、なんだこいつら!?

 殿中でござる

 ・頭に丁髷のように、鉄砲のような筒を持つ紋付き袴姿の偽人。

  刀を持っており、敵を見付けると「ござる!」 と叫びながら襲いかかって行く。

  敗北を悟ると自らハラキリを行う。

  種族:偽人 クラス:丁髷族

  装備:名も無き刀、紋付き袴

  種族スキル:威嚇

      殿中でござる:仲間を呼びます。

      斬り捨て御免:攻撃力一・五倍の斬撃攻撃。放った後の隙が大きい。

      居合斬:一度鞘に刀を戻しての一撃。カウンターで喰らえば即死属性付加。

      丁髷砲:頭の上にある筒で砲撃。

      武士は食わねど高楊枝:戦闘を行っていない時、立っているだけでHP・MP・TPが徐々に回復。

      HARAKIRI:戦況が不利になると自殺する。

  ドロップアイテム・無銘刀・紋付き袴・丁髷砲

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