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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第六話 その結婚式にでた食事の素材を僕らは知る気はない
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その決定的瞬間を、彼らは知りたくなかった

「アレが、偽人ロウ・タリアンか……」


 カインの呟きと、僕が魔物図鑑に登録するのは同時だった。

 どんなどぎつい能力が……化け物だ。正真正銘化け物だ。

 気になるスキルは次の三つ。


 悪夢再び:戦闘中に限り、一度死んでも完全復活する。

 うん、なんか昔そんなアニメあった気がします。オ○タリアンは二度死ぬとかの題名で。

 アレか、この世界の神様は日本かぶれか何かか?


 対男性優位:男性の混じったパーティーに対して優位になる。ステータスが増加。

 これは最悪な能力だ。僕らのパーティーはカインにクーフ、辰真にバズ・オークと四人も男がいる。

 おそらく彼らが倒れれば弱体化するだろうけど、それまでは強化された状態のバタリアンを倒さなければならなくなる。


 勝利のディープキス:倒した相手が男性だった場合、相手の唇を奪う。

 そして最後の気になるスキルがこれだ。

 もしも闘った男性が負けてしまったら……ごくり。


「ぶひ!」


「いいのかバズ・オーク。お前一人で闘う必要はないんだぞ?」


「ぶひ!!」


「バズさん。私のために……」


 どうやら今回ロウ・タリアンを倒すよう言われたのはバズ・オークなのでリカードさんへの証明のためにも彼自身でケリを付けたいのだとか。

 ……ど、どうしよう。さすがにコレ伝えとかないと……


 僕はリエラの肩を叩いて気付かせる。

 気付いたリエラがこちらを振り向いたので、僕は魔物図鑑を見せた。

 リエラは、あ、透明人間さん登録したんですか。早いですね。と全く気にした様子なくロウ・タリアンのステータスを覗きこむ。


「ちょ、これって……」


 焦燥するリエラが皆に呼びかけようと振り返った時には、既にバズ・オークが走り出した後だった。

 ナイトブローバ―を振り被り、真横から切り上げる一撃。

 不意を突かれたロウ・タリアンが彼に気付いた時には、既にロウ・タリアンの首向けて剣閃が走っていた。


「ぶひっ!?」


 だが、ロウ・タリアンは視線でバズ・オークを、否、男を認識した瞬間、あり得ない動きで剣閃を避けきる。

 ま、マト○ックス!?

 さらに手に持っていた買い物籠らしきモノに腕を突っ込むと、そこから取り出す鋼の人参。人参っぽいけどこれ、鋼なのよね。


 だって図鑑に装備品として血塗れ大根とか鋼の人参とか書かれているから。

 なんだよ鋼の人参って。

 その疑問は直ぐに氷解した。

 ナイトブローバ―とかち合う人参。金属音を響かせる。


 すごい、見た目人参なのに普通に剣だ。

 鼻息と共にバズ・オークが踏み込み更なる一撃を放つが、ロウ・タリアンは最小の動きでこれを捌く。

 普通に強いぞロウ・タリアン。動きが達人級だ。


 一度引いてバズ・オークが息を整える。

 その間にロウ・タリアンは鋼の人参を買い物籠に戻して大根をひっつかむ。

 血塗れ大根。その巨大な鈍器に、バズ・オークはナイトブローバ―をしっかと握る。


「ぶひっ!!」


 一気に踏み込み渾身の一撃。

 ロウ・タリアンはそれを右手に持った大根で弾き飛ばす。

 払われた速度を利用してバズ・オークが回転、再びロウ・タリアンの前に回った時には横から放たれるナイトブローバ―の一撃。

 これを買い物籠で迎撃したロウ・タリアンは、こちらも反撃の大根。


 バズ・オークの頭に襲い掛かる鈍器を、彼は紙一重で避けることに成功した。

 が、その瞬間、岩のような弾丸が彼に襲い掛かる。

 スキル、突撃バーゲンセール。

 ロウ・タリアンの突攻を受けたバズ・オークはくの字に折れ曲がるようにして放物線を描く。


 すごい、バズ・オークの身体が吹き飛んだ!?

 地面に激突したバズ・オークの手からナイトブローバ―がこぼれ落ちる。

 あまりの衝撃的事実に、カインたちはただただそれを見つめるしかできなかった。


 ロウ・タリアンが倒したバズ・オークに歩み寄る。

 いけない。カインたちが我に返って走り出した時には、既にバズ・オークの前にしゃがみ、彼を抱き起こすロウ・タリアン。


 トドメを刺すんじゃないのか?

 そんな疑問からつい足を止めてしまうカインたち。

 だが、それでロウ・タリアンが止まるはずがなかった。


 気がついたらしいバズ・オークが目を開く。

 その眼前にはロウ・タリアン。

 おばさん顔がどんどん近付いて行く。

 唇がタコのようになった瞬間、バズ・オークは自分の未来を察した。


「ぶひっ、ぶひぃっ。ぶひぃああぁぁぁぁぁ――――っ……」


 豚の断末魔の叫びが聞こえた。

 彼は……死んだ。精神的に、死んだ。

 僕らはロウ・タリアンの真の恐怖を目の当たりにしてしまったのである。


 ぱたり。白く燃え尽きたバズ・オークだった何かが地面に横たわった。

 代わりに肌を艶々とさせたロウ・タリアンがゴパァと息を吐く。

 ディープは……いかんでしょう……


「バズさんが……寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた寝取られた……」


 そしてエンリカさんも精神的に壊れた……いきなり大ピンチだ!?

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