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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第五話 その二人の婚約を彼らは知りたくなかった
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そのじいさんの凄さを、彼らは知らない

「こりゃ驚いた。その魔物、ドリアデスかと思っていたらアルセイデスか!」


「おじいちゃん、アルセイデスってなに?」


「外の森に存在するドリアデスに似た魔物じゃよプリカ。昔は儂も世界を股にかけて冒険したからのう。ラスフィー旅団、昔は結構有名なクランに所属しておったんじゃぞ」


「それ、数百年前のだよね」


 そういえばそうじゃった。と笑い合うプリカたち。


「ラスフィー旅団?」


「あれ? なんか私聞いたことがある気が……」


 ネッテがふと顔をあげるがどこで聞いたか思い出せずに首を捻っていた。

 とりあえず、100年以上前でネッテが知ってるなら王国の書庫にでも記録が残ってるかも知れないね。いつか思い出した時にでも調べるか。


「じゃあ、ランツェルさん、この蔦でおねがいします」


「よかろ。で、何振り必要じゃ?」


「買えるだけ欲しいけど、どれだけ作れて一本いくらだ?」


 ランツェルさんの疑問に答えたのはカインだった。

 カタログから顔をあげて告げる。拘束はさっさと解かせて頂きました。葛餅に感謝しろカイン。なんつって。


「そうじゃな。この折れた剣はいくらするのじゃ?」


「武器屋のおっさんは珍しい武器だからって材料持ち込みで金額は技術料としてロングソードと同じ代金でくれたよ。本来なら200000ゴスはいくんじゃねぇか? アルセイデスの蔦自体が買い取りで100000ゴスだし」


「ふむ。そう言われると凄く高級素材に思えるな。じゃがウチには俗世の金なんぞ塵芥と同じことよ。折角だしこちらも技術料だけ貰っておこうかの。ただし物々交換じゃ」


 物々交換。そっか、森の民だから金が必要無いんだ。

 エルフは外交として金を必要としていない。だから武器に求めるのは金ではなく等価の何かが必要になる。

 死甦水でいいかな?


「クーフ、何かないか?」


「ブロック・オリーとブラック・オリーの死骸で良いだろうか?」


「おお、ブラック・オリーとブロック・オリーか。食材はいいの。全部買おう」


 交渉で、ブラック・オリーとブロック・オリーの死骸というか、食材を売って、剣を三振り、ついでにクーフ用の大剣を一振り、辰真の願いでアルセの棍棒……いやアルセバットを注文した。


「余った素材はこちらで貰うがいいのか?」


「アルセがいつでも取り出せるし、店の修理代に使って下さい」


「ふむ。元手が掛かっておらんしプリカの弓でも作っておくか。一人前になれたらお前にやるぞ」


「やった! おじいちゃん大好きっ」


 その一人前になる弓技術になるには、果たしてどれ程の時間が掛かるのか。

 彼女がアルセの弓を手に入れるのはまだまだ先になりそうだ。

 というか、命中率阻害・小が悪化しないことを祈ります。


「オーダーは受け取った。後は明日以降に来るがええ。それまでにやっておこうかの」


 おじいさんにお礼を言って武器屋を後にする。

 とりあえず予備として安い武器を購入した。明日以降に何か使う必要に駆られてもこれで安全だ。


 その後はプリカに案内されるまま防具屋と道具屋を回って必要素材を買いこんでいく。

 といっても、物々交換なので途中森に向ってブロック・オリー狩りを敢行した。

 さっそく予備武器が役立ったし。


 ブロック・オリーは本当に大発生しているようで、狩っても狩ってもしばらくするとどこからともなくわらわらと現れる。ゴブリンみたいにマザー・オリーとかキング・オリーとか居そうだな。


「さて、そろそろ用意出来てるかな?」


「買い物も済んだし、帰りましょうか」


「そうだね。報告、そろそろしないとね」


 エンリカの何気ない一言で今までの陽気さが嘘のように消え去った。

 何とも言えない気まずさが場を支配する。

 プリカもなんとなく空気を察して首を捻っていたが、エンリカは気付いていなかった。

 幸せな乙女は両親も祝福してくれると疑っていないのだろう。


「ネッテ、リエラ、俺達でフォローするぞ。何としてもバズ・オークをこの村から生還させるんだ」


 カインがエンリカに聞こえないよう相談を始める。

 クーフや辰真もこれを聞いてコクリと頷く。

 絶体絶命のバズ・オークを救うため、アルセ姫護衛騎士団は再び結束を強めあうのであった。


「うっ。胃が……」


 リエラだけは再び襲ってきたプレッシャーでなんか辛そうにしてます。

 大丈夫かリエラ。胃潰瘍は大変だよ?


 荷物を抱え、僕らは戦場へと舞い戻る。

 途中で気付いたクーフが今直ぐ使わないアイテム類を全て柩に収納したが、これからのことに意識を向け過ぎて荷物の大量さを忘れていたらしい。

 というか、買い過ぎですよカインさん。クーフが柩が満杯になったとか驚いてたよ。


 プリカはどうやら食事に御一緒するつもりらしい。

 大丈夫か幸福患者、ここから先は絶望しかないんだぜ?

 エンリカ宅のドアを開く。


 まるで処刑台への扉が開かれたかのように、バズ・オークが一瞬身震いをしていた。

 そしてとばっちりで胃を押さえるリエラが僕の横でうずくまる。

 リエラは今回あまり関係ないんだよ? 責任感じる必要無いって。

 ランツェル・ドゥ・にゃるぱ

 クラス・弓神アーチャー・オブ・ゴッド

 ・プリカのおじいさん。鍛冶をしているのだが、昔はラスフィー旅団というクランで冒険者をしたらしい。

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