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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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三百三十九・その完全無効化による反撃を、彼らは知らない

SIDE:光来勇気


 正直、奴隷化された上でデブに命令された時はふざけんなって思ったのだけど、俺の能力完全に相手を封殺してんじゃん。

 さいっこー。これだよこれ、ずっと俺のターンって感じ。

 はは、いいぜいいぜ最高だ。


 っていうか光線だよな。

 これ、俺も使えるだろ。

 あー、クソ、斬星との闘いの時にコレ使ってりゃ俺の圧勝だったんじゃねぇか。

 あの性剣ももはや要らない。これさえ使えりゃ俺無双確定だったじゃん。

 あーもう俺の馬鹿。

 グーレイのとこ行って奴隷の首輪取られたら速攻で全滅させてやろう。


 でも、今は、この全能感のままに、あの黒い人型をぶっ倒そうじゃねぇか。

 そうすりゃデブの心象も良くなるだろうし、グーレイ相手に庇ってきそうじゃね?

 そうすりゃ倒すのは一番最後にしてやってもいいぜ? なんてな。


「はは、おらおらおら、テメェの攻撃じゃ俺にゃ何一つダメージ与えられねぇんだよっ!」


 そら光線のお返しだッ! どうだ? そら、どうだっ!!


「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! そーらどう……ん?」


「なぁ、光来君、あいつ、光無効化してない?」


 嘘だろオイ!? 俺の攻撃散らしてやがる!?

 光だぞ? なんであの野郎当たらないんだよ!?


「まぁ、同じ光り属性なら仕方ないとは思うけど」


「同じ? チッ、そういうカラクリかよ!」


 くっそ、ずっと俺のターンだと思ったのによぉ。両方無効化かよ! 反撃にすらならねぇじゃねぇか。


「いや、だが十分過ぎる働きだ。相手の攻撃が効かないというなら、他のメンバーが攻撃に移れる」


「そういう、ことよ!」


 真後ろから矢を射る朝臣、お前弓使えたの……ボウガンかよ!?


「魔法で補強すればあのくらいの位置でも充分当てられるわ」


「僕も魔法弾で攻撃したし、これで倒せると思うんだけど……」


 と、二人の攻撃が黒い人影へと飛んで行く。

 当たるか、と思ったが、どうにもかんばしくない。

 当たったように見えるが外れたようだ。相手は普通に立ったままだし。


「当たった、気がするんだけど……」


「効果、なさそうだなぁ、嫌な感じだ」


「飛龍槍ッ!!」


 真っ直ぐに飛んで行く槍。

 月締が槍を投げたようだ。

 意外と真っ直ぐ飛んでくな。


「っ!? 嘘だろ!?」


「月締君?」


 槍は違わず黒い人型に激突、その後月締の元へと戻ってくる。


「当たったのは当ったんですが……感触がありませんでした」


 感触って、お前投げた槍が当ったか分かるのか? ソレはさすがにおかしくないか?


「どうやらアレは僕等とは別の理で動く生命体だと思います。ダメージすら与えられるかどうか……」


「嘘だろ!? そんなことあるか?」


「在り得るからダメージ通ってないんですよ。ほら、次来ましたよ」


「チィッ、ウザってぇ!」


 黒い光が俺にブチ当たる。

 効かねぇっつってんだろぉが!


「だぁ、るぁぁぁ!!」


 お返しの光線攻撃、いくつか条件変えて撃ってみるがどれもダメージには直結しない。


「面倒臭ぇ!」


「ほら、防御任せた。次に備えて備えて」


「ユーデリアならなんとかできるかな?」


「無理じゃないかしら?」


 あの女ってたしか物理攻撃オンリーじゃなかったか?

 それでも何とかなると思われるってことは物理攻撃以外の何かが使えるってことか?


「くっそ、あの野郎少しずつ距離詰めて来てやがんぞ!」


 魔物の群れはあいつが勝手に駆逐してるからそこまで問題じゃねぇけども、ってかアレだけ居た魔物、あいつが全部ぶっ倒してんじゃん。

 光線めっちゃ有用じゃねぇ?

 俺も光線使うようにしよ。

 絶対広域魔法攻撃得意になるだろ、光線魔法。


「アレは一体なんなんでしょうか?」


「分からない。でも、グーレイさん達が来るまでの時間稼ぎは出来そうだから、後は丸投げしちゃおう月締君」


 ってことは俺の役目もグーレイ達が来るまでか?

 面倒な事この上ねぇが、さっさとアレ叩き潰して貰いたいね。

 俺としてもただ打たれ続けるのはストレス溜まるんだ。


 ここいらでサクッとアレ倒してほしい所だね。

 俺の身も自由になるならグーレイが来た方が断然良い。

 さっさと来いグーレイ。

 そして俺を自由にしろ。

 そしたら俺がお前ら全滅させて真の英雄になってやるからよ。


 ああ、一応あの大樹っぽいのは守ってやんぜ。

 なんかよくわからんが、俺としてもアレは守った方がいいと本能的に理解してるからな。

 他の奴らは知らん。どうでもいいから光魔法で一掃してやる。


 さぁ、早く俺の奴隷化を解いてくれグーレイ。

 それまでは品行方正、面従腹背で従っといてやんぜ。

 さぁ、早く俺の……ん?


 それは何の変哲もない黒い光線だった。

 今までのように特に対処する必要もなく、真正面から受ける。

 そして……俺の意識は、一瞬で――――……

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