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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1758/1818

三百八・その少女の考えを、彼らは知らない

「むー」


 アーデがさっきから変です。

 眉間に皺寄せて唸っている。

 集まってるメンバーを見てむむむっと唸ってるので、何かしら考え中のようなんだけど、何考えてるんだろう?

 このままでもいい気がするけどもうちょっと何か欲しい、そんな顔をしています。


『どうしましたバグさん?』


 リエラ、アーデがちょっと悩んでるみたい。


『んー、なんか必要な物が揃ってなくて困ってるって感じですね』


 だよね? まだ何か足りないものがあるけど、何処にあるかわからない、ただ、今のままでも何とかいけるかも、みたいな顔だよね? 


『状況から考えますと、確かアルセも前回の戦争に備えていろいろ前から仕込んでましたよね? アーデにもああいった事前に何かを察して揃える能力があるのかも?』


 それで、時間的に集まるか分からないから眉間に皺寄せて困ってる、のかな?

 アーデ、何が足りないの? 僕が取ってくるよ?


「お? おー……」


 ん、指差した先は……スパイ四人組?

 いや、これはもしかして……

 グネイアス帝国を指してるのかな?


「アーデがグネイアス帝国を指し示している? それって……次はグネイアス帝国で何か起こるってことかな?」


 いや、グーレイさんそういうのじゃないと思うんだけど。

 グネイアス帝国に回収し忘れた何かがあるとじゃないかな?

 あとはあのスパイさん達もバグらせときたいとか?

 さすがにソレは無いか?


「シシリリアさんは何処にいったんだろ」


「この世界だからほら、神様が捕捉出来てるんだっけ? グーレイさんどうなんです?」


「ああ、そう言えば、さすがだね灼上君。私も普通に忘れていたよ。駄女神でもそのくらいはできるんだった」


 ―― ちょぉい!? まるであちしが無能みたいじゃない。めっちゃ有能な女神様だから。駄目駄目はパンティちゃんだから! ――


 ―― ちょっと待ったぁ! 私全然駄女神じゃないですからね! バグ君も名前覚えてるんですから、駄女神はどう考えてもマ……マ……駄女神さんですからっ ――


 ―― ちょっとぉ!? 今の間なに!? まさかと思うけどあちきの名前忘れた? 忘れたよね今の!? ―― 


 ―― あ、あはは、そんな訳ないじゃないですか、先輩 ――


 ―― なら言ってみろっ! あちしの名を言ってみろ――――っ!! ――


 うん、まぁ、なんだ。駄女神としか呼ばれてないから名前なんだっけ、ってなってもおかしくは無いよね?


「はぁ、駄女神たちは当てに出来そうにないし、一先ずグネイアス帝国に向かう事にしようか」


「そうっすね。この場合はもう、グーレイさんをリーダーに僕らも付いて行く感じがいいのかな?」


「別に君がリーダーでもいいんだけど?」


「ははは、オイラは小隊長くらいで十分っすわ」


 灼上さんはほんっとリーダーとか好きじゃないんだなぁ。でもリーダー気質なんだよね、いろいろとモノの見方が凄いし、実際アリーシャさんたちが指揮している合間にやってた咄嗟の行動については灼上さんの指示の方が早かったからなぁ。


「矢田君、今まで通り灼上君のフォローはお願いするよ、実質的なリーダーは譲られたからやるけど、君のリーダーは変わらずだ」


「おぅ、リーダーがそう決めたなら問題ねぇ、戦闘中の指示はリーダー優先させて貰うぜ」


 ほんと、矢田はクズ野郎一直線するかと思ったけど普通に居残ったなぁ。

 他のメンバーとの衝突も殆どないし。狼が飼い犬になった感じ? 灼上君の最大の功績はこの矢田を手懐けたことかな? そのままにしてたらおそらく大問題起こして自滅してたか、僕らで討伐することになってただろうし。

 英雄の中に灼上さん居てくれて本当に良かった。


 会話が出来るようになったら僕の妻候補いくらか貰ってって貰おうかな。主にタリアン種とかババァ種とか。あ、でもアルセの眷族に触れたらぶっ殺す。


「ひぃっ!? 今なんか背中にゾクッと来た!?」


「風邪?」


「ん、平熱、問題無い」


 おでこ同士をくっつけるゴールドさん。ラブラブっすね。


「おい、お前ら、これからどーすんだ?」


「おお、ちっさいおっさん。悪いんだがよ、俺らはこれからグネイアス帝国に向かう事になったみてぇだ。こっちの復旧は任せるぜ」


「何でだよっ!?」


「もう少しいるんだろ? なんかクランでここ起点にしようとか話出てるらしいじゃねぇか」


「なんで知ってんだよ!?」


 ガーランドさんって意外と情報通なんだよなぁ。まぁSランク冒険者だから情報には秀でてないとおかしい位なのか。


「良いと思うぜ、仕方ねェから魔王別邸、俺らが戻るまで使わせてやるよ。いいかユーデリア?」


「うむ、どうせ主がいなければ朽ちるが屋敷の運命さだめよ、なればお前達が維持のため使って貰った方が良い」


「お、おぅ、そうかい、まぁあの屋敷使えるってなら十分クラン員も過ごせそうだな」


 よし、屋敷の維持についても問題なさそうだし、僕らの次の目的地はグネイアス帝国。

 なんだかクライマックス間近って感じがしてきたぞ。

 予言でも蘇った魔王が破壊するのはグネイアス帝国だったし、集まりだすってことは、そうなる可能性が高いかも。

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