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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1757/1818

三百七・その束の間の平和がいつまで続くかを、彼らは知らない

「これで、ラストッ!!」


 ジャスティン君の一撃が頭が河童型のぬいぐるみ恐竜みたいな生物をカチ割る。

 シシリリアさんが撤退した辺りから新手の魔物が出てこなくなり、今、ようやく最後の魔物が倒された。

 リエラ達も戻ってきて、今は安全の確認と倒し残しが無いかの確認作業中。

 正直パッキーやキャットハムターが活躍するとは思ってなかったけど、皆しっかりと役割分担して闘えてたなぁ。

 意外とパーティーとしてはちゃんと機能してるんだね僕等って。


「全員集合、怪我人はいるかい?」


 グーレイさんの言葉で皆がぞろぞろと集まってくる。

 いやー、指令出来る人が三人もいた御蔭でだいぶ楽だったね。

 グーレイさんを総指令官としてアリーシャと灼上さんとガーランドさんが的確に指示して時にフォロー入ったり。


 最後の方は各人防御、攻撃、中距離、遠距離、支援、小型撃破部隊へと別れ、周囲の冒険者と協力して迎撃していた。

 シシリリアさんがいなくなった御蔭でずいぶん楽になったよ、指揮者が居ないとただの魔物の群れだったし。


 ちなみに、防衛はピピロさんとリックマンさん、ガーランドさんが受け持ち、攻撃に回ったのはジャスティン君、杙家さん、矢田、ノヴァ、カリオン、くまっぴょろん、ユーデリアさん、ニャークリアさん、斬星君、ゴールデンオカブ、くねくねちゃん。

 中距離というか遊撃部隊がGババァ、ギュスターブ、クラレット、グーレイさん、月締君、朝臣さん、尾道さん。遠距離はエストネアさん、メロンさん、ラウールさん。

 支援は、アリーシャ、ギオちゃん、小玉君。小型撃破部隊にキャットハムター、パッキー、アーデ、ついでにワトリ。


 ワトリのやつ攻撃方法ないかなって思ってたんだけど、意外と強かった。いや、本人は自己主張の為に翼広げたんだろうけどね、その瞬間近づいてた羽虫みたいな魔物が羽に激突して撃破されてたのだ。

 偶然とはいえ、何度か撃破出来ていたからグネイアススパイのカッパーちゃんたちより闘ってたといえなくない。


 ギオちゃんはどうするんだろうって思ってたんだけど、手持ちぶたさだった彼女にアリーシャが薬を手渡していたので、ギオちゃんもちゃんと戦闘に参加し、ダメージ喰らっていた冒険者たちに薬を配って回っていた。

 偶にアリーシャが間違えて毒薬渡してた気がするけど、謎のドジを誘発させて、冒険者に飲ませる前に魔物にぶっかけてたから問題は無いでしょう。


 ちっさいおっさんは何度か魔物に攻撃されかけてたけど、壊滅しそうになることはなく、巨大マンタに飲まれ掛けた時はGババァが撃破してお姫様抱っこで助けだしていた。

 なんていうか、ちっさいおっさんも何度か助けられたせいで気の迷いかトゥンクしていた気がする。Gババァ、オトすなら今かもしれないよ、やったネ。


「とりあえず、魔物の出現はなくなったかな?」


『申し訳ありません、皆さんが裏世界に向かうはずのフェアリーサークルも破壊してしまいました


「仕方ないさ、リΞ羅君。むしろそここそが奴らの進入ルートだったんだろう?」


『そう、ですね』


 じゃあ的確な判断ってことで。


「えーっと、どういうことです?」


「ああ、バグさんがフェアリーサークルを全て破壊したんだ。あのダンジョンからはもう裏世界に行けないってことさ」


「そのくらいなら別に問題はないですよ」


 灼上さんにとっても危険を放置するよりはマシだってことらしい。

 全部閉じたからしばらくあのダンジョンから裏世界へ行くことはないだろう。

 裏世界側からの浸食がしだいではあるけれど。


「矢田くんたちも悪かったね。アーデがシシリリアさんの拘束を解いてしまった」


「あー、まぁそこのガキがやったことなら仕方ねぇんじゃねぇか? あんたらの話しからすりゃ、そうした方がいいと判断したんだろ、神とかいう奴が」


「はは、そう言う訳ではないんだが。確かにアーデにしては随分と思いきった行動だったね。何か助けておく必要があったのかな?」


 グーレイさんの疑問に、アーデは小首を傾げるに留める。

 うん、ワザとらしいけど可愛いからまぁいいや。

 きっとアーデも何かしら考えて逃したんだろう。


「んで、だ、シシリリアさんのステータスを見ることで私達にとって敵の存在が少しわかった。名前こそ分からなかったが異世界の神が関係していることは確定だ。つまり、バイスグリムデによるパンテステリア侵略が現実味を帯びて来た。でも、敵は神だ。おそらく私と同じ位相の存在だろう」


 ―― 大丈夫グーレイさん? こっちも他の神々に声掛けて手伝ってもらうようにはしてるけど、グーレイさんがやられたら手の打ちようが無くなるわよ ――


「分かっているよ。異世界の神とは私が闘うしかないようだ。うん、バグ君にバグらせるのも考えたけどさすがに危険だろう。バグ君も、これ以上むやみにバグらせるのは止めたまえ。前回は全てのバグを失った御蔭で魂だけになったから救えたけど、今回バグってるのは生身の体付きの状態だ。バグ全てを使いきったとして、君の身体が五体満足で復帰できる保証は無いからね。一部裏返ったり、別の素材になっていたりする程度でもまだマシな部類、下手したら肉の塊になったり、魂だけ弾きだされたり、どんな状況になるか全く想像もつかない」


 うぐっ、神様相手に全力バグは封印かぁ、まぁ、僕としても生還したいから下手に全部のバグは使いたくないんだけど、確かに、バグが少なくなってる気はしなくもない。ちょっと、節約した方が良さそうだ。

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