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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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二百五八十三・その合流までの道のりが長い事を、僕らは知りたくなかった

「ちぇぇぇぇぇすとぉぉぉぉっ!!」


 凄い熱血漢溢れるオッサンとガーランドさんが打ち合う。

 ベテラン冒険者に襲撃されてるグーレイさんチームです。

 彼らの目的はモザイク棒人間の奪取。何しろ報告したチームが物凄い金額を貰えるらしいのだ。

 そりゃあベテラン組だって手に入れようとするものである。


 ああ、前回の町離れる前にほんとにギルドに報告出来てれば。

 まさか出た後でその事を教えられるとは思わなかった。

 駄女神マジ駄目神。


「ちぇぇぇぇりぉぉぉぉっ!!」


 しかし、あのオッサン打ち降ろし一辺倒だよなぁ。

 さらに格闘家と思しきお姉さんめちゃくちゃ強い。

 ユーデリアさんが居れば喜んで闘ってただろうに、こっちには居ないのでGババァが対応している。


 天性の勘かな? Gババァの光速突撃に完全に反応出来てるのが凄い。

 味方になってくれると凄く頼りになりそうだなぁ。

 ただ、精神性はちょっと悪人なんだよなぁ。そこはちょっとマイナスだ。

 何しろ僕等に襲撃仕掛けてくる高ランクパーティー、いやクランだもんなぁ。


「クソ、テメェらなにもたついてやがる! 俺らの方が人数多いだろうが! クラン全員で掛かって何苦戦してんだよ!!」


 正直、一人一人の戦闘能力は確かに強い。

 僕等のチームもそこそこだけど、おそらくリエラの剣術講座聞いてなかったら既に敗北必至でリエラ出陣状態だったと思う。

 けど、今はリエラはカリオン君の護衛でどさくさまぎれて攻撃してくるアサシンタイプの敵を斬星君の功績で撃滅しているくらいである。


 っていうか、パッキーやキャットハムターまで総出で普通に闘えてるのも凄い。

 パッキーは相手の荷物持ちかな? の女の子を遠距離で迎撃し、相手に回復薬が飛んで行くのを防いでいるし、キャットハムターはペットと思しき猫型魔獣を追いまわしている。


 相手の総勢は多分50程。ただ、どんどん増えているので各地に散っている同クランのメンバーが続々集結しているようだ。時間を掛けるほど相手が増えてしまうらしい。

 でも今の僕らなら充分闘える敵だった。

 というか、ゴールデンオカブの戦闘力がおかし過ぎる。

 相手の虎の子思える剣術使い相手に普通に押してんだもん。二刀流で衝撃波飛ばしまくって剣術使いなのに遠距離攻撃とかズルいでしょ。


 さらに遠距離攻撃を躱してなんとか接近すれば、明鏡止水付きの幻影斬華。

 三体に増えたゴールデンオカブに驚いた次の瞬間幻影全て消えて真後ろからのアッパースイング、ストライクバスターとか雷電崩からの竜巻斬でカチ上げ、火炎を発生した竜巻に加える焔舞。

 リエラが考え付いた魔術と剣術のミックススキルを使いまくっている。


 多分、リエラと闘ってもこいつだけは善戦するんじゃないかな? スキル覚え過ぎでしょ!?

 しかも魔法もいろんな属性使えるし。黄金だからかな? 希少種としてのスペックが高過ぎる。

 しかも剣術使った後の残心が無駄にカッコイイし。蕪に手足生えただけの癖に無駄にカッコ良過ぎだろ!?


「これはかなり善戦できてるね」


「うわー、皆さん気を付けてーっ」


 ギオちゃんとカッパーちゃんは普通に見学組だ。

 グーレイさんともども円陣の中央でゆったりと皆を見学している。

 いや、グーレイさん参加しなよ!?


「いや。とりあえず首謀者を探そうと思ってね。バグ君も暇なら探してくれ。誰が頭だと思う?」


 え? あそこで喚いてるオッサンじゃないの?

 凄く口うるさいし唾飛ばしまくってるしエラそうだよ? 


「アレはただの偉そうな奴だね。現に殆どのメンバーが命令を無視してる。おそらく暗殺を警戒して代役にされてるんだろう。つまり、リーダーは別にいる」


 うーむ、そういわれると確かに一人は対応出来るメンバー居た方がいいのか。

 それがグーレイさんって事ね。

 んじゃー、僕はアーデを……アーデどこだ?


「ふはは、テメェーら油断したな! こいつがどうなっても……」


 どらっしゃぁ!!

 よく分かっていないアーデを抱えてなんか言っていた悪そうな男に思いっきり投げつけたのは、とある売店寄った時に屋台借りて小玉君が作ってくれたのを頂いておいたあっつあつのスープ。

 思いっきり顔面にゼロ距離投擲。


「ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああっ!!?」


 お笑いでパイを顔面に投げつける状況のように、真正面でポシェットから取り出し顔丸ごと漬け込む形で押し込んでやった。ほら、アーデ逃げるよ。


「お?」


 って、なんでそこでマーブルアイヴィ!? いやヒヒイロアイヴィか。

 全身熱々汁に塗れた男が蔦に絡め取られて身動き取れなくなった。

 あつあつ言いながら全身の動きを奪われるとか……さすがに不憫な気がして来た。

 と、いってアーデを人質にしようとするような奴は別にこの程度問題ないよね?


 身もだえる男を放置してアーデを安全圏へと連れて行く。

 しかし、この闘い、すでに人数増える方が早いし、夕方位までかかりそうだなぁ。あの温泉街まで、どれだけ時間かかるだろうか……

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