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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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二百五六十八・その用心棒の実力を、彼らは知らない

 意外と強い用心棒が一人、リエラと切り結ぶ。

 ほら、急げカリオン君。


「のぴょ!?」


 今の内今の内。皆がリエラと用心棒の闘いに魅入ってるうちに逃げだすんだよ。

 背中を押してモザイク棒人間を部屋から脱出させる。

 ほら、駄女神共、遊んでる暇ないぞ。グーレイさんと連絡取って、これ、多分かなり大問題になるから。


 ―― あいあい、とりあえずグーレイさんに連絡入れたよー ――


 リエラが結構剣撃続けてるな。かなり強いぞ用心棒。

 なんでこんな教団に所属してるんだろう?

 もっといいとこ沢山あるのに。


「うぉぉ。閃空閃!」


『スタンラッシュ!』


「なにぃっ!?」


 リエラの攻撃は見えないから相手にとっては技量以上の負担がある。

 ゆえにスタンラッシュなどの体制崩し攻撃を喰らうと一気に形勢が悪くなるのだ。

 リエラ、カリオン君回収完了、逃げるよ!


『了解です。アッパースイング!』


 剣の腹で相手をカチ上げ吹っ飛ばす。

 踵を返して部屋から脱出。

 僕等に追い付いてきたリエラと二人、カリオン君を両側から持ちあげ走りだす。


「のぴょぉ!?」


 急げ急げ、相手が気付くより先に逃げ切るぞー!


「魔王様が居ないぞ!?」


「チッ、やってくれた……気配が、消えた? しまった殿か!?」


「追え! 逃すなっ! 魔王を我が奴隷にして魔王だらけの魔王軍にするのだ!!」


 本気で魔王軍考えてたのか、多分道半ばで死ぬから止めときなさい。


『とりあえずそこいらにある観葉植物とか押し倒しときましょう。真っ直ぐ走れなくなるから多少時間を奪えます』


 なるほど、じゃあポシェットから魔物の死体大量放出だーっ。


「な、なんだ!? 魔物が神聖なこの神殿に!?」


「死んでる、ただの追っ手を撒くためのモノだ。無視して進め!」


「ひぃ、血が、血が!? 魔物の血がぁ、穢れる!?」


「血くらいで騒ぐな馬鹿か!?」


 意外と効果でてるな。


『こういう時ってバグさん頼りになりますよね』


 それ、褒めてる?

 にっちゃうの亜種、ちょっともったいないけど沢山あるから放出じゃー。あとなんか気持悪いカエルもどきもあげちゃうぜ!


「この色のにっちゃうは初めて見るな」


「馬鹿、止まるな!?」


「ひぃ、気持悪い。ぶよって、今ぶよってした!?」


「俺こういうの駄目なんです! 後任せます」


「諦めんな!? ええい、急げ、逃すな!!」


 まだまだ諦める気はないようだけどだいぶ差ができたな。

 用心棒がナイフ投げてくるけどこれはリエラが迎撃してくれてるから放置。

 むしろそこいらで見付けたアーデが拾った石を投げてやる。


「あいたっ!?」


「なんで石が飛んでくるんだ!?」


「あ。これもしかしてミスリル!?」


 おっと間違ってミスリルの塊投げちゃった。

 小さい礫だったから間違えてしまったようだ。


「のっぴょぅ!?」


 前からもか!? ふ、甘いな!

 ポシェットからとりだしたるはグネイアス王国の宝飾品。大盤振る舞いだ。受け取るがいい!


「おおお!? 宝剣だ!?」


「こ、これは、一体どこから」


 カリオンくんを止めようとした二人の魔王復活教団員は、グネイアス帝国の宝を眼にしてそちらに意識を奪われる。

 ゆえにカリオンを止められる存在はおらず、僕らは彼らの横を通り抜け、無事脱出を果たす。


「馬鹿者!? 何をしとるんだお前たちは!?」


「クソ、逃すか!」


 残念、もう逃げちゃうぜ。

 そーら、鎧もあげちゃうぜー。


「うわ、鎧が邪魔……これ、グネイアス帝国の紋章だぞ!?」


 おっとヤバいの投げちゃった?

 情報が……まぁいっか、僕らのせいではないし。

 グネイアス帝国が魔王匿ったとか言いだしそうだからグネイアス帝国にとってはちょっと面倒かも? まぁ魔族領侵略してるし、これを好機ともっと攻め込んで行くかもね。

 丁度ここの近くまでグネイアス軍来てるらしいし。


「おのれグネイアスめ! ここまで来ているだと!? 魔族を滅ぼすつもりか!?」


「クソ、追い付かん!」


 用心棒さんようやく諦めたようだ。

 かなりしつこく追って来てたからヤバいかと思ったけど、諦めてくれたようで何よりである。

 奥の手使わなくて良かったよ。


 バグは出来れば多用したくないからね。

 何が起こるかわからないから使わないなら使わない方がいいのさ。

 変なとこで使ってる? 気のせいさ。必要な時しか使ってないよ、HAHAHA。


 神殿を脱出すると、丁度Gババァが待っていた。

 光り輝く黒ローブは一人しかいないからバレバレだよね。

 カリオン君に持っていた黒ローブを被せて周囲と同一化させると、小脇に抱えて光の速さで去っていった。


 僕とリエラだけなら自力で帰れるだろってことで放置するようだ。

 折角だしついでに連れてってくれればいいのに。

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