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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1682/1818

二百三十三・その始まりそうな恋を、僕は知りたくなかった

「あれ? アーデも剣買ったの?」


「おー」


 てってれーと斬星君に見せつけるように天に掲げるのは、僕が見付けてしまったアズセ式十変化ガンブレード。

 そう、ピピロさんが手に入れたオールレンジリフレクターを作ったぶっ飛んだ作者の武器である。

 思わず買ってしまった。

 さすがに斬星君に三つ目を買わせるのは悪い気がしたので僕のお金でアーデに買ってあげたのである。


『バグさん、それ、バグさんのお金じゃなくてグネイアスの宝物庫にあった奴ですからね』


 大丈夫、もはや返す気もないから!


『笑顔で言う事じゃないですよね!?』


 でもさ、ほら見てよ。アーデの持ってる武器、滅茶苦茶高性能なんだぜ。なんとただの剣じゃなく十もの可変を持つ剣なんだ。

 魔力を流すことで形状が変化して、まずは剣の形態、そして銃剣形態、銃形態、双剣形態、曲刀形態、自動迎撃形態、刀形態、ビームソード形態、そしてシークレット二つというトンデモ機能なんだぜ!


『うーん、この理想を全部詰め込みましたって感じの、特化型にすれば凄いのが出来そうなのに可変に技術を詰め込み過ぎて切れ味とか他の部分がだめでした、な感じがしちゃうのなんででしょうね?』


 的確!? やめて、そんな事言っちゃうと本当に切れ味駄目だったりしそうだし。


「へー、凄い武器だねアーデ。いいなぁ、僕もそっちにすればよかっ……え? くれるの?」


「おっ」


「あ、ありがと……うわぁ、なんだこれ、魔力の流し方で武器が変化するのか。慣れるまで大変だけど慣れたら使い勝手良さそうかも」


「へー、なんか楽しそうな武器ですね。わっ。私でも変形するんだ。あ、でも難しい。常に一定魔力流してないと形状が安定しないですよこれ」


 そうなんだよ。魔力を維持するのが難しいせいでガラクタ扱いされててすっごく安かったんだこの剣。


「魔力次第で強くなる、か、でも剣だから僕には凄く便利な武器なんだよなぁ。なんだろう、このしっくりくる専用武器の感覚」


 確かに剣の扱いが他の人より極級に上手い剣の英雄である斬星君なら魔力を一定に保たせるのも剣の扱いという枠に入るので楽に出来るのかも。


「でも、こんないい武器貰っちゃうだけってのはさすがに申し訳ないなぁ。よし、なんかアーデに似合うの買ってあげよう。道具屋にあるかな?」


「あは、折角だし私も選んでいいですか?」


「うん、じゃあ二人で選ぼっか」


 ……リエラさんや?


『なんですかなバグさんや』


 気のせいか、この二人デートしてるような感じがするんですが?


『アーデが一緒にますけど基本二人ですからね。なんというか傍から見れば夫婦みたいにも見えますよ?』


 アーデを娘に見立ててなの!? 確かに傍から見ればソレっぽいけども……

 うーん、ま、まぁアーデが本当に娘になった訳じゃないからいいか。


「ここですね道具屋さん」


「日用品コーナーじゃなくて土産物コーナーの方に行こう」


 あの、リエラさん……


「はいはい、なんですかなバグさんや」


 どう見てもカップルなのですが。ほら、同じアクセサリー触れそうになって、あっと手をひっこめたり、それで相手を見て意外と距離が近いのに気付いて顔を赤らめたり、普通に魔王が乙女ですよ!? あれ、元男ですよね!?


「こ、コレとかどうかな?」


「こ、これはどうでしょう?」


 別々のアイテムを選んで互いに見せ合う。


「アーデには、ちょっとアレ、かな」


「そ、そうですね」


 というか、今持ってるのはアーデ用じゃなくてお互いへのプレゼント用だろ。斬星君の持ってるのはどう見てもリップクリーム系の奴だし。アーデのプレゼントには不適格だよ!


 ギオちゃんが持ってるのはピアスかな? いやマジックイヤリングだ。くっつけるタイプの奴だね。斬星君には、確かに似合うかも?

 アーデはあんなの付けちゃダメだよ。耳に穴開けたりしないでよ。僕はショックで気絶する自信あるぞ。


『さすがに耳に穴は開けませんよ。あれ? あの、開ける人、居るんですか?』


 地球の方だと結構皆開けてるよ、イヤリング通すために耳に穴開けるんだ。


『ひえぇ、地球って恐いですね。私は絶対止めておきます』


 うん、リエラはそのままでいいと思います。


「んじゃ、これでいいかな?」


「そうですね。いつも何か持ってますし、これでいいかと思います」


 そして二人が互いのプレゼントと共に買ったのは、子供用の魔法の杖だった。

 魔法の杖と言ってもお遊び程度の杖で、魔力がなくても杖を振るうだけでしゃららんっと光が杖に付いてくるという玩具である。


 アーデはプレゼントされたソレを小首を傾げながら振って、一回で気に入ったようだ。

 ぶんぶん振るってしゃららんしゃららんっと光りのアーチを作りだしていた。

 うん、今日も脳内シャッターが鳴り響いてしまうぜぃ。

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