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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1679/1818

二百三十・その組織が壊滅することを、彼らは知る気は無い

「お、おい、時間が早過ぎる!? ついさっき連絡来たばかりだぞ!?」


「オルァ! ここかテメェ!!」


「クソ、来やがった!?」


 おー、ついに来たよボスっぽい人。

 って、おおお、若頭、若頭だよリエラっ!


『え? えーっと、あの白い服の人ですか?』


 そうそう、ほら、グラサン掛けてるしポマードで固めた髪だし、どう見ても若頭でしょ!?


「うわー、ヤーサンかなアレ」


「なんだ斬星、あいつ知ってんのか?」


「え? いえ知らないです。ただ恰好がそれっぽいなーと。まぁこの闇組織にはぴったりの服装かなって思いますけど」


「クソ、オイテメェらさっさと出てこい、高い金払ってんのはこう言う時の為だぞ用心棒共!」


 おっと、三人の男が出て来たぞ。

 結構出来る感じのガラの悪そうな筋肉質の男、目元に刀傷がある剣客みたいな風貌の流浪人。そして顔を黒い布で隠した上半身裸の猫背の男。


「ヒャハハ、どうしたどうした? 死にたい奴がついに来たのかァ?」


「ふむ、斬りがいのなさそうな連中だ」


「ケケ、女ァ、ふひひ、殺っていいのかァ?」


 うっわ、やば……死亡フラグ立ててる三人組が現れた。


「ぶっ殺せェ!!」


 若頭の号令で三人が僕らの元へとやってくる。

 対峙するのはガーランドさん、斬星君、そしてGババァ。

 独断と偏見でグーレイさんと僕が決めました。

 実質筋肉対筋肉。居合い持ちだろうオッサン対チートリエラさん、暗殺特化対男特攻SAN値殺し。

 うん、過剰戦力な気がする。


「君が、ここの長だね」


 そしてグーレイさんが闘い無視して若頭に問いかける。


「だったら何だってんだ? まさか人道にもとるからとか言うんじゃねぇだろうな?」


「いいや、君たちに対峙する理由なんて簡単だよ。私達が気に入らなかったから潰す。君等も良く使う理由だろう?」


「は? ……はは、ははははははっ! なんだテメェは!? 気に入らないから俺が築き上げたこの組織を潰すってか! くはははは、そりゃすげぇ、正義感ぶった偽善者の言葉よりよっぽど俺好みだ! いいぜぇ、おもしれぇよ銀色の亜人! 潰せるもンなら潰してみせなぁ!!」


 なんか四つ目の闘いまで始まっちゃったんですけど!?

 どうしよう、どうしよう、どっかフォロー入った方がいい? アーデどうし……踊っとる!?

 くねくねちゃんたちも、なんでニャークリアさんまで踊ってんの!?

 ええい、僕も踊る! 皆がんばえー。


 ガーランドさんとやられ役顔のガチムチ男が両腕を組んで腕力勝負。

 なんで武器捨てたの!? 殴り合いも無しでなんで腕力で相手を下そうとしてんの!?

 パワーファイターの脳筋スタイルマジ意味分かんない!


「今宵の胡月はよく斬れる……若くして散るもまた、一興。その身が大成する事叶わぬとは哀しく思うぞ」


「あー、その、こちらこそ、すいません、こんな意味不明な勝ち方で」


「ほぅ、もう勝った気でいるのか?」


 武器はやっぱり刀っぽい。

 鞘に入れられた刀の鍔を押し上げ居合体勢。

 普通に打ち込んだ瞬間を狙っていらっしゃる。


『角龍乱舞』


「ぐ、おおおおぉぉぉ!?」


 突如全身を切り刻まれる流浪人さん。何が起こったか理解すら出来ずに地に伏した。


「な、何が……き、貴様は、一体……」


「あー、グネイアス帝国に召喚された、剣の英雄だ」


「剣の、英雄……くく、ははは、死出の相手は英雄か……我が敗北、それもまた一興……」


 うん、勘違いしながら気絶しました。

 さすがに命は取らなかったようだけど、この闘い中は目覚めない程度の気絶はさせたみたい。


「ひ、ひぃぃぃぃっ!? 来るな、来るなぁぁぁ!?」


 猫背の男は暗殺しようと思ったものの、光速で迫りくるババァに戦意喪失して逃げだした。

 しかし、逃げた方向には既にババァが回り込んでいる。


 ―― ババァからは、逃げられない ――


 ぎぃやあああああああああああああああああああああ!?

 って、なんでホラーっぽく言うんだよ駄女神! 耳元でささやかれたみたいで驚いたじゃん!?


「オルァ!」


「がはぁ!? こ、この俺が腕力で屈する、だと……ナイス、マッスル」


 がくっと力尽きたのはガーランドさんが相手取っていたガチムチ男。

 気絶前の一言が意味不明過ぎる。というか、何がどうして気絶することに!?


「な、なんだこりゃ? なんでこんな簡単に!? おい、用心棒共! この給料泥棒が! 畜生ッ!」


「残念だが、搾取する時間は終わりだよ。ここからはされる側だ」


「ふっざけんな! 俺だって伊達にこんなところで頭張ってね……」


 ピチュンっ。


 武器を引き抜き飛びかかろうとした若頭。

 その頬を、一筋の光が駆け抜けた。


「お、おいおい、なんだ、そりゃ?」


 ピチュンピチュンピチュン


 ワザと外しての連撃。

 もはや勝ち目がないと知らされた若頭は武器を手落としその場に膝を付くのだった。

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