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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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二百二十・その探索方法が有効的かどうかを、彼らは知らない

SIDE:灼上信夫


 光系魔道具の選定は済んだ。

 皆で大人買いして配布も終えた。

 となると、次はソレを使って遠くに探索、なんだけど、さすがに広過ぎるフィールドを全員でいちいち探索してたら何年かかっても調べきれないってことで、チームに別れて東西南北を捜索することになった。


 メンバーを決める段階でいろいろ問題はあったけど、基本モザイク三人衆はそのまま三人でいてもらうことになり、あの三人だけだと心配なのでユーデリアたんを。そしたら月締君いないと嫌だと言いだしたので北に向かうチームは五人組になった。

 必然的に、他チームが三人になるんだけど、僕のチームは僕と矢田を離すとちょっと暴走しそうってことで一緒になることになりましてですね。残りの一枠を美樹香たんとゴールドたんが争うことになり、なんやかんやで二人揃ってチームに割り込んできた。

 まぁ、他の二チームが三人づつだったので三チーム三人ずつにすると一人余るからってことで僕らのチームが四人になったってところである。


 西にシルバーたん、ピピロたん、リックマンさん。

 東に小玉氏、尾道さん、檸檬たん。

 そして南が僕等四人組の担当だ。


「んじゃー、とりあえず、今渡した砂時計が尽きたらここに戻ってくるように。くれぐれも何度も裏返して遊ばないでね、特にモザイク共」


「安心せよ。このような小道具など不要。我が腹時計よりも正確なモノは無しっ!」


 ユーデリアさんが頼もし過ぎる。

 バグったって聞いたけど、正直彼女は戦闘面だけでいえば今の方が大当たりだ。

 月締君には悪いけどね。


「じゃあ月締君。モザイクたちの面倒お願いするよ」


「ああ、うん。僕でなんとかなるか分かんないけど」


「大丈夫だよ、基本戦闘面や危険な状況判断はユーデリアさんがやるだろうから、君はそこの三人がアホな事しないように見といて貰って、ヤバそうだったらユーデリアさん嗾けて」


「僕はユーデリアの買主か調教師なのかな? 軍用犬じゃないんだよユーデリアは」


 不平不満をいいながらも、北伐チームが去っていく。


「んじゃ、俺らも行くか」


「あの、私もこちらで本当によろしいのでしょうか?」


「問題なしなし、陸斗の料理美味しいから途中でおべんと食べようよ」


「檸檬は食べることに夢中になり過ぎないように、特に魔物は生で食べんなよ?」


「えー。ぶーぶーっ」


 踊り食いは止めて差し上げて?


「んじゃ、行ってくる」


 腰に吊るした砂時計を逆さに倒して結わえ直し、小玉氏達が去っていく。


「あの、僕、がんばります!」


「こちらのチームは私とシルバーさん、そしてピピロさんか」


「あ、私戦力外ですから守ってくださいね」


「僕は守るしかできませんから、任せてください!」


「いや、その女、かなりの女狐だからあまり必死に守る必要はないと思うぞ」


「あら酷い。守ってくれますよねー、ピピロさん?」


「あはは。とりあえず死なせるつもりはありませんよ」


 大怪我くらいなら許容すると言ってるように聞こえたのは僕だけだろうか?

 まぁ、シルバーたんは自分で身を守る位できるだろうから問題はないよ。一応スパイとしての基本能力は持ってるだろうし、ゴールドたんよりも隊長やってそうだから優秀っぽいし。


 ピピロさんたちも去っていき、僕らだけが残される。

 あの、ゴールドたんも美樹香たんも、なんで僕の両側から腕をからめてるんでしょうか?

 あの、矢田が見てるんだけど?


「リーダーはホント無駄にモテるよな」


「いやいやいや、これモテてるの!? モテ遊ばれてません!?」


「まぁ、どっちでもいいじゃねーか、さっさと行こうぜ。とりあえずはこの松明で良いんだっけか?」


 蛍光液ひっかぶるのは最終的な危機的状況の時でいいでしょ、あれ後始末大変なんだよ。服の蛍光結局まだ取れてないし。

 御蔭で松明関係なく魔物が寄ってこないんだよね、ゴールドたん以外。

 ゴールドたんも蛍光液掛ける?


「えっち」


 なんで!?


「南に行くって言ってたけどさ、南ってどっち?」


「とりあえずフェアリーサークルを起点にしてるんだ。こっちだ。とりあえずこのまま真っ直ぐ砂時計が終わるまで南進するつもりだよ」


 さすがに歩きづらいし、注意力に問題が出てくるので歩きだすと二人は自然と離れて行く。

 ふふ、つかの間のモテ期でしたな。

 涙がちょちょぎれるぜぃ。ああ、これ死語か……くすんっ。


「しっかし、ほんと寄ってこなくなったな魔物」


「この周辺は比較的弱い魔物みたいだからね。問題は大型や凶悪な魔物だよ。同じように避けてくれるのか、光の強さによっては気にせず殺しに掛かってくるか、その辺りを調べるためにもこうして探索してるのさ」


「それってよぉ、他の奴らもやべぇかもしれねぇのか」


「場合によってはね。だからとりあえずの目安でこの砂時計と緊急時用の蛍光塗料なのさ」


「それでも起きる時は起きるってことか、そうならねぇことを願っとくぜ」


 まぁ、この周辺だけなら大丈夫だろ。森や林も深く入り込まなきゃ襲われることはなさそうだし。

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