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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1663/1818

二百十四・その魔王だった何かの姿を、僕らは知りたくなかった

「うぅ、なぜ、こんな事に。しかもスキルが、腕力が……」


 バグったせいでなんか全てのスキル使えないらしいです。


名前:ギオpあIデカスギガス

称号:無胸の魔王

レベル:B57W45H61

 スキル:

  物理無抗化結界:ムッツリを無効化。

  魔法無効化尻界:魔王を無効化。

  精神萎常無効化結界:西進委譲を無効化。

  紙方結界魔法陣:隠し魔法陣を遠方に配置することにより結界を常時発動。

  買塩砲拓砕:あポろΘ欄ォま機戡鷁なま贍。

  哀れ板乳失:お前に与える爆乳はねぇっ!

  TSの心得:男であった過去がある。女になった今がある。

  乙女化10倍:オヤァ?

  ぺしゅ:相手に100億の固定ダメンズを与える。

  魔王の矜持:勝利を確信すると土下座する。


 あれ? スキル構成変わってる?

 あ、違う、バグが浸食しきったようだ。

 仕切ったかどうか分かんないけど僕にも分かるスキルになり始めた。

 多分、バグが浸透してスキルが変化するまで少し時間がかかるようだ。


 っていうかTS娘に乙女化10倍って……

 もはや男性型ガチムチ魔王だったことすら遠い過去の出来事に……

 な、ナムー。このバグだけは僕絶対起こってほしくないなぁ。


「ふぅむ、どうも完全に普通の女の子になってるみたいだね。スキル使えないんだよね?」


「こ、この我が、この我が、なぜぇ……」


 ゴシックロリータファッションを着て眼帯付けたツインテールドリルヘアになった魔王ちゃんが四つん這いで嘆く。

 気持は分かる。でも御免、ついさっきまでこっち殺そうとしてたんだから仕方ないと思うんだ。

 生きてるだけマシだって思って貰おう。


「おー?」


「うぅ、うえぇ、なんでこーなるのぉ」


 うそん、魔王ちゃんギャン泣きし始めた!?

 これ、普通に乙女化しちゃってるじゃん。漢女化したユーデリアさんとは逆パターンで泣き虫っぽくなってるようだ。

 泣き方も、お尻ぺたんってついてのわんわん鳴きだし。漫画とかに出てきそうなあざとい女の子泣きになってるじゃん、男魔王の欠片すら見当たらない

 現実の女の子通り越して想像上の乙女化しちゃってんじゃん。いいのかそれで?


 アーデの手を掴んで立ち上がり、まだひんひんと泣きながら僕等と一緒に歩きはじめる魔王ちゃん。魔王ギオpあIデカスギガスだし、略してギオちゃんでいいかな?


『あ、駄目ですバグさん、バグさんが名付けしちゃうとその名が……あっ』


 魔王ちゃんが光輝いた。

 ふぇ? と顔を上げた魔王ちゃん。既に名前が変わってしまった後だった。

 魔王ちゃん改めギオちゃん爆誕! やっちった。


『もぅ、バグさんはっ、もう。やるならもうちょっと可愛い名前にしてあげてくださいっ』


「いや、そういう問題じゃないからね……」


 グーレイさんが思わず突っ込み入れて来ちゃったよ。

 よっぽど我慢ならなかったんだね。


「とりあえず、魔王の脅威は無くなったみたいだし、一旦外に出ようか?」


「それがいいだろぉな。しっかし、あの魔王がこんなかわいい嬢ちゃんになっちまうとは、実際眼にしたが未だに信じらんねぇ。頭がどうにかなっちまいそうだ」


「にゃはははは、変わり過ぎて笑えてくるにゃ、あのガチムチ魔王がこんな、こんなぶははははーっ」


「ニャークリアがツボってやがる……こいつこんな笑い方もすんだなぁひくわぁ」


 ジャスティンさんが引くって相当だよね? まぁ涙流して指差して笑ってるのはちょっと酷いってのは僕も分かる。


「うーん、まいったねぇ、男と口付けしたのに、これは女性に口付けたということになるのかねぇ?」


 Gババァはどーでもいいことに悩まなくていいと思う。


「それで、これからどうすんだ?」


「とりあえず魔族領の総本山の方にゆっくり向かおうか? それ以外に急いで行く場所は今のところなさそうだし」


「ギルドで情報募ってるから何かあればそっちに行けばいいでしょ」


 あー、この行き当たりばったり感。皆冒険者だなぁ。


『ちょっとバグさん、聞き捨てなりません。私達だってちゃんと計画組んでやったりしてますからね!』


 はいはい。でも基本なるようになるって精神で行動してるでしょ。


『違いますよぅ、もー。グーレイさんちょっと言ってやってください』


『え? いや、ごめんバグさん。私も基本行き当たりばったりで良いかなって思ってた』


『駄目だこの神っ!?』


『ちょ、駄女神呼ばわりは止めてくれ』


 グーレイさんの場合駄女神じゃなくて駄ン神だけどね。


「それにしても、楽しそうだな、アーデちゃん……」


 ギオちゃんとお手手つないでふりふり歩くぴよぴよアーデ。

 そういえばGババァからびよびよシューズ貰ってたけど、君いつから履いてたの?

 あと逆の手に持った木の枝は毎回どっから調達してるのかな?

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