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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1655/1818

二百六・その別行動した仲間たちの安否を、僕らは知らない

「えー、では、第一回新生グーレイチーム会議を始めます」


 旧魔王別邸の会議室を使用し、僕らは会議を始めていた。

 参加しているのはグーレイさん、僕、リエラ、アーデ、ガーランドさん、ジャスティンさん、エストネアさん、ニャークリアさん、斬星君、Gババァ、メロンさん、ラウールさん、くねくねちゃんとキャットハムター、パッキー、カッパーちゃん、ブロンズちゃんといったメンバーである。


 他のメンバーは本日の朝、フェアリーサークルを越えて裏世界へと旅立っていった。

 一応この地の場所を覚えて、ここ、魔王城別邸を拠点として攻略を進めるらしい。

 なので、月締君やユーデリアさんも向こうに付いて行った。


「我々は本日より魔王復活教団の活動阻止を目的に世界各地を旅しようと思う。何か意見があればぜひ言ってくれ」


「世界各地ってこたぁ、魔族領も人族領も全部か?」


「そうなるね。何か問題でも?」


「ヤベェ魔族領とか人族領もあんぞ? 法律違反したら即死刑の国とか、国民全員から命狙われる国とか」


 なんでそんな危ない国あんの!? 野放しなのがむしろ驚きだよ!?


「その辺りこそ活動してそうなんだよなぁ……」


「ふぇっふぇっふぇ、別にその国の法律に従う必要はなかろ?」


「まぁ、そうなんだよね……」


「その辺りは私達の方からグネイアス帝国に報告あげるし、ギルドの方に話せば問題ないでしょう。英雄に味方するか危ない国に味方するかって言えば基本は英雄側よ?」


 へー、そうなのか。

 ブロンズちゃんの言葉にふむっと考える。

 最悪そういった場所は僕とリエラだけで向う事になるかなぁと思ってたんだけど、皆で向うことはできそうだ。


「あ、それじゃ私から一つ」


「メロンさん?」


「私の故郷、多分殺しに掛かってくるわ。行くなら覚悟しといて」


「彼女、父親と喧嘩してるらしい」


 いや、喧嘩で殺しに掛かるって……何したのメロンさん!?


「おーっ」


「ん? どうしたんだいアーデ? ああ、もしかしてさっさと次進めろって催促かい。というか、なんでそんなモノ持ってるの?」


 アーデが持ってるのはグネイアス王国の宝物庫に置いてあったダーツだ。

 ダーツ用のプレートとかなかったのになぜかダーツだけ三つ置いてあったんだよね。

 その内の一つを手にしているアーデは、壁に掲げられている巨大世界地図に向かってダーツを投げる。

 ぷすり、刺さったのは……


「ちょ、まさか異世界ダーツの旅でもするつもりかいアーデ!?」


「はは、ここが次の目的地か」


「人族領の南側ね」


「ここからまた逆戻りになるのか」


「折角だからゆっくり行こうぜ。魔族領いくつか素通りしてたろ」


「それもそうだね」


 ガーランドさんの一言でゆっくり各地を放浪することになった。

 魔王復活教団かぁ。

 あいつ以外にも居るって言われてるけど今のところあいつ以外あったことないんだよね。


「それじゃ、今日はこれから準備を行うとして、何時出発しよう?」


「俺らは準備できてるぜ? 明日からでも問題はねぇ」


「私も問題無いわ。ラウールは?」


「いつでも構わないさ」


「あ、私達も、いつでも行けます」


 カッパーちゃんの言葉にブロンズちゃんも頷く。

 どうでもいいけど最近ずっと一緒だよね。報告しに行かなくていいの?

 で、魔物達は……ああ、話に飽きてるね。くねくねちゃん、ようやく私の番、じゃないんだよ、なんで君まで僕にくっついてるの? 逆隣のニャークリアさんに対抗?


 そしてリエラは何故僕の背中にブレストプレート押しつけてるの!? ゴリゴリするよ? すごく背骨がごりごりするの!! 待って、リエラ待って、それ以上はイケナイ、背骨がボキッと逝っちゃうからぁっ! あ、あ、ごりごりしゅるぅぅっ!!


『あー、リエラ君、そろそろ止めてあげなさい、バグ君がなんか変な扉開いちゃうから』


 開かないよ!?

 っていうかリエラ、ブレストプレート要らないじゃん、普通の服に着替えなよぅっ。


『ワザと当ててるんですっ』


 それ、当てつけっ、なんかもう嫉妬心が隠れてませんっ、自己主張強いよ!?

 分かるけど、分かっちゃうけどプレートごりごりは止めてくださいっ。


「ぴるるぴー」


「きゅーぅ?」


 パッキーとキャットハムターはニャークリアさんが用意したヒマワリの種食べ始めてるし。

 アーデも摘んでるじゃん。美味しいのソレ!? まぁ、人間でも普通に食えるらしいけども。


「って、キャットハムター滅茶苦茶ほうばってるし、両頬膨れすぎでしょ!? あ、ほら、こぼれてるじゃん!?」


「あはは、可愛いにゃー」


 ブロンズちゃんとニャークリアさんが喚いてる。

 僕はそっちに気を配る余裕がないよ。

 リエラ落ち付いてっ、ほ、ほら、僕としてはリエラを妻として正式に認識してるから、だから……


 ―― つまり、正妻の目の前で堂々と浮気ですな ――


『むぅ、言われてみれば』


 え? 嘘だろ!? おい、駄女神、てめぇやりやがったな!?

 あ、待ってリエラさん、首に腕巻き付けるのはいいけどちょっと締めすぎ……きゅぅ。

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