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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1651/1818

二百二・その功労者と参加者の報酬に区別が無いことを、彼らは知りたくなかった

「いやー、ありがとう、助かった」


「魔王陛下自ら鎮めてくださるとは、今度の魔王陛下はすばらしいですな」


 なんか、ギルド長とか変なおっちゃんがべた褒めである。

 モンスターパレードは結局殆ど闘うことなく終わったらしい。

 ギルドから派遣された冒険者たちは今報酬を貰っているところだ。


 僕らも報酬貰ったは貰ったんだ。一応冒険者だし、参加はしてたからね。

 でもさ、他の冒険者たち最高でもスケルトンキングだったじゃん。一匹を複数チームでタコ殴りだったじゃん。こっちはその群れを少数で撃破しまくったんだよ?

 マナポーションだってめっちゃ無駄遣いしたし、馬鹿高いポーションをガーランドさんとかがぶ飲みしちゃってたし。

 なのに、他の冒険者たちと報酬一緒? おかしくない?


 しかもうちのチーム魔王陛下のユーデリアさんが居たんだよ?

 なのに他の冒険者たちと報酬一緒!?


『あー、はいはい、どうどう。バグ君スタンダップ。じゃなかったシッダン』


「あー、こりゃ完全に赤字だ。素材全然回収出来なかったしな」


「あはは、でももう一度あそこまで行く気力はないわね」


「まー、こんな時もあるっしょ、アレを生き延びたんだし、それで良しとしようぜ」


「うにゃー、にゃー達だけだったら多分死んでたにゃー」


「いや、さすがに俺らだけなら即逃げだったからな」


 ガーランドさんが呆れた声でニャークリアさんの言葉を否定する。

 まぁ、そうだろうね。

 多分斬星君や矢田の為にあの場に残って闘い続けたんだろう。

 自分たちだけなら逃げ切れたけど、彼らは確実に追い付かれて殺される。だからあの場に残るしかなかったのだ。


 それで死んだら終わりだって話だけど、ガーランドさんはリエラの存在に気付いてたんだろう。彼女が本気出してくれればまだ全員生還の道はあるだろ、と居残り闘う道を選んだのだ。

 事実全員無事に脱出出来たんだから、結果論だけど良かったってことで。


「あ、素材でしたら僕回収しときましたよ?」


「え? マジ? 月締君、回収できたの!?」


「え? 普通倒したら回収しますよね?」


「いや、回収出来る状況じゃなかっただろ?」


「何言ってんです矢田さん? スキルのアポーツでアイテムボックスに自動回収できるじゃないですか? 皆やってなかったんで皆の分も回収しちゃいましたよ?」


「お前……やるな」


「さすがだ我が愛! それでこそ我が最愛の者よ!」


「ひゃっほーう、やるじゃねぇか月締! 愛してるぜーっ」


 が、ガーランドさんが歓喜のあまりに頬ずりし始めた!?


「ぎゃぁぁ!? 髭が髭が刺さってるっ!?」


「がはははは、遠慮すんな。お前は俺らの救世主だ!」


 と、いうわけで、あの乱戦の中律儀に全部回収しちゃった月締君がアイテムボックスから入手品を取り出して行く。

 さすがにギルドの一角でやる訳にも行かないので鑑定用倉庫に案内して貰いついでに買い取りして貰うことにしたのだ。


 ギルドとしても話にあったスケルトンエンペラーやらその上位存在の素材は楽しみなようで、どれくらいの値段にすべきか責任者たちが話し合っている。


「えーっと、この辺りがスケルトンキングで、こっちがスケルトンエンペラー。うわー、結構多い」


「すげぇな、スケルトンエンペラーだけでも数十体いるじゃねぇか、良く倒したなオイ」


「こっちが……なんか凄い骨?」


「待て待て、俺が鑑定してやんよ。えーっとスケルトンファラオ?」


 ファラオ!? なんでさ!? 皇帝の上がファラオ!? どういうこと?


「んで、こっちの一匹だけのが……スケルトンデミゴーデス」


 デミゴッド!? いやいやいや、これほぼ最上級の一個下とかじゃないの!? グーレイさんどうなのよ!?


「いやー、さすがにこれは酷いなぁ、良く倒せたなぁ」


 リエラがいてよかった。マジよかった。コレ絶対国滅ぼせる奴だ。下手したら世界滅ぶくらいの凶悪なスケルトンだ。

 おい駄女神! なんでこんなの作っちゃったの!?


 ―― えー、被疑者はもともとエンペラーを最高級にしてたからその上は知らないなどと一貫して否定しておりますな ――


 パンティさんのせいじゃないってこと? じゃあもしかして、裏世界のスケルトンが出て来てモンスターパレード引き起こしたとか?


『ふむ、その可能性はありそうだね。出来れば調べたいけどあの霧のなかフェアリーサークルを探すのは不可能に近い』


『ですがグーレイさん、あそこに危険なスケルトンが向こうから来てたとしたらまたモンスターパレードがあるんじゃ……』


『ふむ、バグさん、悪いんだけど早速調べてもらえないかな? 霧の中素早く動けて並大抵の状況でもない限り倒れることもない君なら行けるはずだ』


『はぁ、仕方ないなぁ。まぁ私も気にはなってるから調べて来るよ』


 あー、止める間もなく向っちゃったよ。大丈夫かなぁ……いやぁ、なんか大変なことになりそだなあ。

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