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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1649/1818

二百・その皇帝の上位クラスを、僕らは知らない

「オルァ!」


 ガーランドさんの一撃がスケルトンキングにトドメを刺した。

 正直言えば戦力になってるのがユーデリアさんとガーランドさんだけだ。

 ピピロさんは棺の盾で反射しているけど、スケルトンキングの耐久値は結構強いらしく、一撃二撃反射した程度では倒せなくなっていた。


 やっぱり上位存在になると棺の盾でも消し飛ばしたりはできないようだ。

 といっても、十回も反射しなうちに倒せてるから多少時間がかかるだけなんだけど。

 んで、やっぱり一番の撃破数を誇るのは斬星君である。

 彼が一歩踏み込むごとにスケルトンキングが塵になって消えて行く。


 もはや彼も諦めたようで好きに倒して、とばかりに攻撃を諦めているようだ。

 リエラは俄然やる気になって頑張ってるから放っといても次々スケルトンキングが倒されていく。

 他のメンバーは、と言えば、くねくねちゃんとニャークリアさんが回避、月締君とジャスティンが防御で一体ずつ相手どっている。でも、まだ倒せてないんだよねぇ、一体も。

 相手の攻撃の隙を付けないせいで防御か回避しかできないでいるのだ。


 矢田はもう、なんていうか、下級のゴブリンナイト相手に拳で殴り合ってる。一人流血しながら血みどろのバーリトゥードやってるんだよ。相手も武器捨てて拳で殴り始めてるし、一人おかしな闘い始めちゃってるよ……

 下手に近づかない方が良さそうだ。

 んで、他のスケルトンたちを一人で相手どっているのがエストネアさん。


 いままでかなり手を抜いていたようで、今は持てる技術全てを駆使して絨毯爆撃を行っている。

 待機魔法と高速詠唱、ペンタクルキャストにエンペラータイム。

 高速詠唱とペンタクルキャストで幾つもの魔法を同時に一瞬で唱え、待機魔法で空中設置、次の魔法と合わせて一気に放出絨毯爆撃。

 そしてエンペラータイムで魔力消費を有効時間中0固定にして無制限連射。

 エンペラータイムが切れるとマナポーションとおぼしき瓶の蓋を片手で空けてぐぃっと一気飲み。ぷはぁっと一息ついて同じ行動を繰り返す。


 正直男らしい闘い方に見えてくるのが凄い。

 彼女の頑張りの御蔭で他のメンバーが挟撃されたりすることなく闘えているので、一番の功労者だろう。

 僕は、と言えば、皆が余裕ないのでエストネアさんの護衛がいなかったので、撃ち漏らしのスケルトンが寄って来た時にちょいやっとやっつける役である。

 といっても、足元が御留守なので足引っ掛けるだけで倒れてぼきぼきっと壊れちゃうんだけどね。


「おい、ありゃなんだ!?」


「スケルトンエンペラーが三体!? それと、中央のはさらにでかい!?」


「お、おいおい、アレより強いってなったら……災厄級じゃねぇか」


 でも残念。出て来てすぐに解体はいりまーっす。


『明鏡止水……麒麟天獄殺!!』


 無数に別れたように見えるリエラがエンペラー三体も纏めて屠る。

 一緒に出て来てた皇帝より上位と思しき存在がステータス確認する間もなく倒された。

 リエラ、容赦なさすぎだよ。せめて名乗りくらいさせてあげなよ。

 名乗れないけども…… 


「斬星の野郎凄過ぎだろ」


「いやガーランドさん、ありゃどう見てもあいつがやったんじゃねーでしょ」


「なんか斬星がやったことになってんだから斬星すげぇ、でいいんだよ。つかどんな奴だ斬星助けてる奴は? あんなバケモノ級を瞬殺って」


 あー、リエラが誰かはわかってないけど誰かが斬星君の代わりに敵倒してるのは周知されちゃってるみたいだ。

 これは僕らが日の目を見る日も近いかもしれないなぁ。

 この世界だと僕がセクハラ関連してないからバレちゃっても問題無いしね。


 前の世界は不本意ながらリエラに抱き付いたりしちゃってたからなぁ、リエラにバレたらしばかれると途中からは必死に隠してたんだよ。すぐバレたけど。

 あ、また来たスケルトンナイト。はい、足引っ掛けー。 

 それはもう新入生が教室の一番後ろの席に行く時に足掛けるように、思いっきり引っかかったスケルトンが盛大に転ぶ。


「また? まぁいいわ」


 エストネアさんがこっち見てスケルトンが地面に頭打って粉砕死したのを見付けるが、それに関わってる暇は無い、とすぐに詠唱に戻る。

 ふっはっは、僕がついに輝く時が来たのさ。

 さぁ、来るがいいスケルトンども、全員転がして額カチ割りの刑に処してやる。

 必殺、『倒れた拍子に小石に頭ぶつける、お前は死ぬ』攻撃だぁ!


 って、待った待った、なんでスケルトンキングまでこっち来ちゃってんの!?

 うおぉ、痛ってぇ!? 足堅ぇ、なんだこれ丸太か!? ええい、こうなりゃ必殺その二!

 『お前の足が上がった瞬間掬いあげて倒れた拍子に小石に頭ぶつける、お前は死ぬ』攻撃だ!


 っしゃぁ、どうだコルァ! ギャー生きてる!?

 起き上がったスケルトンキングが怒りを湛えた様子でこちらの姿を探す。が、倒れた音で気づいたエストネアさんの魔法が彼の後頭部から直撃し、その命を終えていた。

 ど、どうだ、まいったか!

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