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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1647/1818

百九十八・その困った娘の救助方法を、僕らは知らない

「いやー、参ったね」


 魔物達はシシリリアさんが居なくなると同時に一気に数を減らし、直ぐに殲滅することができた。

 殆どの魔物がシシリリアさんに付いて行ったのも理由だろう。

 なので、僕らは早々引き返し、温泉街に戻ってきたのである。


 旧魔王別邸に戻った僕らは、円卓会議場に向かい、全員で会議を開いたのである。

 と言ってもシシリリアさんいなくなっちゃったけどどうしようか会議だ。

 まとまる筈が無いのでぐだぐだしてます。


「まさか問題起こしたのがシシリリアたんだとは……」


「ん、というか、灼上さんチームってこれでリックマンさんと朝臣さんと矢田さんと灼上さん以外一旦チーム抜けたってことになるんですよね?」


「はは、ほぼほぼ崩壊してるわー。ないわー」


「この場合どうしたらいいんだろう? さすがに裏世界探しに行くのは危険なんだよなぁ……でも探索自体はするつもりだったし……」


「とりあえず、僕のチームで向ってみるよ、シシリリアたん。どうにもグーレイさんを凄く嫌ってたみたいだし」


「そうなんだよね、なぜ私は嫌われていたのか、そんなに銀色が嫌いなのかな?」


 嫌いなんだろうな、近づくな銀色っ、みたいなこと言われてたし。やーい銀色~。


『バグくん、喧嘩売ってる? 買うよ? ピチュるよ?』


 やめて、マジすんませんっした!


 ―― 裏世界、ホントちょっとマズいわよね。こっちでもなんとか把握しようとしてんだけど、ぜんっぜん観測できないのよね。何処に飛ばされてるかすら全く不明 ――


 駄女神二号さんがやらかしてる可能性も微レ在だからなぁ。

 裏世界、一体なんで存在してるんだろ?

 しかもあの感じからいって僕らが来る前から存在してるんだろうし、八本足がこっち来たことからも分かるように、向こうの魔物がこっちに来れない訳でもない。

 でも、フェアリーサークルは通常なら向こうの魔物がこっちにこないような場所に設置されているし、僕らを追ってこない限り向こうから魔物が来ることもないようだ。


 一体何を目的として裏世界が存在するのか、奇妙な魔物ばっかりいるのはなぜなのか?

 シシリリアさんはどこいっちゃったのか、あと、なんかもう一人居た英雄はどこにいるのか?

 うーん、分からないことだらけだねこの世界は。


 まぁ、前の世界も僕からすれば未知の領域だったし、今まで通りにしとけば問題は無いだろう。

 僕が問題にしておくべきはリエラを救う事だけだ。それ以外は、最悪無視して構わない。他の人が解決してくれるだろうからね。僕は自分が死なないように、そしてアーデがやらかさないように。他の人はグーレイさん任せで大丈夫でしょ、もう既に僕はいろいろやらかしてるっぽいし。

 おかしいなぁ、別にバグ使おうと思って使ってるわけじゃないんだけどなぁ。


『いや、普通に使いまくってますよね、バグ弾』


 アレは必要に駆られてなんだってリエラさんや。

 つまり僕が好き好んで使った訳じゃないんだよ?

 ホントだよ?


『信じられません』


 白い目で告げるリエラ。もぅ、冗談が通じないなぁ。


「さて、少しトラブルがあってしまったけど、これからの話をしよう。既に私と灼上君で話し合ってたんだけどね。これからの行動に付いて意見を聞きたい」


「えーっと、一応、僕等チームとグーレイさんチームに別れる予定なんだ。目的は裏世界の探索と魔王復活教団の野望阻止」


「同時進行で行こうってことになってね。今のところ私達のチームがこちらの世界、灼上君組が裏世界の攻略を目指す。どうだろうか?」


「チームの配役は決まってるのか?」


「基本灼上君チームはそのまま、こちらのチームから数人移籍する感じだね。裏世界に行くんだし実力のある人を参戦させておこうと思ってね」


「裏世界、か。今までより大変そうね。そんな場所に私達を送るなんて、本気?」


「あー、美樹香たんは嫌だった? 僕の方でどっちに向かうかは決めちゃったんだ。無理そうだったらグーレイさんチームに向かって貰うけど?」


「え? アンタが決めたの? なんでまた裏世界側に?」


「裏世界側だと気が抜けないでしょ。チームが瓦解するのは即、死に繋がるから、だから僕らのチームの方が良いかなって思ったんだけど……」


「そ、それだったら別にそれでいいわよ。グーレイが勝手に決めたのかと思っただけよ」


「私、そんな傍若無人じゃないつもりなのだが……」


 最近グーレイさんがそこら中で軽くディスられてる気がする……

 ま、グーレイさんだから別にいいけど。


「んで、誰がこっちに来るんだ?」


「うん、まぁ、その辺りを皆で決めようってことなんだよ矢田君。一応こちらでメンバーは選出してるけど、本人確認はまだだしね」


「どうしても矢田と一緒は嫌、とかだと変更だよねーって話してたんだよ」


「オイ……」


「矢田君、落ち付きたまえ、現にシシリリアさんは君を嫌ってた訳だしね、まぁ、彼女の場合は私の方をもっと嫌っていたためそちらにチームに再配する予定だったんだけどね」


「本人がいなくなっちゃどーしようもねーわな」


 つまりまぁ、そういうことである。

 そうならないための裏世界体験ツアーだったんだけどなぁ。

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