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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1644/1818

百九十五・その決まった方針を、彼ら以外は知らない

SIDE:灼上信夫


「さて、邪魔物が居なくなったし改めて方針を決めようか」


「え? あ、そっか、まだ全然方針決まってなかった」


「おいおい……」


 矢田が呆れるが仕方ないだろ、シルバーたんの出現でなんかもう終わった雰囲気だったんだから。


「まぁ、結論からいうと、だ。私達は次に何処に向かうか全く決まってない」


「ですよねー。僕等の目的って復活の魔王だけどその情報一つもないし」


「ああ、でも必要な情報はあるんだ。魔王復活教団の復活阻止とか、裏世界の探索とかね。今のところ可能性が高いのはその二つだ。だから、私達のチームと君のチームで別れて調べて行こうかと思う」


「えぅ!? ちょ、ちょっと待ってくださいグーレイさん、僕またチームリーダーなの!?」


「そりゃそうさ。君ほどリーダーに向いてるメンバーはいないみたいだからね。なので、今回は目的を持って別れようと思う。どちらに向かいたいかは君と相談になるだろうし、連れて行くメンバーも一新した方がいいだろうね。君の所、だいぶきわどいメンバーだっただろう?」


 確かにそうですけど……


「そりゃ瓦解しかけてたというか、実質瓦解してましたからね」


「ソレをなんとかするためにも、ここでメンバーを変えてみるのはどうだい。と言ってもほぼ既存メンバーになりそうだけど」


「まぁ、朝臣とゴールドは灼上の元に残るだろうな」


「加えて君もだ。灼上君をリーダーと認めている以上こちらに来てもただ問題児に戻るだけだろうし。あとシシリリアさんも、おそらく君の監視名目で残るだろうね」


「チッ、面倒臭ぇ」


「じゃあ、殆ど変わらないじゃないですか?」


「尾道さんを連れて行くといいよ」


「おっさんを?」


「彼の能力はだいぶ変わった、君たちと一緒に居ても十分活躍できる。問題は人間関係だけど、今の君たちなら大丈夫だろ。加えて小玉君と杙家さんもだ。ピピロさんは……矢田君とのわだかまりが尾道さんより酷そうだからこちらで預かろう。月締君とユーデリアさんは、どうするかな? ここにとどまるかもしれないから確証はできないけど、移動するなら連れていってくれ」


「それだと殆どの英雄が再集結しちゃうんですが?」


「なら充分よかったじゃないか。リックマンさんは本人に決めて貰えばいいし、斬星君はこっちで面倒見るよ、彼も実力を少しずつあげてるから、あ、そうそう、折角だから三バカトリオたちもそちらに付けるよ。変な奴らだけど戦力にはなるはずだ」


「おい、グーレイ、なんか自分たちの戦力で余ってるやつをこっちに押しつけてねーか?」


「まさか、ただの振り分けの結果だよ。本人たちが嫌だっていえば別チームに置く訳だし」


「う、うぅむ……」


「で、それはまた後で考えンだろ? 御得意の皆さんの意見とやらでよ?」


「本人の意思確認もいるからね。私達が今決めたいのは向うべき場所だよ。フェアリーサークルの中を探索するか、世界中どこにでもいてどこにいるかも分からない魔王復活教団を探すか」


「どっちも面倒そうだな。どーするリーダー?」


 そこで僕に振らないで!? でも、確かに今までの目的のない旅よりは少しはマシかな。


「僕等だと多分戦闘に身を置いてないと空中分解すると思う。連戦するような場所の方がいいかもしれないね」


「じゃあ、フェアリーサークル探索組か、本気で大丈夫かい?」


「とりあえずは内部見て考えたいかな?」


「それもそうか。じゃあまずは皆でフェアリーサークル体験が必要そうだね」


 できれば行きたくないなぁ。この温泉地でずっと過ごすとか、駄目?


「私は構わないけど、シルバー君達がどう思うかわからんよ。最悪やる気ないならグネイアス帝国の侵略手伝えとか言ってくるかも」


「どれを選んでも地獄、か……英雄ってもっとこう輝かしいもんじゃないですかね?」


「輝く為に困難がいるんだよ。ソレを英知を絞って攻略するから英雄と呼ばれるのさ」


 正直英雄辞めたいっす。

 そもそも僕ァただのヒキコさんですよ。ヒキオタニートで部屋の中でオナラひり出しながらゲームして過ごしたりネット民となってそこいらのブログを炎上させて騒ぐくらいしか出来ない存在よ? なんでこんなよくわかんない世界で外を歩いて皆に指示出しして戦闘とかしちゃってんの?


「グーレイさん、ちょっと風呂、入ってきます」


 疲れてるんだなきっと。

 ゆっくり温泉で疲れを取ろう。そうしよう。


「あ、今の時間だとカピリオスだかカピバラオンだったかの群れが温泉入ってるよ? 一緒に浸かるくらいなら問題は無いと思うけど攻撃はしないように」


「なんでリラックスするための温泉でさえ気を使わねばならんのか!? この世界悪夢かなっ!?」


「諦めろリーダー、そういう星の元に生まれてんだよ」


 くっくと笑う矢田。お前から運命的な言葉は聞きたくなかったよ!?

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