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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1619/1818

百七十一話・その少女の選考基準を、僕等は知らない

 随分と大所帯になったなぁ。

 月締君とユーデリアは来た道戻る事になるらしいけど、団体さんを撃退したのでしばらくは追手が来ないらしく、ゆったりとしたものだ。

 うん、ユーデリアさんは黙ってれば華奢な少女で可愛らしい。黙ってれば。


「あ、あのさ、ユーデリア」


「うぬか、どうした?」


「そ、そのうぬって僕の事、だよね? もうちょっと呼び方、変えられない、かな?」


「ふむ……では我が愛・信太よこの呼び名でどうか?」


「なんか嫌!? 信太だけでいいよっ」


「そう、か? 了解した我が愛」


「なんで逆が残った!?」


 あ、なんか凄く哀しそうな顔してる。

 口調がアレなだけで、本当は普通の思考回路だったりするのかも?

 それだったらホントに申し訳ない事しちゃったなぁ。

 と、とりあえずステータス見せて貰おう。


名前:ユーデリア・バル刃ロッサ

称号:嘆きの漢女おとめ

レベル:6

 スキル:

  鉄拳制裁:悪即殴!

  天帝乘鉾:その拳は天をも貫く。

  猪狩ノ咆哮:敵を畏怖させる叫び。猪系生物に即死効果。

  土魔法No心ヱ:槌魔法を閊える。

  天迎昇帝破:天穿つ龍の一撃。

  帝王破談SYOW:全てを破談にする帝王の一撃。

  長距離柱移動:太い棒状の物を投げ、これに乗ることで長距離を移動可。

  肉体言語Lv83:拳で語りあえ。全てはそれからだ。

  拳成長率100倍:拳熟練度の成長率が1000倍。

  鋼の肉体:ぬぅんっ。

  遠当て:離れた敵を拳で貫く。

  暗殺秘孔:指先一つで○します。

  ゴールドラッシュ:相手を打撃するとお金が潤う。

  パリィ:剣撃などにタイミングを合わせることで弾きます。

  魔力変化(氣):魔法が使えなくなる代わりに魔力が氣に変化します。

  練氣;氣功術の基礎。

  波動掌・漣鏖猛激衝れんおうもうげきしょう:練氣で集めた氣を掌より撃ちだします。

  帝王撃:攻撃範囲が広がり一度で数人を屠る一撃になる。練氣により連撃効果有り。

  デスロール:相手を掴むことで発動するワニ系生物の必殺の一撃。

  約束されし死滅之拳(メテオスウォームインパクト):その一撃は星をも屠る。


 うわぁー。

 ツッコミどころが多過ぎる。

 っていうかこのユーデリアさんってバルバロッサだっけ?


「うん? 月締くん、ユーデリアさんの名字はバルバロッサでいいのかい?」


「え? どう、だっけ? あの魔王の名前僕知らないんだよね」


「我の名か? すまんな。昔の名など捨ててしまったわっ」


 背中で語る漢女の図。

 いや、いちいちポーズ取らないで!?

 格ゲーで勝利したキャラとか結構そうやって背中向けて来るけども。


 うん、前の名前はもはや不明、というわけですか。そうですか……

 とりあえずいろいろとツッコミどころはあるけど、拳の成長率おかしくない? 100倍って書いてあるのに説明欄だと1000倍なんですが? どっちだよ!!


「おー」


 アーデが何かに反応する。

 なんだ? と僕らがそちらを見れば、魔物が数体こちらに近づいて来ていた。

 ワーウルフって感じの二足歩行の狼だ。

 どうやら群れで生活しているらしく、この辺りの草原で狩りを行っているらしい。

 その、一つの群れが僕等に狙いを定めたようだ。


「全員、戦闘配……」


「かかってこんかァ――――ッ!!」


 少女から出たとは思えないユーデリアの咆哮。

 まともに受けたリーダー格のワーウルフが耳から血を噴き出して絶命した。

 もはや闘ってすら居ないのに相手が死んだっ!?


 何が起こったか理解できなかったワーウルフ達が困惑してリーダーの周りをうろつきだす。

 おい、どうした? みたいな様子で、なんか申し訳なく思えてくる。

 が、そんな相手の都合など知らぬ存ぜぬ顧みぬ、とばかりに突撃するユーデリア。

 突撃の際、なぜ彼女は両手を掌上に向けて『今でしょ』とか言いそうな姿で走りだすんだろう?

 マッチョな奴が攻撃する時ってその態勢で結構走るよね? アレ、なんでだろうね?


「ぬぅんっ」


 もはや烏合の衆と化したワーウルフの一人を掴み取るユーデリア。

 そのまま巻き込むように回転しながら地面を転がりだす。

 これ、デスロールだ!?

 しばらく回転したのち、ぽいっと放物線描いて放り出されるワーウルフだった何か。

 もはや原型が留められてない……


「さぁ、鏖殺の時間だ……」


「きゃ、キャイーンっ!!?」


 逃げだすワーウルフを追いかけ回しながら一人一人確実に屠っていく凄女。

 月締君がハイライト消えた瞳でアレはユーデリア。と何度も口にしている。

 もう、諦めた方がいいかもしれないよ月締君……


「お!」


 って、アーデ!? 何ソレ、その生物何!? いつの間に仲良くなったの、そのダンシングなフラワーっぽいサングラス掛けたサボテン君は!?

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