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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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百四十七話・その呼び出しが安全かどうかを、彼らは知らない

 宿に戻って一服。

 風呂に入れてなかった女性陣が風呂に入るといいだしたので、男性陣も風呂に入る事になった。

 なんでもこの宿、温泉が付いてるらしい。


 そりゃすげぇや。って思ったんだけど、ただの風呂屋と変わらなかった。

 木製の大風呂は富士山こそ壁面に書かれてないが、どう見ても銭湯だった。

 壁を挟んだ向こう側には女性陣。


 うぅ、ちょっと女性の方に間違って入りかけただけじゃないか。アーデ追ってただけなのになんで怒られなきゃいけないんだ……


「バグ君、そろそろ学びなよ。覗きは立派な犯罪だよ?」


 何をおっしゃるグーレイさん、ここは日本じゃないんだよ、ばっかだなぁ。国が違えば法律も変わる。世界が変わるならそもそも法律に縛られる意味が無いでしょ? 


「はぁ、このバグ極悪過ぎる……とにかく、目付け役を頼まれた以上は君には大人しくして貰うよ。今回は諦めなさい」


 うぅ、残念だけど諦めるしかないか。

 ……くく、ふふふ、くははははは、まさに新世界の神の如き気分だよ。

 残念? うん、残念だったねグーレイさん。僕がこの程度で諦めると思うなんて、ほんとに、残念だよ。


 CG激写スキルは既に進化しているのさ。

 今は視界ドローン遠隔操作激写の時代さ。

 僕が直接見なくとも空から見れ……おぅげぁぁ!? Gババァッ!!?


「ん? どうしたバグ君?」


 ……見なかった。僕は何も見なかったんだ……がくっ。


「神……なぁ、いきなりンなこと言われても信じられんが、グーレイの姿見るとなぁ、確かに生物としてのナニカが俺らと違い過ぎる気はするんだよなぁ」


「まだ言ってるのかいガーランド」


「そりゃぁなぁ、それだけ衝撃だったんだよ……」


「まぁ、信じられないのは仕方ないさ」


「でもよ、お前さんが神だと言った後から女の声が二人分しはじめてよ」


「ああ、駄女神一号、二号か」


 ―― 駄女神言うなーって!? きゃあぁ、グーレイさんのエッチィ!!  ――


「ほら、なんだこれ?」


「覗くな駄女神ども、君等もバグ君と一緒かい」


 はぁと溜息吐いて小さく呟くグーレイさん。近くにいたガーランドさんには聞えなかったようだ。


「ふむ、こんなものに入ってナニか意味があるのかね?」


「のっぴょーぅ」


「え? 俺に聞いてんの!?」


 あっちはあっちでジャスティンにムチャ振りしとる……


「あー、心地よいから、じゃねーっすかね?」


「のぴょぉ?」


「ふむ? 呪いで出来たこの体ではよくわからんな?」


「根本的に体の作りが違うんじゃどーしょうもないっすね。とりあえず、風呂に入るのは日々の汚れ取りだからあんたら汚れたかどうかわからんだろ、別に入らなくてもいいんじゃないっすかね?」


 確かに、この二体放置してても問題はなさそうな気がする。


「あー、生き返るぅ」


「こういう風呂って初めて入ったけど、皆で入るのも結構いいよね」


「おや、君は修学旅行などで銭湯には行かなかったのかい?」


「尾道さん、それどういうこと? 修学旅行で温泉?」


「あれ? 斬星は修学旅行泊まりじゃないのか? 温泉とか泊まらなかったか?」


「あー、僕等の時は修学旅行自体が無くなったんだ。前年の奴らがやらかしたらしくて、取り止めだって」


「あー、それは災難だったな」


「そうか、修学旅行が無くなる時代なのか……」


 尾道さんが感慨深そうに虚空を見上げた。

 気持は分かるけど、多分一部地域だけだよ?


「銭湯も家の近くじゃなかなか見掛けないですし、あ、スーパー銭湯はありますね。行ったことないけど」


「昭和の名店がどんどん消えていく。ふふ、私の知るあれもこれも既に過去の遺物、ですか……」


 独りで嘆く尾道さん、当然ながら斬星君も小玉君も全く彼に意識を向けていない。


「失礼します、あの、グーレイ様という方はいらっしゃいますか?」


 おっと、店の人がなんか来たぞ?

 

「私だ、何か用かな?」


「王国軍の方がいらしています」


「ふむ、おそらくお誘いだね。すぐに行こう」


 グーレイさん服着てないもんね。そのままの姿で出ても大丈夫なんだってさ。

 タオルで水気だけ拭き取ってさっさと出て行ってしまう。

 うーん、僕も付いて行こうか迷うんだけど、あ、そうだ。

 ド変態な駄女神さん、グーレイさんの中継おなしゃす。


 ―― いや、CGなんとかが進化したんじゃなかったの!? ――


 あんなもん嘘に決まってんじゃん。実際は僕が壁昇ってなんとか顔だけ向こうを覗いただけで、見たのは湯気にくゆったババァの……うっ、頭が……


 ―― ハッハァ、ざまぁ。仕方ないからこのマロン様がグーレイさんの状況を教えて差し上げようかしらね。ふふふ、敬いなさい。信じれば、きっと救われます。YESロリータNOタッチ、はい、ご一緒に ――


 YESアルセNO駄女神!

 っとこんなのに構ってる必要無かったな、えーっとグーレイさんはっと。うん、普通の兵士さんに手紙渡されてるようだ。

 ちぇっ、トラブルはなかったか。

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