百二十五話・その少女が得た能力を、僕等は知りたくなかった
「と、いうことは、だ。完全にアーデがそこに向かって、欲しいモノを手に入れようとしたってことか。アーデはその世界のことを知ってたってことだね」
「え? そんなバカな?」
「あそこに向かったのは偶然……いえ、確かにアーデちゃんが率先していたような?」
グーレイさんの言葉に信じられないと呟くピピロさん、しかし、尾道さんはむぅっと唸りながらも思い出す。
うん、確かにアーデが率先してた気がするね。
ってことは、ホントにアーデ、あそこにあの世界があるって知ってたの?
確か、あの世界の道破壊したのもアーデだよね?
あの世界のナニカがこっちに来ないようにしたんでしょ?
あの妖精の群れとか絶対この世界来させちゃいけない案件だったし。
「おー?」
ってことは、あの石みたいなの、アーデにとって必要なモノだったってこと?
何のスキル覚えたのアーデ?
というか、アーデのステータスって見たことなかったな。
折角だし確認してみようか?
名前:アーデ
種族:アルセデス
称号:アルセ端末体、微笑みの草姫、魔王製造機、妖星ろpぉg☆保持社
レベル:108?
スキル:
言語理解:相手の言葉を理解する。
知恵ある蔦:周囲の知識を覚え理解し考え応用する能力。
夢の英知:○ぽね王さにs
忠誠古代泳虫の姫:姿が見える位置にいるだけで忠誠古代泳虫の全ステータスがアップする。
忠誠狂踊娘の姫:姿が見える位置にいるだけで忠誠狂踊娘の全ステータスがアップする。
忠誠猫狩小熊猫の姫:姿が見える位置にいるだけで忠誠猫狩小熊猫の全ステータスがアップする。
超幸運:やることなす事に幸運が降って来る。
笑顔の圧力:周囲に笑顔を振りまき幸福にする。
テイム:気に入った魔物を仲間に加えることが出来る。相手の了承が必要。
???の激烈な加護:???に守られている。窮地に陥ると???が激烈に反応する。
種族スキル:
マーブルアイヴィ:大理石すら割り砕く蔦を瞬時に成長させることが出来る。
枯蔦の御手:自分が作りだした蔦に限り自由に枯らせることができる。
光合成:二酸化炭素と光を取り込み酸素を放出する。
闇属性耐性Lv8
呪い無効
魅了耐性・中
恐怖無効
毒無効
麻痺無効
睡眠無効
即死無効
黒死無効
超回復Lv3
状態異常回復Lv3
MP回復・中
黒死血清:彼女の血液を飲むと黒死病の血清によりウイルスを撃滅できる。
発光:葉っぱが光ります。暗い夜道でも光合成が可能。
踊る:意味も無く踊り始めます。
ネギソード:ネギソードを生成できる。不折れ属性。
都市級邪結界:単独で邪結界を張れる。敵認識された存在を都市から弾きます。
どうでもいいけど小熊猫って書いてハムスターって読むのか。
僕の知ってるハムスターって言えば、倉鼠、鼸、絹毛鼠、腮鼠。これ全部ハムスター関連の言葉らしい。意外と多いなぁ、ハムスターを表す漢字って。
覚えてる能力は殆どアルセから受け継いだものである。
んで、あの石で手に入った能力は、多分一番下の都市級邪結界。
結界を張って敵を寄せ付けないっていうのはいいんだけど、邪結界という邪が入ってるのが気になるところだ。
あの世界、基本邪系存在が多かったみたいだしね。
あの妖精たちも確か邪妖精とかだった気がするし、にっちゃうも邪系だったのかな?
ってことは世界的にも邪……正邪? 陰陽系の光と闇の世界ってやつかな? まんま裏世界って感じだけど。
幸運スキルが仕事しただけならいいんだけど、アーデ、君には一体何が見えてたの?
偶然? それとも必然? アルセみたいに君も何かしらの目的を持って動いてるの?
この仲間にした面子も、その為の布石なのかい?
なんとなく、夢に見たあの光景がちらついた。
もしかしたら、アーデもまた、夢でアレを見たのかも?
夢の英知ってスキル、バグってるのが気になる。
アレはアルセにはなかったスキルだ。
アーデには多分、何かがある。アルセが何も言ってこない以上、アルセの知覚外である可能性がある。
アーデ、君は何かを知って、僕のように止めるために来たのかい?
アルセがアルセだっただけに、ちょっと期待してしまう僕がいる。
ああ、でも、僕が出来ることはないもない。彼女を保護して冒険を続けるだけだ。
ただ、彼女が求めるものがあるのなら、僕は迷いなく一緒に集めよう。きっとその事がリエラを救える手立てになるんだって、信じて。
でもアーデ、何も考えてない可能性も高いんだよなぁ。
迷走に付き合ってたらまさしく滑稽なんだけど、大丈夫だろうか?
いや、アーデを信じよう。
僕は彼女を助ける。
そしてリエラを救う。
アーデ、一緒に頑張ってリエラがバッドエンド迎えないようにしようね?




