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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
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百八話・そのスキルが買えることを、彼らは知りたくなかった

「おー、ここだここだ」


 ガーランドさん案内の元、技術ギルドへとやってきた。

 意外と盛況だなここ。


「へー、技術ギルドなんてのがあったのか」


「街中殆ど散策してなかったのが悔やまれるわね」


 小玉君と杙家さんが感心している。

 お二人さん曰く、こういったギルドに来たのは初めてらしい。

 英雄グループに居た時は基本町に付いたら宿取ってそのまま宿で過ごして次の日には別の街に向かっていたとかで、全く教えて貰ってないらしい。


 つまり、英雄チームはスキルを覚えることを未だに知らない可能性が高い。

 いいのかな? スキル、お金で買えるなら買えるに越したことはないんだけど?

 案内役の冒険者さん、もしかして教える気ないとか? まさか、ねぇ?

 暗黙の了解だから教えてないって方が可能性高いのかも?


 中に入ると、冒険者ギルドを彷彿とさせる受付カウンターが無数にある施設だった。

 どうやらスキル自体はダンジョンで手に入るらしく、それをここで売り払っている売却カウンターに、一番人が並んでいた。


 貴族も来るらしい。

 オークション受付カウンターには見るからに貴族です、といった顔ぶれが並んでいる。

 有用なスキルは箔付けのためにも貴族が買い取っているようだ。

 どうしても欲しい冒険者はその貴族のパトロンを得て譲ってもらうしかないらしい。代わりに何を要求されるかはその貴族次第。

 愛人関係の強要はまだ良い方で、暗殺を依頼されたり、陛下の前で全裸踊りさせられたり、犯罪に直結するようなムチャ振りを要求されることもあるそうだ。しかも貴族が楽しむ、というそれだけのために。


 うーん、オークションかー。

 グーレイさん、折角だし一回参加しない?


「そうだね。なんか面白そうだし登録してみるか」


 と、言うことで折角なのでオークションに出る事になった。

 白金貨あるし、欲しいスキルあったら注ぎ込もう。


「こっちが基本のスキル売買よ」


 まずは並ぶんじゃなくてエストネアさんたちの説明を聞く。


「ガーランドさん、後でオークションにも顔を出して良いかな?」


「お? そうか? ジャスティン、場所取り頼めるか?」


「あいよー」


 グーレイさんがガーランドさんたちと一緒に説明聞いてる間にオークション受付に並んでいてくれるそうだ。不満一つないとか、ジャスティンさん、僕、初めてあんたのこと見直したよ。


「かなりリストが多いね」


「そりゃスキルは沢山あるからな。戦士用のスキルだけでもかなり凄いだろ? 攻撃スキルとかで有用そうなのあれば買っていいんだぜ?」


 スキル販売カウンターはカフェみたいになっていた。

 基本、席に着いてテーブルに置かれた御品書を見て、気に行ったスキルを販売カウンターのお姉さんに伝えてスキルを買うといったスタイルらしい。

 スキル以外にも飲み物も販売しているようで、皆で長居してスキルを選べるようにもなっていた。


 それなりに人はいるけど、ゆったりしてる人はあんまり居ないなぁ。

 基本皆欲しいスキルは決めてるみたいで、カフェを利用すらせずカウンターに並んでる人が多い。

 その為、ここのカウンターを利用しているのは、飲み物目当ての方が多いようだ。

 お酒は出ないのでその分お店の回転率は高いらしい。


「御品書なのに普通に辞書みたいに分厚いな……」


「一つのテーブルに四人分かぁ。陸斗、一緒に見よ?」


 欲しいスキルの検索だけでも大変だなあ、あ、マーブルアイヴィのスキル売られてる。

 こっちは盾用スキルか。ありゃ、ピピロさんが覚えたスキル、アタック系全て網羅されてる……

 んー、攻撃系統は勝手に覚えられるみたいだな。


「僕が覚えたスキル……全部ある?」


 ピピロさんが若干気落ちして、僕らは何とも言えない顔をするしかなかった。

 あ、これは……グーレイさん、これ、ピピロさんにどう?


「ふむ、追撃スキルと全体攻撃スキルか」


 盾で全体攻撃スキルってどうなんだろう?

 もしも可能なら、盾職ですが、二回攻撃で全体攻撃スキルを持つお姉さんは好きですか状態に……


「さすがに無理じゃないかな? あ、攻撃範囲拡張スキルもあるのか……なんか、やれそうな気がするな」


 結局この三つをピピロさん用に買うことになった。

 あと、尾道さん用にレベル制の攻撃回避スキルと、テツザンコウというスキルを見付けたのでグーレイさんに無理矢理買わせた。

 テツザンコウだよテツザンコウ。多分肩から相手にぶつかる体当たり攻撃。

 尾道さんにもそれなりの攻撃スキル持たせた方がいいって思うんだ。


 あと一応、幸運スキルが売られてたのでそれも追加で尾道さんに差し上げた。

 ガーランドさん曰く、このスキル手に入れても大して幸運だった体感がないので外れスキル扱いなんだって。二束三文で売買されてたから大量購入してスキルストーンをポシェットに突っ込んでおいた。

 ふっ、白金貨ってマジ便利。


 皆、気付いてないんだろうなぁ。

 この幸運スキル。幸運値を1%上昇させるんだって。つまり、100個このスキルを一人の人に注ぎ込めば……と言う訳で、折角だから僕は僕自身とリエラに100個づつ注ぎ込むことにした。

 あ、もちろん尾道さんにも……100個注ぎ込んでみたけど、尾道さんの幸運値、マイナスから戻らないなぁ……

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