七十四話・その盾の使用用途を、僕らは知らない
想定外の最終兵器っぽいのを手に入れた。
ピピロさん曰く、棺の盾よりも防御力が100倍くらい高いらしい。
うん、巨人でも相手にするための盾だろうか?
正直使用用途が分からない。一応大きさ的には家一軒分くらいの大きさなのでパーティー単位なら普通に守れるだろうし、もしかしたら村の人口位なら充分守り切れるかもしれない。
正直人型機械兵器に搭乗して持つのが正式な使い方じゃないかなって思うんだけど。
まず間違いなく人一人が持つための盾ではないことは確かである。
でも、ピピロさんだけは重さ関係なく持てちゃったりするんだよね。
ただし、形状が形状なので振り回したりはできそうにない。まさに前に構えるだけの盾である。
シールドバッシュは滅茶苦茶広範囲にダメージ与えられるけど。
……一対軍くらいなら使えちゃったりするかもしれん。
まずそんな状況に陥ることはなさそうだけども。
「す、凄い盾を手に入れちゃった……」
「ピピロ君専用だな。ふむ、対群戦闘なら確かに有用か」
あれ? 群なの? 軍じゃないの? まぁどっちも多いという理由では一緒か。
「モンスターパレードの時には使えそうよね」
あー、確かに、メロンさんよく気付いたね。
確かにモンスターパレードから皆を守るのには最高の盾かもしれない。
押し寄せた魔物はシールドバッシュで消し飛ばせるし。
「軍に追われた時なども使えるかもだけどね」
「そんなことってありますグーレイさん?」
「まぁ、メロンさん魔族だし? ほら、人類至上主義国家? 魔物であるくねくねちゃんやパッキーは確実にアウトだろ」
「あ、確かに。え? さすがに人間相手にアレを使うのはちょっと……」
宿屋へと戻る頃には夕方に差し掛かっていた。
折角だし、ということで宿屋に入らずにそのまま冒険者ギルドへと向かう。多少時間がかかるだろうけど、こちらで待たせて貰おうってことになったのだ。
うーむ。リエラ、僕ちょっと向こう見て来るよ。行き違いになったらとりあえずこっち戻って来て、それでも皆が居ないようなら宿屋に行ってるよ。
『わかりました。こちらは私が見てますね』
っということで、僕は一人小玉君と杙家さんのいる露店へと向かう。
えーっと確かこの辺りだったような……うわぁ……
そこには最初にここに来た時とほぼ変わらないほどの人々が列を成していた。
夕方うんぬんで終わる様子が無いんだが。
「食材残ってるから売り切っちゃおう」
「それはいいけど、グーレイさんたち待たせてるんだぞ、どうしよう」
「だけど今閉店したら食材あるじゃないかってクレームで移動できなくなりそうだよ」
「くっそ、なんでこんなことに……」
うんまぁ、なんというか……大盛況だね。
こりゃしばらく待ってても終わりそうにないな。
売り切れれば終わるんなら手伝った方が早そうだ。
と、言う訳で、僕はとんぼ返りでグーレイさん達の元へ戻る。
現状を伝えると、グーレイさんは皆と相談を始めた。
といってもピピロさんとメロンさんだけが決定権持ってるから手伝いましょうってことで一致。
尾道さん? もはや空気になってたよ。
そう言えば尾道さんのアイテムボックス、怨霊が大怨霊になってたけど、今どうなってんだろ?
思い立ったら凄く気になってきた。
せっかくだったので見させてもらうことにする。
名前:尾道克己
称号:漢の花道
レベル:3
スキル:
かくれる:身を隠す。遮蔽物がなければ丸見え。
思いを馳せる:昔を懐かしみます。
嘆く:自身を嘆きます。
交渉術LvHa馬コー:交渉になると人が変わります。
重量制限解除:素手に関する重量制限が解除、どれ程重くともそれが素手ならば扱える。
アイテムボックス:入手したアイテムを補完することができる。個人用。上限RoHas個
異世界言語理解:世界を越えて言語が統一され、鯉蚊射できるようになる。
禿成長率10倍:禿熟練度の成長率が10倍。
毒吸収:毒攻撃をHPの回復に換算。
幽霊の歩法:すぅーっと近寄りすぅーっと消える。それ、歩法?
自身神成鍛治親治:らぽЫ〒ΛΘぉξrAっぽすSoすMお⊂⌒~⊃。Д。)⊃-~
バーコードφアタァ:髪型をスキャンすることでステータスが変化。
賢者の眼鏡:(´-`)。o(超怨霊ってなんだよ? 俺知らないよ……)
アイテムボックス内部:
ネクタイ、超怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、大怨霊、超貧乏神、ブラック企業の社畜精神、ノヴァルディアの呪詛×70
……めっちゃ強化されとる。あと呪詛食べまくられててだいぶ減ったなぁ。賢者の眼鏡が賢者なのに知らない生物見付けて呆れてるし。
これは、しばらくしたらまた見てみた方がいいかもしれない。どうなってくのか気になるし。




