表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1520/1818

七十三話・その少女が何を目指しているのかを、僕は知らない

「おーっ」


 ガーランドさん達と別れたので僕らのメンバーはグーレイさん、アーデ、メロンさん、ピピロさん、尾道さんと、僕とリエラ、そして人外のパッキーとくねくねちゃんというメンバーになった。

 意外と人数多いなぁ。


『ふふ、なんかアルセ姫護衛騎士団思い出しますね』


 それをいったら、リエラ枠ってピピロさんだよね。


『え? そうなんですか?』


 だって、ある意味アーデに導かれてる訳だし。

 あれ? そうなるとカインとネッテ枠は僕とリエラになるのかな?


『も、もう、バグさん、それだと途中でけ、けけ、結婚しちゃいますよ?』


 あ、確かに。

 あれ? でも、なんかもう婚約はしてるし結婚してるようなもの? なのかな?


『あ、あうぅ……た、確かにそうなるの、かな? あれ? なるんだっけ? あれれれれ?』


 リエラが許容量オーバーで眼をぐるぐるさせながら頭から煙噴き出した。

 うん、あんまりからかうのは止めておいてあげよう。

 うぅ、しかし、この方向でからかうと僕の顔も熱くなるんだよなぁ。


 ―― リア充は爆発しろーっ!! ――


 ―― そーだそーだっ ――


 お黙り駄女神1号2号。


「防具は結構いろいろあるからどれにするか迷うね」


「って、グーレイさん防具買いませんよね?」


「まぁね。要らないし」


「そういうとこだぞグーレイ。その銀色ボディは本当に丈夫なのか? 慢心で即死とか止めてくれ」


「あはは、さすがに私を即死させるようなモノが出てこないことを祈ろう。なぁ、パンテステリア君」


 ―― あ、あははははは……マロンさん、大丈夫ですよね? ――


 ―― 大丈夫大丈夫。グーレイさんだし何とかするっしょ ――


 うん、嫌な予感しかしないや。


「あ。アーデ、また何か見付けたのかい」


「おー!」


 と、なんか紐みたいな……こ、これはまさか、危ない水着!?

 いや、むしろ、ビキニアーマーか!!

 それを……まさかのくねくねちゃんにプレゼントっ!? いや、似合う? じゃないよ。あんた棒で出来てんじゃん!?


 うっふん、じゃないんだよ! だから、萌えたりは、萌えたりは……なぜだ? なぜちょっと見る場所に困っちゃうんだ?

 プロポーションだけはいいからか? 人じゃないぞ、人じゃないんだぞ。ただの人型なだけなんだぞ? 顔の美醜すらないんだぞ?


『バグさぁん……?』


 やめて、そんな半眼で僕を見ないでぇ。

 だってリエラ、くねくねちゃんのあのほっそい腰見てよ。みごとなくびれだよ! 見る場所困っちゃうよ!


『まぁ、確かに、意外と人間味がありますよねくねくねちゃん。なんででしょう?』


 僕に聞かれても?

 って。アーデ何してんのっ!?


「くるるるるる?」


 パッキーが白いドレス着とる!?

 ワンピースっぽいそれはパッキーが鰭を動かすたびにひらひらひら~。

 なんで着せたのっ!?


「おー」


 そして自分は、なんだそれ?

 白い布? っていうか、ローブ? あ、違う、これは毛布お化けを再現するためのゴーストローブだ。

 おばけだぞーじゃないよ!? なんでアーデはそんなのばっかり。ハロウィン目指してるの!?

 まぁ、買うけど。


「買うのか……しかも金だすのは私か……」


 グーレイさんオナシャス。


「わー。これ、これにしましょう」


 お、ピピロさんがラージシールド見付けて構え出した。

 赤い盾だからか、なんでだろ、どっかの白い悪魔を彷彿とさせる盾だなぁ。

 作者は……アズセ・クスノキ。これ日本人だ。絶対アレを思い浮かべながら作っただろ!


「ふーむ。でもなぁ、折角だしもうちょっと変わった盾とか使わないかい?」


「グーレイさん、そんな変わった盾なんてさすがにないですよ?」


「ありますよ、変わったゴツい盾でしたら。ここに入らないのが一つ」


 グーレイさんとピピロさんの話を聞いていた店員さん、というか多分店長さんが告げる。

 互いに顔を見合わせた二人は、店長さんに案内されて倉庫街へと連れて行かれた。

 っていうか、倉庫街ってあったんだ。

 へー、ここら辺は倉庫ばっかりなのか。その分自警団っぽいのが大量にいるな。


 倉庫の一つにやってきた僕らの前に店長さんがニタニタしながら倉庫の扉を係の人に開けさせる。

 すごい、屈強なおっさんが五人ずつ観音開きの扉を綱で引っ張って開けている。

 ゴゴゴゴゴと開いて行く扉の先にあったのは、たった一つの盾だった。

 否、それを盾と呼ぶにはあまりにも巨大な金属の塊。


 日差しを浴び、黒く輝くブラックオパールの輝きに、新幹線のような尖った先端。

 三つに分かれた形状はロザリオを内側に湾曲させ、真下を切り取ったような姿になっていた。

 というか、でかいなオイ。なんかもう倉庫に入ってるのこれ一つだけなのにいっぱいいっぱいなんだけど?


 普通に家より高いし、これを盾と言える店長さんは頭おかしいと思う。


「稀代の名匠と呼ばれるアズセ・クスノキ氏の最高傑作オールレンジリフレクタ―。なんと今なら白金貨3枚でございます」


 高っ!? 値段も相応だった。

 でも、あるんだよなぁ白金貨。はい、グーレイさん。


「よし、買った」


「そうでしょうともさすがに即金即決は……出来るのっ!?」


 眼を剥いて驚く店長さんに白金貨を手渡し、遠慮するピピロさんのアイテムボックスに無理矢理放り込む。

 奥の手が手に入ったよ、やったね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ