表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1458/1818

十二話・その少女が何時からいたのかを、彼女は知らない

 自己紹介の後はこれからの簡単な行動について話し合った。

 明日からはおそらくレベリングやこの街の説明があるはず。なので今日はこのまま休むことにして各自異世界に来た事を認識して自分に落とし込む作業をして明日にはコンディションを整えておくように、とグーレイさんが締めくくって終わった。


 丁度タイミングを見計らっていたようにメイドさんがやって来て皆を案内し始める。

 話し合いも済んだ所だったし、弓の勇者君もいい加減無駄口叩きたい感じでストレスフルな状態だったのですんなり移動に決まった。

 んで、男女別に案内された部屋は案の定一人部屋。

 ベッドは一つ。グーレイさん用しかなかった。

 うん、その、ごめんねメロンさん。


「いや、ベッドは彼女に使って貰おう。私は別に寝る必要はないのでね」


 え? そうなの?


「次元の低い存在はイデアにアクセスしなければ情報共有などできないからね。そもそも寝るという行為が何のためなのか君分かってないだろ?」


 え? 体を休めるためじゃないの?


「無意識情報集合体というものを聞いたことはないかな? 世界の皆は夢の世界で繋がっている、みたいな話は?」


 さぁ? リエラ知ってる?


『いえ。初めて聞きました』


「君は知ってる?」


「いえ。しかし、貴方は見えない誰かと話が出来るのね。見ていると虚空に話しかけてる変人みたいよ?」


「失敬な」


 ―― 地球外生命体だから電波受信してても何の不思議もない不思議。ぷぷー ――


 そういやこの部屋で説明するって言ってたっけ。グーレイさんには伝えといたから唐突な声が降って来ても全く動じていなかった。


「よし、駄女神、お前は潰す」


 ―― やーん怒った!? アルセたっけてー ――


 ―― マロンは一回痛い目見た方がいいと思う。ね、パンティさん ――


 ―― だから、私パンティじゃなくてパンテステリアですってば。えーっと、御免なさいグーレイさん。あ、えっと、初めまして。私、そこの世界を作った創造主、パンテステリアといいます ――


 創造神だった!? 新しく出てきたパンテステリアさん何者って思ってたけど、この世界作った女神さんだったのか。

 声聞いただけだけど、結構話がわかりそうな人みたい。

 ってことは駄女神さん、僕らってすぐに回収されるのかな?


 ―― それがそうもいかないのよねー。君が言ってくれた肉体混合? どうやら一人用の召喚陣に四人も纏めて召喚されたことで全員の身体が混ざってるみたいなのよね。結構複雑だから今解いてるとこ。これ解かず元の世界引き上げると肉体が爆散して全員死ぬかグーレイさんの一部になると思う ――


 うぇ!? グーレイさんの一部とか、怖っ。グーレイさん怖っ!? 吸収とかしないでください。


「しないからね。全く、失礼な奴らばっかりだ。しかし駄女神、君でも無理そうかい?」


 ―― 時間かければ問題ないと思う。アーデはそこまでこんがらがってないし、リエラも比較的マシなのよねー。でもエロバグ君がねー。グーレイさんに触れた状態で召喚された上に本来召喚されるエロバグ君を上書きするような形でグーレイさんが英雄化しちゃったから複雑極まりないのよね。かといってこれを解かないとエロバグ君がグーレイさんに取り込まれてエロバグーレイに進化しちゃいそうだし ――


 ぎゃーっ!? リエラとアーデはまだしも、僕が一番被害者だった!?

 

「と、なると、バグ君が肉体混合解けるまではこの世界に居た方がいい、という訳か」


 そうなりそうだね。なんかごめんリエラ。僕のせいで……


『そんな卑下しないでください。今回はグーレイさんとぶつかった事が悪く作用しちゃっただけですよ』


 そりゃまぁ、そうなんだけど……


『もしも普通に召喚されてたとしても、私は貴方と一緒に来てました。もう、絶対に離れたりしませんから』


 胸に手を当て、意思強き瞳を僕の視線に合わせるリエラ。優しくも、絶対に離れ離れにはならないという決意がありありと見えた。


 ―― 感謝しなさいよエロバグ君。今回アルセがいろんな神に神ッターで呼びかけたからかなりの神が手伝ってくれるみたいなのよねー。まぁ、一部マズい奴もいるにいるけど、さすがにあの面子に敵対したりはしないっしょ。とにかく、こっちはこっちで皆が元に戻れるようにいろいろ試行錯誤するか……あ、解けた ――


 解けた!?


「きゃっ!? え? 急に女の子が、現れた?」


 あ、しまった。メロンさんいたの忘れて普通に天の声と話してたや。

 って? 女の子?


「おや、もしかしてアーデ、見えるようになったのかい?」


「その緑の女の子、アーデって言うの?」


「お? おーっ!!」


 言われて周囲を確認するアーデ。自分の身体に違和感が無くなったようで、両手を突き上げ喜んでいた。

 自由だー。って言ってるのかな? 可愛いなぁ。昔のアルセみたいだよホント。


「成る程、肉体混合とかいうバグのせいで姿が私に隠れて見えなくなっているのか。それを解けば姿が見えるようになる、と」


 成る程ーそれでアーデは……あれ? そう言えばアーデの名前、グーレイさんたち普通に呼べてる!? やったよリエラ! これって上手くほどければバグ無しになりそうだぞ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ