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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1404/1818

EX・その新たな旅が始まったのをまだ誰も知らない

「よし、これでマイネフランは終わりかな」


 ダイトザンが英雄になってから数日後、僕とリエラ、アーデ、ノノ、ロディアの五人は、マホウドリ達に乗って次の街へ行くための出立準備に取り掛かっていた。

 まずは近場のエルフ村に行くつもりだ。


 マイネフランのギルドでギルド長たちやオッカケ連中、グラス・ホッパーズ、天元の頂など知り合った冒険者達にも一応伝えた。アメリスの招待客の中に彼らも入っていたのだ。

 だいたいどこに居るかを書いてくれているし、同じ国の人はまとめてあるから渡しやすかった。

 パティアちゃんがなんかオッカケのリーダーさんと凄く仲良くなっててびっくりだよ。なんか二人暮らしし始めたらしいよ。魔物と結婚するのかね。顔凄いオタク感しかない魔物だったんだけど?


 アルセ教会ではロリデッスさんたちが未だ夫婦漫才っぽいのやってたし、セインがアルラウネ達には私が出してきますと紹介状をいくつか持ってったし、アカネさんが普通に教会で最高司祭していたのに驚いた。

 絶対裏ボス的役割してると思ったのに、あと全裸じゃなくなってた。丸くなりやがって。


 ゴールデンベアーたちは城に居たのでカインに渡しに行ったついでに渡しておいたし、離れに住んでいたらしいケンジさんたちにもすでに手渡した。

 武器屋のおっちゃんたちにも渡すよう書いてあったのには驚いたけど、丁度辰真たちが新車のチューニングに来てたのでついでに渡しておいた。


 セルヴァティアの方は料理大会の時にクーフにまとめて渡したし、ドドスコイは唯野さんにまとめて渡しといた。

 集合日付は僕らが余裕持って全員分渡せるように半月後になってるから問題は無いだろ。

 まぁ、それはいいんだ。


 ただね。そろそろ普通にしようよ、なんでずっと後ろ付いて来てんのさ!? 一緒に来たいなら一緒にいようよ、ルクルっ。

 ここ数日ずっとだよ、初めはなんで視線感じるんだろってすごく怖かったよ。気付いたら物影からセーラー服姿の女の子がこっち見てるんだよっ、恐いよ!


「ルクル、そろそろ出て来よう?」


「ルクルさん、もうばれてますよ」


 バレるというか、実は最初っからいるだろうっとは思ってた。

 ついでにパルティも来るかと思ったけど結局まだ見てないね。


「ルクルもそうだけどパルティ辺りも来そうだけどなぁ」


「パルティならコルッカに居ますよ、学校で指導員してます」


「嘘、パルティが!?」


「なんでもくずもちが指名依頼出したそうで」


「へー」


「パルティさんはくずもち先生の助手になってましたよ」


「パルティがくずもちの助手? 何そのシュールな光景?」


 もやもやもやっと浮かんだのは大学博士号って感じの帽子を身に付けた葛餅みたいな丸っこい生物が教鞭持って黒板叩き、隣でメガネをくいっと直しているパルティの姿。

 私、先生ですがなにか? と鼻もちならない態度をしてそうだ。

 パルティ先生の個人授業……か、ちょっと受けてみたいな。イケナイことを教わってしまうのだろうか? ドキドキだな。


 準備が出来たのでエルフの村へと向かう。

 オリーの森の中にある村なので直ぐに付く。

 気を付けるべきはここにはドリアードたちがいることだ。

 今までなら僕は対象外だったけど、生身の体を得ているから連れ去られないように気を付けないと。幻覚に惑わされてとか嫌過ぎるし。


 樹木を性の対象と見るような特殊性癖は持ってないんだよ。

 なんでエルフたちは凄く嬉しそうに付いて行くんだろうね?

 ド変態村だよ。


 ……と、いうことで辿りついたよエルフ村。

 入口に辿りついてマホウドリから降りると、村の前に迎えに来た和服の少女が両手に持った団子を突き上げる。


「のじゃぁー!」


「おー」


 そして小娘二人が両手を掴み合って踊りだした。

 団子は? 二人の口に突っ込まれてます。

 アーデとのじゃ姫再会のダンスである。……再会?


 アーデがアルセみたいでちょっとほろりと来てしまった。

 というか、なんでのじゃ姫こんな場所に居るの?

 膝立ちになって聞いてみると、のじゃのじゃと答える。


 よかった、魔物の言葉、何となくだけど分かるや。

 元の身体に戻ったら分からなくなるかと思ったけど違ったらしい。

 これもスキルみたいなものなのかな?


 で、なんでのじゃ姫がここに居るのかと言えば、ワンバーカイザーがプリカに会いに来たらしい。今は二人の逢瀬を楽しんでいるそうだ。

 あいつらくっつく気か?

 エルフとワンバーカイザーの結婚、か、喰われる未来しか思い浮かばんな。ワンバーちゃん、南無ー。


 っとこんな村の入り口で踊ってる場合じゃないよ。というか邪魔だよ。

 ほら、旅人っていうかオークの団体さんが後ろから来たよ、道を開けようアーデ……ん? オーク? の、群れ?

 肌色が無数に闊歩している。

 オークだ。見渡す限りオークだ。豚顔だ。たまに耳が長いエルフオークっぽいのも混じってる。

 これ、まさか……

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