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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1391/1818

EX・その端折られた闘いを君は知らない

「それでは第16試合、マイネフランVSポンキッシュヤムヤムヤッ!!」


 ついに僕らの試合が始まった。

 正直ついさっき第1試合が終わったような気がしなくもないが、もう16試合。

 出番が来るのが早い早い。


 2試合目がドドスコイとダーリティアが闘いドドスコイが勝利。

 3試合目がギルメロンと海洋魔王国が闘い、海鮮丼チートで海洋魔王国が勝利。

 4試合目がコットンと大ジャッポンが闘い大ジャッポンの勝利。


 5試合目がフィグナートとろってるだーむが闘いフィグナートの勝利。

 6試合目がゴーラとヤロウゼキングダム。無駄に可愛らしいエプロン裸で付けた筋肉ムキムキ男が異様な料理スキルを披露してヤロウゼキングダムが勝利したのは黒歴史だろう。

 7試合目がエルフ村とグーレイ教国。エルフの料理がなぜかハンバーガーで真新しさから勝利した。


 8試合目がぺズンとぽんぽこぽん。ぽんぽこぽんの勝利に終わった。

 9試合目がゲーテリアとコルッカ。料理学校教師の伝説的料理人がでていたせいでコルッカ圧勝。

 10試合目はダリアとカレンツェア。ダリアのアルセ料理が無駄に受けて勝利していた。

 なんだあのアルセ料理って?


 11試合目はコイントスとコメツ。コイントスの勝利。

 12試合目がナーロイアとメメンポ。メメンポの勝利。

 13試合目がサーナンデショウとマケテーラ。サーナンデショウが勝利。マケテーラが負けてーた。


 14試合目がロックスメイアとカーマセイヌ。勝利したロックスメイアの団子が美味しそうだった。

 15試合目がセルヴァティアとトルーミング。亡国料理を披露したセルヴァティアの圧勝だった。

 そして、僕たちの番になったのである。


 ちなみに6試合当たりだったかな?

 審査のやり方が気に入らないとかいちゃもんついて点数制に変更されたんだ。

 つまり、片方の料理を食べて点数付ける。その後もう一方の料理を食べて点数を付ける。

 点数の大きかった方が勝ち。という勝負になった。前の方が良かったと思うんだけどこの世界ではこっちの方が受けが良いらしい。なんでだろう?


 料理台で相手と対面するのは、僕、アーデ、リエラの三人。

 対する相手側、ポンキッシュヤムヤムヤの料理人は、青銀に輝く身体にアーモンド形のでっかい瞳。ウルト○マンみたいなトサカがついた生物が三体。グーレイさんの近縁種か?

 ヒョロ長で手足の長いその生物たちは、理解できない言葉を交わしながら僕たちを見ている。

 うん、これ、地球外生命体じゃね?


「○た∮ΠΘΨΩモエ?」

「ΓΛζぽぽ7▼」

「ら轟ηξ£らん仝らん丸」


 ……え? これ食事作って大丈夫なの? あの美食家たち突然ゾンビ化して襲いかかって来たりとか腹が膨れてぼばぁっとエイリアン出て来たりしない?


 三体の地球外生命体は自分たちの言葉でジョークを言ったらしくアメリカ人のようにHAHAHAと笑っている。

 うん、ダメだこれ、勝てるとか負けるとか以前に勝負になる気がしない。

 なんでこんなの招いちゃったの? というかこいつ等この世界で国作ってるの!?


「では、今回のお題はぁ……タマさんから肉料理が食べたい、ということで肉料理に決定」


 適当かっ!? 前に勝負する料理決まってるとか言ってなかったか!? 気分で変更かよ!?

 はぁ……肉料理、なぁ。相手は何を……


「おぉっとポンキッシュヤムヤムヤチーム、生きた牛を運び込んで来たぞ?」


 運び込むっていうか上からゆっくりと降臨して来たぞ!? 女の子の代わりに牛が降ってきました。浮遊島はありません。未確認飛行物体は遥か上空にいるようです。

 何か会話しながら一人が指先を牛に向ける。

 ぎゃあぁぁぁぁ!? ビームでたビーム!? ヤバいここで解体するつもりだこいつ等!?


「ま、まさかの牛の解体ショー!? み、皆さん子供の目を塞いでぇっ!!」


 司会者もさすがに焦ったようで必死に叫ぶ。うん、まぁ、なんだ……あれやっぱり人外だわ。

 アーデの両目を塞いで僕はリエラを見る。

 多分あいつらは肉を切って出すだけだろう。もしくはレーザーで焼くかもしれないけど。


 そうだなぁ、肉料理。生肉より美味しければいいのなら、あれでいいかな?

 アーデ、今のうちにコンビニ行ってこよっか。そう、僕たちが出すのは日本のコンビニ料理。否、買って来るだけだから料理と呼べるかどうかは不明である。

 リエラにここを任せて世界を越える。

 コンビニに入って五個購入。


 どうせ適当に参加すればいいだけだろうしこれだけでいいや。

 アルセと共に外に出た後、適当な路地裏で異世界に転移。

 リエラの待つ会場に戻り、買って来たモノを食器に並べて行く。


「おおっとぉ!? ポンキッシュヤムヤムヤチームを見ていたらいつの間にかマイネフランチームも料理を終えていたぞー!? 既に盛りつけに入ってますが……アレはなんでしょう? 白いスライム?」


 スライムって。まぁいいや。

 よし、準備完了。これで……あ、向こうの方が先に終わってるや。

 既に審査員全員の元へポンキッシュヤムヤムヤチームの作った牛の肉、ビームで焼いちゃったよバージョンが試食される。


 ほぼ生肉だけど大丈夫か?

 あぁっ、チェブロフとアイゼンはうぁーさんが吐いたっ!?

 タマには生肉の方が良かったらしい。喜んで食べていた。


 採点は? 4点、1点、1点、1点、10点。やっぱりライオンキングタマさんは生肉与えとけばご満足なようである。あとパイラ。うまし。じゃないだろ。それ生だよ? 飽食能力無くなってるから腹痛起こしちゃうよ?

 というか、今思ったけど、買って来た奴にも確かタマネギ入ってなかったっけ、大丈夫かな? 反則負けになったらごめんよカイン。

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