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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1383/1818

お盆特別編・夏だ! 海だ! 事案です。その後の彼らがどうなったのか誰も知らない。

「おーっ」


 青い空、煌めく水面。さんさんと照りつける太陽の下、僕らはアカネの日本の海を満喫したい。という我儘を叶える形でとある海水浴場へとやって来ていた。

 流石に色々な人が居るとはいえ、異世界人であるリエラたちが一緒に居るとなるといろいろ大変なんじゃないかなぁーとは思ったんだけど、アカネさん曰く例えスマホで写真撮られたって異世界戻る私達には関係ないじゃない。だそうです。


 まぁ、そうなんだけど、そうなんだけども。

 結局押し切られる形でやって来てしまった。

 ここに来る前日には水着選びで一日費やしたし。ちょっと疲れた気がする。


 母さんまでなんか凄く楽しげに選んでてさ、会計の段になって日本のお金ないことに気付いたの。

 アルセが携帯使ってどこかに連絡したらメガネに三つ網の女の人がやって来てアルセにお金渡してた。

 誰か知らないけどアルセがいつの間にか日本で知り合った人のようだ。

 私のゲーム代金がぁ。とか嘆いてたけど返ってくるのは諦めてね。アルセ多分返す気ないよ。

 ちなみにこのアルセ、本体とは違ってアルセの樹から生まれた個体アルセデスの一体である。

 個人名は一応あるのだけれど、僕は心の中でついアルセと呼んでしまっている。


 今日は皆で海水浴。

 もはや注目浴びることは必須としか言えない海水浴である。

 男性チームは僕がやり方教えといたから問題なく海水パンツなんだけど……

 辰真の肉体が凄スキルのと、服じゃなくてあのズボン皮だったんだよ。そういえば。

 なので海パンは穿けなかった。

 まぁそのまま海に入っても問題は無いからいいか。


 あと俺の尻で泣け。あんたなんでフンドシなんだよ。

 尻の食い込み半端ねぇな。

 それからそこの変態紳士。一番まともそうに見えるけど絶対に脱ぐなよ。


 結局来れた人が僕らだけだったんだよな。僕以外人外ばっか。人型だからまだマシだけどさ。

 変なキャラが参加してこなくて良かった。

 ちなみに女性陣で参加したのはアルセ、リエラ、パルティ、アカネ、のじゃ巫女姫、テッテ、ルクル、パイラである。

 他のメンバーは都合が付かないのと異世界行くとかちょっと怖い。等の理由で遠慮してしまった。


 まぁ、クラゲ娘のリフィとかが一緒に来たらどう考えても大問題だったから、まだアルセだけならフォロー可能だ、多分だけど。

 他のキワモノキャラが来なかっただけマシだと思おう。


 しばし待っていると、女性陣が到着する。

 髪の毛が特殊な色だしやっぱり皆視線を集めるなぁ。

 冴えない僕の元へやってくるまでに何人かナンパな男が声を掛けてるや。

 まぁアカネがやんわり毒吐いて断ってるけどな。


「おーっ」


 僕に突撃して来るアルセ。

 緑の身体な為、アレってどうなってるのとか頭の双葉ってなんだろ? とか疑惑覚えてる人はいるし、なんか写メ撮り始めたけど放置した方がいいのかな?

 アルセ、ちょ、手は振らなくていいから。笑顔向けなくていいから。


 アルセの服装は白いワンピース。アルセを思い浮かべる服装なのだが、実は水着にすると身体を隠す蔦が変にぴっちり盛りあがって変な感じになるため、アカネが気を利かせて普通のワンピースにしたのである。

 アルセ一人分の服くらい買う余裕はあったので服二枚買ってあるのだ。着替えあるから幾ら濡れても大丈夫!

 という訳でアルセは好きなだけ水遊びしていいからね。


「な、なんか恥ずかしいですね」


 そう言いながら近づいて来たのはリエラ。ピンクのビキニはアカネが選んだ水着である。

 流石に自分を覆う布が少な過ぎるので落ち付かないリエラ。周囲の男達の視線も怖いのだろう。僕の傍にやってくると、隣に陣取って動かなくなった。

 すると対抗するようにやってくるパルティ。


 神々の御蔭で僕と引き離されていたからって理由で結構積極的なパルティさん。本日は僕の左にやってくると腕を掴み取ってきた。

 あの、胸が、胸が当ってるのですが……水色の水着は彼女の髪に相まってよく似合う。そんな綺麗な彼女だからこそこっちが緊張するというか、前かがみになりそうになるというか……


 咄嗟にそいつを見る。

 僕に背中を向けて海を真っ直ぐに見つめる仁王立ちの男。

 俺の尻で泣けのTバックふんどし姿を見て一瞬で萎えた。


 精神的にあまり多用は出来ないけどこの状態では助かるな。

 それよりも、アカネさん、それはちょっとチャレンジし過ぎじゃないか?

 アカネさん、何を考えたのかV型水着にチャレンジしてやがる。

 ソレやるには胸が足りな……何でもないっす。


「ああ、ずるいです二人ともっ」


 テッテがリエラとパルティを見て慌てて駆け寄ってくる。

 二人から見ればかなり幼いテッテは、パイラともどもスクール水着を着せられている。

 これもアカネが選んだのか?

 なんでゼッケンというか名札というか、てってとぱいらって拙い文字が書かれてるんだ。


「るー」


 青髪といえばこの子も青い水着だ。

 ひらひら付きの可愛らしい水着である。そんな彼女がむーっと怒り顔で近づいてくると、僕の背中に回り込みぴたっとくっつく。それに対抗するようにテッテが背中に回り込んで首に飛びついて来た。


 ……なんだこれ?

 なんかよくわからないけど皆から厳しい視線を向けられてる気がします。

 あとパイラ、いつの間にヤキイカ買ったの?

 んまし。じゃないよ。海の家は後で行くって言ったろ。


「のじゃ」


 今回地球に来るってことでワンバーカイザーにはお留守番頂いた。

 今回付いて来たのじゃ巫女姫ことのじゃ姫は、白いスク水を着ている。彼女だけなぜこれにした?

 そんなのじゃ姫の水着姿を見た変態紳士は興奮しすぎて鼻血を噴き出す。

 それでも収まらなかったようで興奮しすぎて海パンが宙を舞った。


 一瞬の静寂、海水浴場でただ一人、雄々しく生まれた姿を存分にさらけ出す変態、ロリコーン至高帝。

 途端、周囲から悲鳴を上げた海水浴客が逃げだした。

 ああ、事案発生だ……


「ま、まだ泳いでないのに……」


 撤収と聞いてのじゃ姫を持ち上げ走りだす全裸紳士。完全な事案です。

 ほどなくライフセイバーたちが駆け付け全裸紳士VS海の戦士たちの闘いが繰り広げられる。

 屈強な男達に取り押さえられた変態と救助されたのじゃ姫。

 のじゃ姫はアカネが責任持って回収。

 だが、取り押さえられた変態を回収することは叶わず、やってきた警察に手錠を填められ連れ去られて行った。


 ついでに俺の尻で泣けが浜辺で毒ガスを撒いた疑いで一緒に掴まってたけど僕は関係ない。他人です。知りません。そいつらのことなんて知らないんです。

 全員で他人にして切り捨てたことは、二人には秘密である。

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