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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
最終話 その彼の名を誰も知らない
1354/1818

そのアルセなリエラにアルセすることを誰も知らない

「この辺りは誰もいませんね」


「カミュ、油断禁物であります」


 シャロンとカミュが先行する。

 三差路や十字路に差しかかると周辺の安全を確保し、リエラの指し示す方へと向かう。


「にしても、随分正確みたいだな。本当にいるのかね」


「私にも分かりません。でも、まるで透明人間さんが教えてくれてるみたいで、私は、信じたいです」


 隣を走るケンジに告げる。

 ケンジはそりゃそうか。と苦笑する。

 本当に顔すら知らない透明人間が好きなのだな。そう思い、信じきろうとするリエラに同意する。


「んじゃ、透明人間君の指し示すボスの場所までしっかり護衛しますかね」


「っ! 前方に大部屋があります」


「敵もいるみたいでありますな。ではリエラさんをよろしくお願いしますアナタ」


「お、おぅ」


 シャロンがふふっと笑みを浮かべ、ケンジが顔を赤らめる。

 差し出されたシャロンとカミュの手にハイタッチで答え、リエラとケンジが駆け抜ける。


「て、敵襲――――ッ!!」


「こいつ等こんな場所まで!?」


「この先に行かせるなッ! 止めろッ」


 コピー人間達が慌てて動き出す。

 しかしバグの力がこの辺りまで及んでおり、動こうとしてその場に留まる者、逆方向へと走る者、前に向かう半身と後ろに向かう半身とで綱引き状態になるものなど半数の兵士が戦闘前に瀕死状態に陥る。


 さらに手にした銃器は全て殺傷能力を失っており、暴発、相手を回復。射出後帰還など様々なバグにより自爆者が大勢でてしまう。

 それでも一部の兵士は無傷で戦闘準備を整えリエラ達に向かい来る。

 コレに対応するのはシャロンとカミュ。

 駆け抜けるリエラとケンジを庇うように出口を塞ぐと、並み居る帝国兵に対峙する。


「さぁ。大立ち回りの始まりですよカミュ」


「がんばります。帰ったらライバルですねシャロン先輩」


「女になったからってケンジは渡さないであります!」


「俺ら無視して無駄話してんじゃねぇーっ!!」


 百体近い帝国兵との地下ダンジョン遭遇戦。

 ナイフを両手に構えるカミュ、双剣で走り寄るシャロンが率先して斬り結び、彼女に迫る敵をカミュの投げナイフが駆除していく。

 最初の内はこの戦法で。投げナイフが無くなると同時にシャロンの元へと駆け付けたカミュは背中合わせて敵に対峙する。


「こんな闘い初めてな気がします」


「そう? 凶悪で絶望的な闘いなら裏番長事件の方が恐ろしかったでありますよ」


 軽口叩いて近づく敵を撃墜する。

 互いをカバーして時にカミュに迫る敵をシャロンが、シャロンに向かって来た敵をカミュが倒して位置を入れ替える。

 しばし闘っていた時だろうか、自分たちが大部屋にやって来た入口から、一人の男が走り込む。


「真空波斬!」


 その男は大部屋に侵入すると同時にスキルで帝国兵を切り裂く。


「そこに居るのは影兵か! リエラ達は先か!?」


「わわ、か、カイン国王陛下!?」


「挨拶はいい。死ぬだけだからな。悪いが先に行かせて貰うぞ。ハイタッチ行っとくか?」


「で、ではリエラさんとケンジさんをよろしくでありますよ」


 シャロン、カミュとハイタッチを交わし、カインが風のように駆け抜けていく。


「い、行ってしまったでありますね」


「か、カイン国王陛下来ちゃってたんだ。うわぁ緊張した」


「はい、緊張は終わりであります。敵はまだまだいるでありますよ」


「おっとそうでした!」


 はっと思い直したように武器を構えて切り裂くカミュ。

 背後からサバイバルナイフを突きだして来た帝国兵を後方伸身宙返りで交わし、首に着地。

 両足に力を入れて首を圧し折る。

 両手を肩に置いて倒立。倒れ始めた男から飛び跳ね空中からマキビシを投げ付ける。


「ちょぉ!? なんてものを投げるでありますか!?」


 避けた場所でマキビシを踏みかけ慌てるシャロン。

 体勢の崩れた彼女に帝国兵が突っ込む。

 片足を軸に宙へと舞って、シャロンは突進して来た帝国兵を上空から真っ二つに切り裂く。

 カミュの周辺には既にマキビシがびっしりと蒔かれており、あんな場所で闘っていれば不意に足で踏んでしまうことだろう。

 そうなると流石にシャロンも帝国兵に敗北する可能性が出てくるのでこのままカミュの近くで闘うのは危険だ。


「離れて闘うであります。フォローできなくなるから期待はなしでありますよ」


「了解!」


 二人距離を離して闘いだす。

 そう口にはしながらも、互いに不利になりそうになると、相手のフォローの為にマキビシを投げたり刀を投げたりとフォローを行う。

 まだ余裕のある二人は徐々に帝国兵の数を減らしていくのだった。


「シャロンさん、なんやかんや言いながらフォローしてくださってますけど」


「貴女も良くこちらを見てるでありますな。自分のことを疎かにしてはダメでありますよ!」


 ライバル宣言しながらも結局仲の良い二人であった。

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