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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 そのバグが意思を持っているのかどうかを誰も知らない
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アルセのアルセとのじゃアルセのっぴょぉ!?壁|wO)㎜C=(´-`。)三

「のじゃー!?」


 増殖が止まった帝国兵を見て、のじゃ姫は驚きの声を上げていた。


「死なば、諸共ぉぉぉ――――っ。まだまだ、死なぬわ」


 まだまだ死なぬわ、がスキル道連れを使って帝国兵を撃破。自分だけは生き残りいつもの台詞を吐いている。

 その横では羽根の生えた天使みたいな無礼でおじゃるがふよふよと浮かび、悪魔の羽根を手に入れたらしいマッシブガルーが大魔王降臨のような姿で敵を圧倒している。

 いつの間にそんな進化をしたのだろう。

 戸惑うのじゃ姫だったが、その視界の隅で無数の変化が起こっていた。


 防衛軍がマッスル化していたり、帝国兵が踊りはじめたり、戦車が紙装甲になっていたり。

 殿中でござるの一人が気付いて、見ろ、俺力持ち。とばかりに戦車を持ち上げ楽しげに重量挙げのマネゴトをしていた。

 いいなぁっと思ったのじゃ姫だが、参戦するような暇は無い。


 周囲の戦況を見ながらなんとか指示を出して行く。

 ワンバーカイザーも大活躍だ。

 無数のピクルスが大空を乱れ舞い、バグってしまったのかワンバーカイザーの周囲を飛び交い光線を煌めかせている。

 その姿、まるでフィン・ファン○ル。


 ワンバーカイザー自身もおかしくなったのか、巨大化した状態で口を開くと、その口元に光が集まる。

 ピカァッと光が瞬き口からエビ光線が迸る。

 エビ型なのはバグのせいだろう。


「のじゃぁ!?」


 気付けば、のじゃ姫の周囲で護衛に当っていた影からニンニンたちの衣装がド派手に変わっていた。

 変化し過ぎな眩しい銀ラメ衣装の影からニンニンが、影に隠れようとしているが自身の眩しさのせいで隠れきれていなかった。


 帝国兵の銃撃も鳴り止む。

 彼らの武器が一様に意味を成さないモノになったからだ。

 打ち出すことはできるが敵を回復する弾丸では放つ意味がない。

 帝国兵は武器を投げ捨てナイフで闘いを始める。


 しかし、増殖を封じられ、バグで能力低下した帝国兵ではバグにより謎強化された防衛軍や魔物の群れを相手に出来る力などなかったのである。

 結果、なすすべなく殿中でござるたちに討ち取られる帝国兵多数。

 囲まれているため逃げ場すらなくし、ただただ四面楚歌の現場で仲間が一人、また一人と消えていくのを待つだけになっていた。


「なんでだよ!? 増殖許可降りたんだぞ! なんでこうなる!? 何が起こった!?」


「無理ゲーだろこんなの!? なんだよこれ、世界規模で重大なバグが起こってんじゃねーか。こんなのリセット案件だろーが!」


 帝国兵たちが口々によくわからないことを叫ぶ。

 放っておいても全滅は近いと結論付け、のじゃ姫はとことこ目的地へと向かうことにした。

 目的地では殿中でござるが戦車を持ち上げている。


「のじゃ」


 妾もやりたいのじゃ。告げられた殿中でござるはえーっと哀しそうな顔をしながらも、力自慢できる紙装甲の軽い戦車をのじゃ姫に放った。

 空を飛ぶ戦車を慌てて受け止める。

 真上に両手を上げると、その両手にふわっと戦車が降りて来た。

 重量は全く感じない。


「のじゃー!」


 どうじゃー、力持ちであろう!

 ふんぬ。と胸を張るのじゃ姫。切り捨て御免がソレを見付けて何をなさっておるのだ姫は。と頭を抱えていた。

 軽くなった戦車を振りまわして遊びだしたのじゃ姫を放置して、彼女の召喚魔物たちは必死に帝国兵を駆逐していくのだった。


「のじゃのじゃのじゃ、のじゃぁ!?」


 遊んでいると、先程紙戦車を持ち上げていた殿中でござるが同じく紙のような重さになったらしい戦闘機を抱え上げ、巨大紙飛行機よろしく飛ばして遊んでいた。


「のじゃぁ!」


 それ、やりたいのじゃ!

 のじゃ姫は両手で支えていた戦車を放り投げ殿中でござるの元へと向かう。

 放り投げられた戦車は地面に激突し、紙が全力で地面に投げつけられた時のようにぐしゃりとつぶれて大炎上していた。


 そして再び遊ぶ物を取りあげられてのじゃ姫を睨む殿中でござると、楽しげに戦闘機を投げ飛ばすのじゃ姫。

 チャキリ。殿中でござるは決意と共に刀を引き抜く。


「で、殿中でござるっ!?」


「のじゃぁ!?」


 遊んでいたのじゃ姫目掛け刀を構えて突撃して来た殿中でござるにのじゃ姫は驚き逃げだした。

 投げ飛ばした戦闘機は殿中でござるに切り裂かれ二つに割れて爆散する。


「殿中でござる殿中でござるッ!!」


「の、のじゃー」


 ら、乱心なのじゃ。慌てるのじゃ姫、半べそ掻きながら彼女を追う殿中でござる。

 石に躓いたのじゃ姫に追い付いた殿中でござるが上段に構える。


「殿中でござ……「斬り捨て御免!」」


 そして成敗される殿中でござる。

 じゃじゃ馬すぎたのじゃ姫を助け起こした切り捨て御免は、これ以上は大人しくしているように厳しくのじゃ姫に告げて、再び戦場へと向かうのだった。

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