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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 そのバグが意思を持っているのかどうかを誰も知らない
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曾のアルセとアルフレぞんBeeセのぴょぴょぴょぅ?壁|w`;)知らMC=(´-`。)三

 ハーケン・ディアル・コットンは愕然としていた。

 突然アルセの蔦が消え去ったのだ。

 否、透明化しただけで蔦自体はそのままだ。


 外が見えるようになったので皆が窓に向かって外を見る。

 バルコニーへとやって来たハーケンもまた、国に攻め寄せた帝国兵を見ようとしていた。

 その先にある光景を見て、呆然とする。


 黒い大地がそこにあった。

 軍団パーリーアントたちによる戦勝パレードだ。

 帝国兵は欠片すら見当たらない。


 どうやら既に彼らにより帝国兵は全滅したらしい。

 小さな妖精たち。

 本当にやってくれた。


「おお、おおお……」


 あまりにも感動し過ぎて言葉が出て来ない。

 あの小さな者たちに国が救われたのである。

 コレ程に感動する事があるだろうか?


「父上、凄いですね」


「ああ。ムリアン、か。我等の英雄だな」


「あの、お父さま?」


 モスリーンはふと、国王の様子がおかしいことに気付く。

 何か嫌な予感がした。


「おお、おおお。なんということか。妖精ムリアン。我々の英雄」


「あの、お父さま?」


「父上?」


「メルトガルド、モスリーン。儂は決めたぞ!」


 何を? 二人は嫌な予感のせいで何も言えなかった。否、言いたくもなかった。


「儂は彼らの銅像を立てる。いや、それだけではたまるものか。ムリアン殿、ムリアン殿ー、儂と、儂と結婚してくれぇー」


「「ええええええええええええええっ!?」」


 国王ハーケンはバルコニーを走り去り城に入口へと向かって行った。


「いや、流石に個体差が……」


「そもそもいろいろ問題があり過ぎると思いますよ。え、結婚出来るんですか?」


「ムリアンの方が了承すれば父は確実にやる。この国どうなるんだ!?」


 慌てて国王を止めに走り出すメルトガルド。モスリーンも慌てて彼を追って走り出した。

 世界がビキリと音を立て変質していたが、彼らが気付くことは無かった。




 ネフティアたちのいる戦場もまた、バグが蔓延り始めていた。

 クジラが空を飛び地中からブロンドザウルスが首だけ出して泳いでいる。

 レッサーパンサーが跳躍、数百メートル離れた敵前へとワープして首筋に噛みつく。

 ホロヨイが千鳥足で木の上を歩き、ヨイドレがソレを見て叫び声を上げている。


 ハロイアのガトリングソードランチャーから放たれた剣たちがホーミング機能を手に入れ避けた敵に向かって行き、アキオ率いる魔物の群れが瀕死の帝国兵を迎撃して行く。

 至高帝もまた猛る。全裸紳士は白薔薇を舞い散らしながら敵陣深く斬り込み、全裸帝国兵を大量に作っていた。

 白薔薇に包まれた男達は何故か服を脱がされ倒れるのだ。一体何が行われているのか恐ろしい技である。


 ネフティアはそんな仲間たちを横眼に見ながら、周囲の変化をつぶさに観察していた。

 先程から、世界がおかしい。

 帝国兵たちの武器は完全に殺傷能力を潰されており、増殖能力も消えているようだ。

 自分たちの味方も様々な変化が起こっているが、致命的は変化は殆どない。

 あったとしてもこの闘いの間に憎い相手を殺そうとしていた者や、火事場泥棒など悪行を行っていた悪人だけだ。


 身体が前に進まなくなる移動不可状態や、行動不能状態。常時睡眠など、かなり重いバグを患った悪人もいる。

 一瞬バグった相手を見て焦った兵士たちも、相手がどういう人材か確認をし終えると、ざまぁねぇなと笑い合う。

 その笑いが引き攣っている奴ほどバグの症状が重かったりするのがどういう理由なのか丸分かりだった。


「クソッ!!」


 はっと気付いたネフティアの額に銃弾が直撃した。


「はは、やってやっ……ぶはっ!?」


 なぜかネフティアを見て噴き出した帝国兵にチェーンソウを突き入れる。


「ぶはははははかぺ? かぺぺぺぺぺおぴょっ」


 真っ二つに引き裂くと、帝国兵は音もなく消え去った。

 どうやら敵の攻撃はどれ程喰らっても無傷になるようになってしまったようだ。


「ネフティア、今銃弾喰らってたけどだいじょ……ぶひゃっひゃひゃひゃっ」


 ネフティアが銃撃を受けていたことに気付いて慌てて引き返して来たアキオ。

 しかしネフティアを見たアキオは指を差して笑いだした。

 なんだ? と怪訝な顔をするネフティアに、アキオはアイテムボックスから手鏡取り出してネフティアに見せる。


「花、花咲いてやがるぅ~ぶひゃひゃひゃひゃ」


 腹抱えて爆笑するアキオ。

 鏡を見て頭の上を手で確認するネフティア、そこには可愛らしい青い花が二枚の葉っぱと共に揺れていた。

 先程喰らった銃弾は当った相手の頭に花を咲かせるスキルがあったようだ。


 ぶちっと花を千切り取ったネフティアは思い切りアキオに正拳突きを放ち強制的に笑いを止めた。

 ついでに転がっていた銃を手に取り迷うことなくアキオに撃った。

 アキオの頭にお花が咲いた。

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