Soノアルセとたいちょぉぉぉアはセのぴょぴょぴょぴょぴ?壁|w`)知らなNC=(´-`。)三
ダーリティア周辺の帝国兵たちは突然の変化に戸惑っていた。
リファインが復帰したことで息を吹き返した防衛軍も厄介ではあるが、この現象は度が過ぎている。
全身が拒否反応を示す程の災厄が起きている。
戦車が空を飛び戦闘機が土の中に半身埋めて移動している。
直ぐ横に居た帝国兵は巨大化して足だけがそこにある。
哀しいことは巨大化したのは下半身だけなので動くことすら出来ないらしい。
バランスを崩して倒れないことを祈るばかりだ。
顔だけデカくなった帝国兵は泣き叫びながら倒されていた。
的が大きかったので楽に倒せたようだ。
戦車の一部は宙返りし始め、失敗した瞬間大爆発で炎上していた。
どうやら宙返りし続けないと爆散するスキルが付いていたらしい。
そして、彼も。帝国兵は自身を見つめる。
随分と細くなった。
紙のようにぺらぺらだ。何故これで生きているのか分からないが、どうやらこれ以上の変化は無いらしい。
風に吹かれて飛びながら戦場を脱出する。
なんとか体勢を整え直して再侵攻を……
思った次の瞬間だった。
突然衝撃が彼を襲った。
まるで接近戦闘で拳を受け続けているような打撃の連続。
また変なことが起こっている。気付いたが彼にはどうする事も出来ない。
風に飛ばされるまま中空を漂う彼には、打撃を避ける術がないのだ。
意識が遠のいて行く。
必死に攻撃相手を探す彼の眼に、遥か遠く、黄色の服を着た少女がこちらに向けて拳を突きだしているのが見えた。
当然、彼と少女の間にはあまりにも長い距離がある。
普通ならば届くわけがない。だが、奴だ。本能的に察した。
ただ、察したはいいが、彼が何かできる訳もなかった。
そんな男にトドメの一撃を刺し、テッテはふぅっと息を吐く。
戦場から飛んで行く紙のようなモノを見て咄嗟に拳を振るったのだ。
遠当てスキルは怪現象中の今でも変化してなかったようで、無事に敵を撃破できた。
「撃破完了です」
「お疲れテッテ」
「でも……」
兄の賛辞に親指立てて、テッテは周囲を見回す。
その怪現象は、どう見ても一つの理由を連想させた。
「透明人間さん……やってしまったですか……」
少し哀しげに眼を伏せる。
彼女は疑っていなかった。
例え神から警告を受けようと、別れの時間くらいあるだろう、と。
きっと元の世界に戻るだけだ。
だからグーレイに頼めばまた会える。
そう、楽観視していた。
「全く、世界ごとバグらせるなんて豪快すぎます」
ただ……再びテッテは戦場を見回す。
帝国兵防衛軍魔物、全てに変化が起こってはいるが、どう贔屓目に見ても帝国兵へのバグが一番酷い。次に魔物で防衛軍、最後にアルセ姫護衛騎士団だ。
アルセ姫護衛騎士団のバグ化はむしろ自分たちの能力底上げになっており、マイナス要素が一つもない。
むしろマイナス要素を打ち消すバグが大量に出現している。
「リファイン隊長もメイリャ副隊長もなんだか凄いスキル貰ったみたいだし、もう負ける要素なさそうね」
「みたいだな、ローアは何貰った?」
「え? と……子宝豊富」
恥ずかしそうに告げるローア。ちらっちらとコータに流し眼を送ってくる。
何かを察したコータが顔を真っ赤にして慌て出す。
それに気付いたテッテは静かに二人から離れて戦場へと向かった。
「私も、連れて行って欲しいですよ透明人間さん。だから、ここはしっかりがんばるです」
拳を握り、生き残りの帝国兵へとシャドーボクシングを始めるテッテ。その威力がだんだん上がっていることに、彼女は気付いちゃいなかった。
「敵はもはや死に体だ。遠慮はいらん駆逐しろ!」
リファインの激が飛ぶ。
無数の魔物に乗った冒険者が騎士団と共に突撃する。
連携を始めた彼らに、武器すら満足に使えなくなった帝国兵たちが勝てるわけもなく、ただただ防衛軍に蹴散らされるしかなかった。
その戦場に、メイリャもいた。
リファインが戦場復帰したことで再び武将の一人となった彼女は、笑いながらメイスを振りまわし敵を相手取っていた。
敵軍もなんとか抵抗しようと銃弾を打ち放つが、その殆どがブーメランで自身に帰り、あるいは相手に当っても回復させるだけで終わる。
焦ったところに大ぶりのメイスが側頭部に叩き込まれ息絶える。
メイスがぶっ壊れればフレイルを取り出し再び特攻、それが壊れればモーニングスターにホースマンズフレイル。メイリャの武器はまだまだたくさんある。
リファインはふぅっと息を吐く。
先程までは無理して戦場に立ったせいで全身に痛みがあったのだが、今はむしろどんどん体調が良くなっている。スキル構成を確認すると常時回復というスキルが増えていたり他のスキルがバグっていたのだが、その殆どが今までよりも使い勝手の良いスキルだったので神からの贈り物だと勝手に納得することにしたのだった。




