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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その抗う者たちを彼らは知りたくなかった
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その増殖同士の闘いを帝国兵は知りたくなかった

 ナーロイアでも増殖の勇者の群れが増殖を開始していた。

 だが、ここに居るのはギリアム、ワンバーカイザー、そしてのじゃ姫だった。

 戦闘機は巨大化したワンバーカイザーが請け負い、のじゃ姫は魔力回復用のポーション片手にござるでおじゃるのじゃーと連発していた。


 無数の殿中でござると無礼でおじゃるが召喚され、無礼でおじゃるが殿中でござるを召喚する。

 二重に召喚されるため、倍で増殖する殿中でござると、全員が増殖する増殖の勇者の数はほぼ同じだった。

 若干増殖の勇者が多いが、そこは残った無礼でおじゃるやまだまだ死なぬわ。マッシブガルーが迎撃し、切り捨て御免の指揮の元、帝国兵が屠られて行く。


 増殖の勇者VS無限召喚殿中でござる。

 刀を持って突撃する殿中でござるだが、その丁髷は鉄砲に劣らぬ一撃を放つ侍たちだ。

 だから、敵が銃器で遠距離を行えば、負けじと丁髷砲で応戦する。このため互いに大ダメージを受けおびただしい死者が出ているのだった。


 ごきゅごきゅごきゅっとポーションを飲み干し、けぷっと可愛らしいゲップを行いながらのじゃ姫が拳を突き上げる。

 「おじゃるでござるのじゃー!!」叫ぶのじゃ姫の周囲に殿中でござるが召喚される。

 無数に現れた殿中でござるは、当然のように敵へと向かって走り出す。

 帝国兵がなんとか迎撃を行うが、銃弾を受け死に掛けた殿中でござるから優先的に丁髷砲を打ち放つ。


「クソ、こいつ等面倒過ぎる!」


「増殖してんじゃねーよクソ侍が!」


 自身のスキルを棚に上げ悪態を突く帝国兵。

 その背後から、魔物の群れが押し寄せた。

 半透明のクリスタル系魔物達が帝国兵に襲いかかる。

 今ですら拮抗状態だった帝国兵は、クリスタルシザーズの群れやクリスタルハウンドの群れに襲われその数を減らし始める。


「ええい、手段は問わん、あの小娘を殺せ! 奴を止めれば侍共も頭打ちになる!」


「ロケットランチャーで一撃だ。くらえ!」


「のじゃっ!?」


 ひゅるひゅると風斬り音を響かせ砲弾が迫る。

 驚くのじゃ姫、その防衛は新たに召喚した侍たちだけ。

 慌てて自身を盾にするが、その身体をブチ破り、のじゃ姫へと向かう砲弾に、侍たちが焦る。


「忍っ!!」


 主の危機に、彼女の影に隠れていた男が動いた。

 ばさりと風呂敷のようなモノを広げて砲弾を包み込み、砲弾と共に姿を消す。

 驚く皆の目を盗み、帝国兵の頭上に現れた影からニンニンはばさりと風呂敷を広げ、取り込んでいた砲弾を真下に向けて撃ち放つ。

 驚いた兵士達が空を見上げ、砲弾が炸裂した。




 メリケンサック王国は危機に陥っていた。

 増殖の勇者たちはまだ居たらしく、必死に抵抗を続けているが、もはや何も効かず、全てを取り込み増殖を続けるモザイク人の群れに、彼らはなすすべなくモザイク化していっていた。


「今のうちに逃げるぞ。撤退!」


「で、でも、どうすんだよアレ!」


「どうにもできん。とりあえず皆建物から出ないように告げるしか……」


「のっぴょろーん」


「クソ、そろそろこっちにも来だしたぞ!」


 取り込む対象が無くなったため、メリケンサック公国防衛軍に視線を向けるモザイク人の群れ。

 次に取り込む対象はお前達だ。そう告げるようにゆっくりと近づき始める。


「行くぞ。敵対しようとは思うな、とにかく引き離して国に戻る!」


 防衛軍が慌てて逃げ出す。

 周囲に集まった魔物や動物も慌てて逃げ出すが、足の遅い者からモザイク化していく。

 想定していた状況以上の最悪な状況にモザイク人を引っ張り出してしまった男達は後悔していたが、彼らを使わねばメリケンサック公国が滅びていたかもしれないのだ。

 まだ生き残っているのだから、一応良い判断をしたはずなのである。


「こ、これでよかったんだよな?」


「良かったと思うしかねぇーだろ!」


「責任取るのは俺たちだ。あの子供たちにまで責任負わせる前になんとかするっきゃないぞ」


「なんとかってどうすんだよ!?」


「知るか、なんか考えろ!」


 兵士達が互いをなじりながら国へと舞い戻る。

 街門を閉め、こぞって教会へと向かいモザイク人たちから篭城で防衛するのだった。

 しかし、全ての兵士が撤退できたわけではなかった。

 メリエの知り合いである二人は最後まで残る。当然元盗賊のおっさんもだ。


 逃げ寄せる防衛軍を教会に収容し、最後に扉を閉める役をモザイク人を解放した者として行ったのである。

 最後の一人までなんとか撤退したのを確認し、目前迫るモザイク人を扉を閉じて閉めだす。


「そら、お前らは他の入り口がねーか徹底的に調べて来い」


「じゃあ、こっちは任せる」


「お互い生き残ろうぜ」


 男達は正面の施錠を行い、他の入り口がないか調べに向かう。

 外には無数のモザイク人が集まりだし、唯一残った教会の周りを囲み始めるのだった。

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