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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その西大陸の闘いを総統閣下は知らない
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AE(アナザー・エピソード)その森を守るモノたちを帝国兵は知りたくなかった

「るー!」


 ルクルの指揮の元、カレーニャーの森からコルッカを襲撃しようとして来た部隊とヒャッハー達が激突していた。

 アルセ神バイクに跨り縄を回しながら迫るヒャッハーたちに一斉に銃弾が襲いかかる。

 ジャケットがヒヒイロアイヴィ製になっているので致命的ダメージこそないものの、撃たれてバランスを崩したヒャッハー軍団が地面に投げ出され、バイクだけが敵陣に突撃する。


 ただの鉄塊よりも硬過ぎるバイクに突撃され、帝国兵からも多大な被害が続出した。

 やられ役のヒャッハーたちにしては素晴らしい働きである。

 バイクにより蹂躙され、体勢を崩した帝国兵に、左右の森からカレーニャーたちが殺到。

 カレールーバー片手に迫る二足歩行の猫達。

 銃弾を喰らうがカレーでできた彼らにダメージは存在しない。


 次々にカレー塗れにされて銃器を無力化されて行く。

 実質的な死者こそカレーニャー相手にはだしてないが、武器が使えなくなった帝国兵は無力であると言っても良かった。

 それを辛口カレーニャーや激辛カレーニャーが倒して行く。

 ルクルもディッシュブーメランで敵を撃破し、順当に敵軍を減らしていた。


 何よりも銃弾が効かず、接敵出来れば相手の武器を使用不能に出来るカレーニャーたちのホームグラウンドであるところが有利に闘いを進められている条件だった。

 ここなら万を超すカレーニャー達が絶えず襲いかかれるので相手を無力化するには最適な場所なのだ。


 だが、それも第二陣が現れるまでだった。

 戦車がキュラキュラと迫り来る。

 戦闘機を悠々空を抜けていく。

 ルクル達にはこれらを撃破する方法が無かったのである。


「るー……」


 なすすべなく押しつぶされて行くカレーニャーを見て、ルクルは思わず息を吐く。


「れー「ちゅー」にゃー」


 そんなルクルに寄って来たカレーニャー。自分の口に腕を突っ込むと、ちゅーちゅーと焦った声が聞こえてくる。

 なんだろう? ルクルがそちらに意識を向けると、カレーニャーの口からネズミが一匹現れた。

 カレーニャーはそいつをルクルに手渡す。

 危ないから持っててくれ。ということらしい。


 よくよく見れば、他のカレーニャーに紛れているが、レーニャであった。見分けが付かなかったがアルセ姫護衛騎士団の一員である。

 彼は体内に住んでいたネズミミックにバイバイと手を振って、カレールーバー片手に戦車へと突撃する。


「チューッ!!」


 ネズミミックが涙を流し、引き留めようと手を伸ばす。

 その目の前で、レーニャが戦車に轢き潰された。


「チュ――――ッ!!」


 そして戦車が通り過ぎた後、にゃにゃにゃにゃーんと復活するカレーニャーたち。もちろんレーニャも無事である。

 しかし、彼らでは戦車を止められず、ヒャッハーたちも流石に鋼鉄の要塞である戦車相手には逃げるしか手がなかった。


「るー」


 なんとかしないと。

 焦るルクルだが方法など既にない。

 自分たちだけでは手詰まりだ。そう、自分たちだけでは……


「とぉーっ」


 不意に、背後から声が聞こえた。


「るーっ」


 無数のディッシュブーメランが帝国兵へと飛んで行く。

 遅れ、セーラー服の少女たちが一斉に戦車部隊へとドロップキック。

 ただのドロップキックの筈なのに装甲をぶち抜き戦車をスクラップへと替えていく。


「そこだッ!」


 さらに走り込んできた艦長ルックの男が敵陣に突撃し、兵士の一人の背後に回る。

 気付いた帝国兵が反応するより早く、両手を組んだ男は人差し指と中指を立て、思い切り相手の尻にねじ込んだ。

 浣腸艦長の一撃で一瞬、周囲の時間が止まる。


「ぐほぉぉぉぉっ!?」


「ふっ、またつまらぬケツを突いてしまった……」


 無数のクルー・ク・ルーが、マリナー・マリナが浣腸艦長が、ルクルの背後から援軍に駆け付ける。

 まさかの援軍にルクルはただただ呆然と見入ってしまっていた。


 だが、彼らだけではなかった。

 巨大な船が陸地を走る。

 大音量の声が響く。船の中から外へと放送を送っているようだ。


「クルー・ク・ルーは上を狙え! マリナー・マリナは鉄の箱撃破だ! デッキでっ木、浣腸艦長、目出度い鯛、イワシイワシ、カメカメカー、サメザメは敵兵を駆逐!」


 御せん漁船の艦長室からキャプ点キャプテンが指示を飛ばしている。

 漁船からは左は銀サハギンの群れが現れ手に持った槍を真上の戦闘機へと投げつける。

 海兵洞窟に住む魔物達が、ルクル達の援軍に駆け付けたのである。


 だが、それだけじゃ無い。


「ゆくぞ皆!」


 七色のヒーローが群れで現れる。マイナーグリーン、クールブルー、おいろけピンク、うっちゃりイエロー、助っ人シルバー、ツンデレブラック、オレがレッドたちがそれそれ数百名ずつ、七人一組になって走ってくる。

 どうやらアルセから貰った怪しい実を食べて言葉を喋り出したらしい。

 彼らは雄叫び上げながら帝国軍向けて走り出すのだった。


「行くぞレッド!」


「任せろブルー! 七色戦隊レインボーレンジャー、行くぜ皆! 呼び出せ七色機神プリズムセファリオン!!」


 各地の七人組が一斉に同じことを叫びだす。彼らの側に巨大魔法陣。

 魔法陣からせり出す巨大なそれに、レインボーレンジャーが乗り込んでいく。

 現れたのは巨大ロボ。戦闘機が飛び交う空にさえ届く長身の巨人であった。

 その数、数百機。戦闘機数十機VS巨大ロボ数百機の闘いが始まったのであった。

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