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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その火山の山頂を僕らは知らない
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その狂信者を止める術を僕らは知らない

 結局ロックスメイアにアレ以上留まれなくなった僕らはさっさと次に向かうことにした。

 今はエアークラフトピーサンに乗ってダーリティア連邦に向かっているところである。

 パルティが加わったので賑やかではあるものの、アカネさんちょっと不機嫌です。


 そりゃまぁ自分のせいでロックスメイア出入国しゅつにゅうこく禁止になったからなぁ。

 ツバメさんのことだから形だけの話かもだけど、リエラ達は律儀に守るだろう。

 皆に迷惑掛けたってことで悪いとは思いながらも自分は被害者だ、悪いことした訳じゃないって思いもあるんだろうね。


「そう言えば、タングスタートルに貰った能力ってどういうのなの?」


 ふと、パルティが告げたことで、皆の意識が能力確認へと向かう。

 ナイスフォローというべきか、アカネもいつまでもふてくされてる訳にはいかないと話の輪に加わる。


「えーっとですね、能力を貰ったのはローア、テッテ、ニンニン、アニア、ハイネス、セネカ、にゃんだー探険、ワンバーちゃん、アルセ……だったよね?」


「ですです。私は聖獣の加護を貰ったですよ。神鉄亀の加護と書かれてたです。後は……防御力が増加したくらいですね」


 テッテの言葉にコクリと頷くローア。二人は防御増加と加護だけのようだ。


「にん」


 ニンニン君は土を操る力とか幾つか貰ったみたいだ。でも今は空の上なので見せられないらしい。落ちこぼれなのにそんな過ぎた力貰って大丈夫?


「私は魔法かなぁ。魔法反射と土魔法が使えるようになったみたい。あとヒーリング能力? 植物特化だからヒーリングってよりは成長増進魔法?」


 農業に活躍しそうな能力だね。


「ハイネスは何貰ったです?」


「大地魔法だね。なんか地味そうだったからいらないんだけど。誰かいらない? 捨てたいんだけど」


 酷いなハイネス。聖獣から貰った魔法いらんって。


「私は土魔法ですね。オヒシュキ様は水属性なのに、いいのでしょうか?」


「使えるモノは何でも使えばいいんじゃない?」


 アカネが言うと洒落にならないな。どうせミックスマジックだか魔法創造で対象だけを消失させる魔法手に入れて……アカネさん、スキル欄にカラップス・プレリュードなるおっそろしげな魔法があるのですが……スキル説明は対象の原子的繋がりを切断し崩壊させる……そう、この魔法を受けた対象物はまるで何も無かったかのように砂のように消え去ってしまうのだとか……


 アカネの視線がこちらに向いた気がして慌てて魔物図鑑を仕舞う。

 ニタリ、アカネの顔が黒い笑みに歪んだ気がした。

 あかん、これは墓場まで持っていかないと殺される案件だ。


「にゃんだーたちはどうやら土に潜ることが出来るスキルらしいな」


 喋れないにゃんだー探険隊に代わりルグスさんがそう告げる。

 後のワンバーちゃんは鋼鉄化みたいだし、随分強化されたみたいだね皆。

 そしてアルセは……地母神の神格:大地を介した全ての事象をリアルタイムで知ることが出来る。という能力が手に入ってました。ついに神格手に入れちゃったよ。もう神でよくね?


 エアークラフトピーサンが地面に着地する。

 どうやら今回はステファンの呼びかけもあったようで、発着指示が向こうから示され、エアークラフトピーサンが従ったようだ。

 口が開いた瞬間、ステファン卿が走り込んで来た。

 向こうから来ちゃったよ!?


「お久しぶりでございますアルセ神様。このステファン、アルセ神様がいらっしゃる日を一日千秋の思いで待ち焦がれておりました!!」


 久しぶりも何もギルガン王国の時に一度会ったよね? そこまで会ってない日数が多かった気はしないんだけど。

 ステファンはアルセの目の前で片膝を付き頭を垂れながら両手を合わせ臣下の礼を取る。


「エアークラフトピーサンの姿が見えたので即座にお迎えに上がりました。御迷惑ではなかったでしょうか?」


「お」


 くるしゅうない。とでもいいそうなアルセに感涙するステファン。あの、そろそろ外出ませんか?




「成る程、つまり我が国にあるエベレトスへの入山許可が欲しいと。よいでしょう。連邦議会の議員一人が同道していれば許可など取らずとも向かえます。このステファン、アルセ神様の為であれば命も惜しくはありません、ご同行させていただきま……」


 にこやかに告げるステファンに、アルセは困った顔で首を振り、「お」と一言告げる。


「な、なんともったいなきお言葉。命を粗末にするなとおっしゃるならば、我が命に代えましても死なず生還致しましょう」


 ステファンさん感激のあまり言葉がおかしいよ。命に代えて死なないって代えた命どこいった。


「では早速ご案内いたします。我が小さき馬車ですがぜひともお使いくださいませ」


 ステファンの告げる馬車は三連結の物凄い豪奢な馬車だった。

 おそらく僕らのメンバーが多いと予想してこの馬車にしたんだろう。しかも早速火山に向かうつもりらしい。ロックスメイアからさっさとこっち来たから皆休みたいと思うんだけど、大丈夫かなリエラ?

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